浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0397A01: | 敎の爲には。親なるべし。淨土の法門は究竟一乘同醍 |
Z14_0397A02: | 醐味なれば。法門の父母にて。優劣あることなし。類 |
Z14_0397A03: | 文は他すでに引けり。勞しく贅せず。遵式師の曰。佛 |
Z14_0397A04: | 法有レ二。一者小乘不了義法。二者大乘了義法。大乘中 |
Z14_0397A05: | 復有二了不了一。今談二淨土一。唯是大乘了義中了義之法也。 |
Z14_0397A06: | 云云新立の卽心念佛が親とをもわれたるは。大なる |
Z14_0397A07: | 僻言なり。兎角に卽心念佛を建立したくおもわるれ |
Z14_0397A08: | ば。彌陀の願を立なをさせ。釋迦の敎を說き改めさせ |
Z14_0397A09: | 玉へ。彌陀の本願。釋迦の敎のある間は。何と名〓替 |
Z14_0397A10: | へ。色どりを紛らかしても。申念佛は本願の念佛に |
Z14_0397A11: | て。借用せられたるに紛れはなきなり。 |
Z14_0397A12: | 問。淨土を期するは。大乘の事の行にてあるなり。 |
Z14_0397A13: | 去れども。見解は小乘三藏なり。乃至極樂へ生じ生 |
Z14_0397A14: | ずと思ふことは。小乘の見解にあらずやと云ふは。 |
Z14_0397A15: | いかなることぞや。 |
Z14_0397A16: | 答。甚だしき妄談なり。淨土を期するが大乘ならば。 |
Z14_0397A17: | 淨土に生るゝと思ふも大乘なり。生るゝと思ふは卽 |
Z14_0397B01: | ち期すると云ふことなり。尙書註に。期者先レ事而取レ |
Z14_0397B02: | 必之謂也。未レ生前に決定して生るゝと思ひきはめた |
Z14_0397B03: | るが。期すると云ふものなり。生るゝと思ふと期する |
Z14_0397B04: | と云ふは。只一事なるを。各別と思はれたるは。精し |
Z14_0397B05: | き學者に似合はぬことなるべし。此不埓よりまた𣵀 |
Z14_0397B06: | 槃の四不可說を引かれたるは。笑止千萬なる迷謬な |
Z14_0397B07: | り。淨土に生じ生ずと思ふはと。經文にも論釋にもな |
Z14_0397B08: | を。文字を和文に一字加へて。四不可說の生々の字 |
Z14_0397B09: | と。無理に同せしめんとすれども。淨土に生じ生ずる |
Z14_0397B10: | と思ふは。淨土を期する大乘の行にて。生々不可說と |
Z14_0397B11: | は雲泥萬里のちがひなり。佛法を學ぶと云ふ程のも |
Z14_0397B12: | の。誰か此の誑惑を信ぜんや。淨土得生を期するを小 |
Z14_0397B13: | 乘と說ける經論ありや。明證を出すべし。卽心念佛の |
Z14_0397B14: | 人は。妄卽法界と知らるゝ故。かゝる無根の妄談もよ |
Z14_0397B15: | くうけがはるゝにや。推するに兩祖の敎導を妬み。惡 |
Z14_0397B16: | むの惡意樂より。無慚の妄談を說き出して。自羞を天 |
Z14_0397B17: | 下にあらはすことを知らず。かの市中に金をつかみ |