浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0405A01: | 知るになるなれば。能く知りたる人には。佛より勝れ |
Z14_0405A02: | たるはあるまじ。淨土宗の尼入道は。愚癡無智なが |
Z14_0405A03: | ら。口稱にて。淨土得生するぞとの玉ふ本願と。釋迦 |
Z14_0405A04: | の敎を受けたれば。佛の知り玉ふ如く。佛の見識に契 |
Z14_0405A05: | ふなり。何ぞ之を尊ぶに足らずと誹謗するや。慈雲師 |
Z14_0405A06: | の往生淨土決疑門云。一疑師者。師有二二種一。一邪外等 |
Z14_0405A07: | 師。倒惑化レ人。非二所承一也。二正法之師。復有二凡聖因 |
Z14_0405A08: | 果一。凡及因位容レ有二未了一。猶下淸辨謂今彌勒未二是徧知一。 |
Z14_0405A09: | 俟二龍華道一後方復問上レ津。卽其事也。今顯二示西方一令二回 |
Z14_0405A10: | 向一者。唯果佛聖師。釋迦如來及十方諸佛出二廣長舌一。說二 |
Z14_0405A11: | 誠實言一讃二勸往生一。更何所レ惑。已上談主よく眼をつけ |
Z14_0405A12: | られよ。 |
Z14_0405A13: | 問。天台は勿論。禪宗にても。其外の宗旨にても。佛 |
Z14_0405A14: | 敎の意を能く明めて。生死と云ふ者は。こうしたこ |
Z14_0405A15: | と。凡夫と云ふはこうしたもの。修行の位はだんだ |
Z14_0405A16: | んこうしたこと。能くあきらめたる人は。皆極樂往 |
Z14_0405A17: | 生を求むるなり。乃至自然に深妙のさとりが開く |
Z14_0405B01: | るなりと。此段は淨土宗の意と同じきにや。 |
Z14_0405B02: | 答。爾なり。是れもと借用せられたる淨土宗の念佛な |
Z14_0405B03: | るが故に。何と名を替へても。終に本體があらはれた |
Z14_0405B04: | るなり。今時の衆生にて。界內の見思を斷盡すること |
Z14_0405B05: | さへ。劫數を經ても中々なりがたければ。況や界外の |
Z14_0405B06: | 塵沙無明をや。是故に彌陀の悲願を賴み。極樂に往生 |
Z14_0405B07: | すれば。佛力住持して。自然に深妙の悟りを開くこと |
Z14_0405B08: | 速かなるは。皆是法藏の願力阿彌陀佛の自在神力の |
Z14_0405B09: | 致す所なり。論に正覺阿彌陀法王善住持と云へる之 |
Z14_0405B10: | なり。これ淨土宗の習ひ來り仕來たることにて。愚癡 |
Z14_0405B11: | 無智の尼入道も。學者も少しの隔なく。一門より超出 |
Z14_0405B12: | すと云へる出離解脫の大見識にあらずや。一代敎を |
Z14_0405B13: | 能く明めねばならぬ唯心法界の無生の氣味あひの大 |
Z14_0405B14: | 樣は。合點ゆくことのと云へるぶらつきたる安心と。 |
Z14_0405B15: | 優劣如何ぞや。唯心の淨土。自性の彌陀は近きことゝ |
Z14_0405B16: | 思はるれども。見思未斷の今時の凡愚の境界には非 |
Z14_0405B17: | ず。喩へば自ら睫を見んとすれば。勞して功なく。鏡 |