浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0396A01: | 彌陀佛と稱ふれば。佛の功德卽ち衆生の功德となつ |
Z14_0396A02: | て。娑婆の草菴に眼を閉ずれば。極樂の蓮臺に趺を結 |
Z14_0396A03: | ぶの時なり。娑婆にては機に種々の差別あれ共。彼の |
Z14_0396A04: | 國に到りぬれば。大乘善根界等無譏嫌名。女人及根 |
Z14_0396A05: | 缺。二乘種不生なれば。平等に無生忍を得るなり。こ |
Z14_0396A06: | れ事に依て理を證す。佛力難思の故に。事の念佛申の |
Z14_0396A07: | 方よりは。えいはぬと謗らるれども。理事相違なけれ |
Z14_0396A08: | ば。云はぬは云ふより甚だ勝れるなるべし。理持は事 |
Z14_0396A09: | 持を收め。事持は理持をえ收めぬと云はるゝが。其理 |
Z14_0396A10: | 事と云へるは。四行莫非皆緣實相の一心三觀なるべ |
Z14_0396A11: | し。しからば濁世愚凡の修入すべき法にあらず。若し |
Z14_0396A12: | 一心三觀を離れて申す念佛ならば。淨土宗の念佛な |
Z14_0396A13: | り。淨土宗の念佛は。往生の爲に但信口稱するのみ。 |
Z14_0396A14: | 口稱に往生の功あれば。理は期せずして自ら具する |
Z14_0396A15: | なり。理持の難きも得生し。事持の易きも得生すれ |
Z14_0396A16: | ば。吾れは其易きに從はんのみ。 |
Z14_0396A17: | 問。法然上人は唐土吾朝の。諸の智者達の沙汰し申 |
Z14_0396B01: | さるゝ觀念の念にも非ず。又念の意を悟りて申す |
Z14_0396B02: | 念佛にも非ずと拂ひ玉へりと云ふて。親子を喩へ |
Z14_0396B03: | に出し。法華經の文を引れたるは。さもあることに |
Z14_0396B04: | や。 |
Z14_0396B05: | 答。此師理觀觀念を拂へることを甚だ憤り。理觀を執 |
Z14_0396B06: | する情より不レ覺誹謗正法の過を犯されたり。事の念 |
Z14_0396B07: | 佛は大分水を加へたる乳の如くにて。佛法の本味な |
Z14_0396B08: | しと謗らる。これ我祖を破するに非ず。兩尊を破する |
Z14_0396B09: | なり。本願の文に曰く。至心信樂欲生我國。乃至十念 |
Z14_0396B10: | と誓ひ。觀經に曰く。此人苦逼不遑念佛。善友吿言。汝 |
Z14_0396B11: | 若不能念者。應稱無量壽佛。小經曰。一日七日一心不 |
Z14_0396B12: | 亂。執持名號。大經曰。一向專念無量壽佛と。何の所に |
Z14_0396B13: | 理觀々念ありや。口稱の名號なること。坦然明白な |
Z14_0396B14: | り。我祖私に拂ひ玉はんや。男女貴賤智愚禽畜に至る |
Z14_0396B15: | まで。念佛する者は往生せずと云ふことなし。これ機 |
Z14_0396B16: | 情悟解を離れたる超世の本願。念佛なるが故なり。法 |
Z14_0396B17: | 華を諸經の親と云はるゝは珍らしからぬこと。三乘 |