浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0410A01: | 方は。機の善惡を不レ簡。業の輕重を不レ問。口稱念佛す |
Z14_0410A02: | るものは。阿彌陀佛の本願に攝取せられて。皆悉く界 |
Z14_0410A03: | 外報身の土に往生す。初め華嚴より。終り法華𣵀槃に |
Z14_0410A04: | 至るまで。種々の法門。淺深一ならずと雖も。皆一大 |
Z14_0410A05: | 事の因緣の爲に非ずと云ふことなし。一代事とは何 |
Z14_0410A06: | ぞや。一切衆生成就佛道之なり。人天三乘各々敎益を |
Z14_0410A07: | 蒙りて。旣に大事の因緣を成就せり。然るに末法濁世 |
Z14_0410A08: | の凡惱賊害死苦來逼の機は。依心起行の修に堪へず。 |
Z14_0410A09: | 七寳の大事貴しと雖も。𣵀槃の大王膳美也と雖も。三 |
Z14_0410A10: | 學の足立たざれば。更に乘ること不レ能。六度の喉ふ |
Z14_0410A11: | たがりぬれば。曾て甞むること不レ能。唯口稱の一法 |
Z14_0410A12: | のみありて。阿伽陀藥の衆疾を治するが如く。一大事 |
Z14_0410A13: | を成就するの㨗徑なり。故に諸佛同じく稱揚し。諸祖 |
Z14_0410A14: | 共に勸讃し玉ふ究竟一乘の妙法なり。何の所に三藏 |
Z14_0410A15: | 除糞の敎と說きたるや。何れの祖師が客作の賤人と |
Z14_0410A16: | いへるや。明證を承りたし。法然上人の大きらひの菩 |
Z14_0410A17: | 提心念佛を抑ふと摧邪輪莊嚴記の邪解を取上げ。ひ |
Z14_0410B01: | たもの誹謗いたさるゝは。何たる意趣ぞや。選擇集を |
Z14_0410B02: | 如何が見られたるや。選擇集の意は。菩提心は宗に隨 |
Z14_0410B03: | て不レ同。其の宗々の菩提心を起すべしとこそ勸めら |
Z14_0410B04: | れたれ。又菩提心念佛を抑ふと云ふは。菩提心を起す |
Z14_0410B05: | こともならぬ者が。菩提心なくては淨土往生はなる |
Z14_0410B06: | まじと。生因本願を疑て。念佛をも不レ申。菩提心も起 |
Z14_0410B07: | さず。是れ起さぬ菩提心が。念佛を抑ふと云ふことな |
Z14_0410B08: | り。生因本願は名號の一法。願力佛力不可思議にし |
Z14_0410B09: | て。往生を得ること速かなり。往生しぬれば當二彼華 |
Z14_0410B10: | 開一方始發心。速菩薩大悲願行滿還入二生死一。普度二衆生一。 |
Z14_0410B11: | 故名二發菩提心一と釋して。眞正の菩提心を速かに成就 |
Z14_0410B12: | せんと欲するが故に。淨土往生を一向に欣ぶなり。具 |
Z14_0410B13: | 縛の凡夫。娑婆にて假令菩提心を起すと雖も。何ぞ眞 |
Z14_0410B14: | 正の菩提心ならんや。雜緣亂動し。境細心麤なれば。 |
Z14_0410B15: | 唯心卽心の觀貴きことは。實に貴けれども。末法濁世 |
Z14_0410B16: | の衆生の爲には。他の寶の如く。終日數ふるとも。自 |
Z14_0410B17: | 己に於て半錢の分なかるべし。彌陀如來の四十八願 |