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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0398A01: しものと。同日の談なるべし。
Z14_0398A02:  問。卽心念佛の人は。此界にて念佛申す時。はや生
Z14_0398A03:  の見を離るゝ故。遙に勝れて目出度修行なりと云
Z14_0398A04:  へるは。如何なることぞや。
Z14_0398A05: 答。これ理持は勝れ。事持は劣れりと誹れることばな
Z14_0398A06: り。此師觀念を拂ふ等をば。大にきらはるれども。自
Z14_0398A07: 分には理は勝れ。事は劣れりとて。事を捨て理を執せ
Z14_0398A08: らるゝなり。何にても偏執すれば。みな過なりと自ら
Z14_0398A09: 云ひ乍ら。談義中は。始終理持の偏執より。いろ〱
Z14_0398A10: の妄談を仕出されたり。彼の無言道場にもの申す樣
Z14_0398A11: や侍ふと云ひしには遙に劣れりてこそ覺ゆれ。娑婆
Z14_0398A12: にて。はや生の見を離るゝと云ふは。卽無生忍なり。
Z14_0398A13: 荆溪の云。若實得者。從六根淨無生忍。應物所好
Z14_0398A14: 神通現身成佛。云云今は正しくこれ末法諸の衆生。
Z14_0398A15: 道を起し行を修すとも。證悟をうるもの希なるべし。
Z14_0398A16: 何れの所に得忍の卽心念佛者ありや。其人を指示せ
Z14_0398A17: らるゝべし。予千里の勞を辭せずして。行て所疑を決
Z14_0398B01: し。得生淨土の結緣すべし。古昔一日に三十部法華讀
Z14_0398B02: 誦せしと云ふさへ。稀有のことゝ思ひしに。頃日に西
Z14_0398B03: 國に一日に五十部法華讀誦の人ありと云へるが。國
Z14_0398B04: 所其人の名を承りたし。往て禮拜供養すべし。淨土宗
Z14_0398B05: の念佛は。自分の智解情量は少しも物たてず。自身は
Z14_0398B06: 現世罪惡生死凡夫。曠刧以來常流轉無有出離之緣と
Z14_0398B07: 信じ。此機を彼の佛の本願にて攝取し玉ふぞと信じ
Z14_0398B08: て。淨土に生ずれば。もとより大乘善根界一乘淸淨の
Z14_0398B09: 土なれば。凡小の執見妄謂。頓に滅して同じく不退無
Z14_0398B10: 生の悟りを得るなり。人間五十年。黍一炊の中に遲速
Z14_0398B11: を論じて何かはせん。無益の言論を閣て。稱名念佛し
Z14_0398B12: て淨土に往生し。曠刧希聞の佛說を聽聞して。通明智
Z14_0398B13: 辨を具足し。還來穢國度人天の曉は。卽心の唯心のと
Z14_0398B14: 利根だて云ふ人よりは。還て早かるべし。何となれ
Z14_0398B15: ば。談主先に無生の理を深く明むことこそなり難き
Z14_0398B16: ことなれ。無生の氣味あひを。大樣合點することはな
Z14_0398B17: るまじきことにあらずと云はるれば。氣味あひの大

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