浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0398A01: | しものと。同日の談なるべし。 |
Z14_0398A02: | 問。卽心念佛の人は。此界にて念佛申す時。はや生 |
Z14_0398A03: | の見を離るゝ故。遙に勝れて目出度修行なりと云 |
Z14_0398A04: | へるは。如何なることぞや。 |
Z14_0398A05: | 答。これ理持は勝れ。事持は劣れりと誹れることばな |
Z14_0398A06: | り。此師觀念を拂ふ等をば。大にきらはるれども。自 |
Z14_0398A07: | 分には理は勝れ。事は劣れりとて。事を捨て理を執せ |
Z14_0398A08: | らるゝなり。何にても偏執すれば。みな過なりと自ら |
Z14_0398A09: | 云ひ乍ら。談義中は。始終理持の偏執より。いろ〱 |
Z14_0398A10: | の妄談を仕出されたり。彼の無言道場にもの申す樣 |
Z14_0398A11: | や侍ふと云ひしには遙に劣れりてこそ覺ゆれ。娑婆 |
Z14_0398A12: | にて。はや生の見を離るゝと云ふは。卽無生忍なり。 |
Z14_0398A13: | 荆溪の云。若實得者。從二六根淨一得二無生忍一。應二物所好一。 |
Z14_0398A14: | 起二神通一現身成佛。云云今は正しくこれ末法諸の衆生。 |
Z14_0398A15: | 道を起し行を修すとも。證悟をうるもの希なるべし。 |
Z14_0398A16: | 何れの所に得忍の卽心念佛者ありや。其人を指示せ |
Z14_0398A17: | らるゝべし。予千里の勞を辭せずして。行て所疑を決 |
Z14_0398B01: | し。得生淨土の結緣すべし。古昔一日に三十部法華讀 |
Z14_0398B02: | 誦せしと云ふさへ。稀有のことゝ思ひしに。頃日に西 |
Z14_0398B03: | 國に一日に五十部法華讀誦の人ありと云へるが。國 |
Z14_0398B04: | 所其人の名を承りたし。往て禮拜供養すべし。淨土宗 |
Z14_0398B05: | の念佛は。自分の智解情量は少しも物たてず。自身は |
Z14_0398B06: | 現世罪惡生死凡夫。曠刧以來常流轉無有出離之緣と |
Z14_0398B07: | 信じ。此機を彼の佛の本願にて攝取し玉ふぞと信じ |
Z14_0398B08: | て。淨土に生ずれば。もとより大乘善根界一乘淸淨の |
Z14_0398B09: | 土なれば。凡小の執見妄謂。頓に滅して同じく不退無 |
Z14_0398B10: | 生の悟りを得るなり。人間五十年。黍一炊の中に遲速 |
Z14_0398B11: | を論じて何かはせん。無益の言論を閣て。稱名念佛し |
Z14_0398B12: | て淨土に往生し。曠刧希聞の佛說を聽聞して。通明智 |
Z14_0398B13: | 辨を具足し。還來穢國度人天の曉は。卽心の唯心のと |
Z14_0398B14: | 利根だて云ふ人よりは。還て早かるべし。何となれ |
Z14_0398B15: | ば。談主先に無生の理を深く明むことこそなり難き |
Z14_0398B16: | ことなれ。無生の氣味あひを。大樣合點することはな |
Z14_0398B17: | るまじきことにあらずと云はるれば。氣味あひの大 |