浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0404A01: | を務むるは。宗旨の建立にて習ひ來り仕來たるば |
Z14_0404A02: | かりのことにて。佛敎の大意を能く知り見識ある |
Z14_0404A03: | より務むるにあらざれば。尊ぶに不レ足と云へり。 |
Z14_0404A04: | これ初めて念佛に趣く人に簡びたるなり。然れば |
Z14_0404A05: | 敎の大意を能く知りたる人の勸を受て。尼入道が |
Z14_0404A06: | 念佛を勤むれば。自大意を知るに契ふなりと。此會 |
Z14_0404A07: | 通よくきこゆることにや。 |
Z14_0404A08: | 答。兼て紛の上手と承りしが。是は紛計りにてもな |
Z14_0404A09: | く。うそもまじりたるなり。佛敎の大意を能々知りた |
Z14_0404A10: | るものならでは。決定せぬ安心ならば。今日の愚夫愚 |
Z14_0404A11: | 婦のなるまじきことゝ難ぜられて。能々と雖も。已に |
Z14_0404A12: | 敎の大意を能々なれば。深妙の理を語るにてはなき |
Z14_0404A13: | なりと。これに紛とうそとの二あり。先能々と雖も。 |
Z14_0404A14: | 已に敎のと云ふて。佛敎の佛の字をぬかれたるは。一 |
Z14_0404A15: | 紛かしなり。深妙の理を語るにてはなきなりとは。一 |
Z14_0404A16: | ツのうそなり。佛敎の大意が深妙にあらずと云ふは。 |
Z14_0404A17: | よも實意にてはあるまじ。若し實意ならば。獅子心中 |
Z14_0404B01: | の虫なるべし。天台も細科をくど〲云ふことを破 |
Z14_0404B02: | し玉ひて。大意を得るを取玉へることゝ。能く知り玉 |
Z14_0404B03: | ふべし。如何に難につまりたりとて。加樣のことは途 |
Z14_0404B04: | 方も無き云ひ分ならずや。縱ひ一經の上にても。大意 |
Z14_0404B05: | は總にて別文の始終を括て漏らすことなし。別文に |
Z14_0404B06: | は總を難れたることもあるなり。而れども總は別を |
Z14_0404B07: | 總し。別は總を別するなれば。大意深妙にあらずん |
Z14_0404B08: | ば。餘何ぞ深妙ならん。況や佛敎の大意と大きに云ひ |
Z14_0404B09: | 出して。其上に能々知りたるにてなければと云ひつ |
Z14_0404B10: | めて置きて。みす〱のうそと紛はいかなる鐵面皮 |
Z14_0404B11: | ぞや。世間の人を皆盲目と思へるが。羞を千戴に殘し |
Z14_0404B12: | なん。笑止千萬なり。さて淨土宗は佛敎の大意を能く |
Z14_0404B13: | 知り。見識あるに依て。尊しと云へるなり。然るに今 |
Z14_0404B14: | 統計して。敎の大意を能く知りたる人の勸を受て。尼 |
Z14_0404B15: | 入道が念佛を務むれば。自ら大意を知りたるに契な |
Z14_0404B16: | りと。これ程前後揃はぬ妄談はあるまじきなり。能く |
Z14_0404B17: | 知りたる人の敎を受けたれば。知らぬ尼入道も。自ら |