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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0410A01: 方は。機の善惡を不簡。業の輕重を不問。口稱念佛す
Z14_0410A02: るものは。阿彌陀佛の本願に攝取せられて。皆悉く界
Z14_0410A03: 外報身の土に往生す。初め華嚴より。終り法華𣵀槃に
Z14_0410A04: 至るまで。種々の法門。淺深一ならずと雖も。皆一大
Z14_0410A05: 事の因緣の爲に非ずと云ふことなし。一代事とは何
Z14_0410A06: ぞや。一切衆生成就佛道之なり。人天三乘各々敎益を
Z14_0410A07: 蒙りて。旣に大事の因緣を成就せり。然るに末法濁世
Z14_0410A08: の凡惱賊害死苦來逼の機は。依心起行の修に堪へず。
Z14_0410A09: 七寳の大事貴しと雖も。𣵀槃の大王膳美也と雖も。三
Z14_0410A10: 學の足立たざれば。更に乘ること不能。六度の喉ふ
Z14_0410A11: たがりぬれば。曾て甞むること不能。唯口稱の一法
Z14_0410A12: のみありて。阿伽陀藥の衆疾を治するが如く。一大事
Z14_0410A13: を成就するの㨗徑なり。故に諸佛同じく稱揚し。諸祖
Z14_0410A14: 共に勸讃し玉ふ究竟一乘の妙法なり。何の所に三藏
Z14_0410A15: 除糞の敎と說きたるや。何れの祖師が客作の賤人と
Z14_0410A16: いへるや。明證を承りたし。法然上人の大きらひの菩
Z14_0410A17: 提心念佛を抑ふと摧邪輪莊嚴記の邪解を取上げ。ひ
Z14_0410B01: たもの誹謗いたさるゝは。何たる意趣ぞや。選擇集を
Z14_0410B02: 如何が見られたるや。選擇集の意は。菩提心は宗に隨
Z14_0410B03: て不同。其の宗々の菩提心を起すべしとこそ勸めら
Z14_0410B04: れたれ。又菩提心念佛を抑ふと云ふは。菩提心を起す
Z14_0410B05: こともならぬ者が。菩提心なくては淨土往生はなる
Z14_0410B06: まじと。生因本願を疑て。念佛をも不申。菩提心も起
Z14_0410B07: さず。是れ起さぬ菩提心が。念佛を抑ふと云ふことな
Z14_0410B08: り。生因本願は名號の一法。願力佛力不可思議にし
Z14_0410B09: て。往生を得ること速かなり。往生しぬれば當彼華
Z14_0410B10: 方始發心。速菩薩大悲願行滿還入生死。普度衆生
Z14_0410B11: 故名發菩提心と釋して。眞正の菩提心を速かに成就
Z14_0410B12: せんと欲するが故に。淨土往生を一向に欣ぶなり。具
Z14_0410B13: 縛の凡夫。娑婆にて假令菩提心を起すと雖も。何ぞ眞
Z14_0410B14: 正の菩提心ならんや。雜緣亂動し。境細心麤なれば。
Z14_0410B15: 唯心卽心の觀貴きことは。實に貴けれども。末法濁世
Z14_0410B16: の衆生の爲には。他の寶の如く。終日數ふるとも。自
Z14_0410B17: 己に於て半錢の分なかるべし。彌陀如來の四十八願

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