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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0395A01: 答。我所立に荷擔したるを悅び。自害になることをも
Z14_0395A02: はたと忘れたるなるべし。法明和上をば。天台宗にな
Z14_0395A03: りたる甲斐なしと。ひたもの謗りながら。淨土の所化
Z14_0395A04: が念佛を抑下誹謗して。大分水をまぜたる乳にて。佛
Z14_0395A05: 意に遠ざかり。小乘の見解なり。事の念佛は功德が劣
Z14_0395A06: り。悟りかねて。ぐづゝくと云ふを。害にならぬと云
Z14_0395A07: ふ。此坊主は淨土宗になりたる甲斐なき蝙蝠僧なり。
Z14_0395A08: 之を賢き人とほめらるゝは。如何なる心行ぞや。能く
Z14_0395A09: 自ら思量して見らるべし。渡なみの淨土宗は眼ある
Z14_0395A10: 故に。大に誹謗したるをば害にならぬとは得云はぬ
Z14_0395A11: なり。天下の人。無眼則已。有眼者則誰信此誑惑乎。
Z14_0395A12:  問。所念の佛は。三身具足の彌陀なり。三身は三諦
Z14_0395A13:  なり。三諦の彌陀を念ずるは。卽ち一心三觀なり。
Z14_0395A14:  此理を知て此理を照すは上々の人なり。此理を知
Z14_0395A15:  らねども。此の理は離れぬものなれば。愚癡無智の
Z14_0395A16:  人の申念佛も。一心三觀の卽心念佛と云ふに相違
Z14_0395A17:  なきなり。此則卽心念佛の人よりは。事の念佛申
Z14_0395B01:  も。卽心念佛を離れぬと見れども。事の念佛の方よ
Z14_0395B02:  りは。左樣には得云はぬなり。又天台宗の卽心念佛
Z14_0395B03:  の理持を勤むる人は。法然流の事の念佛は自ら勤
Z14_0395B04:  てをるなり。法然流の事の念佛は。台家の卽心念佛
Z14_0395B05:  の理持を收むることはならぬなりと。これいかな
Z14_0395B06:  る事ぞや。
Z14_0395B07: 答。前後不都合の妄談なり。愚癡無智の人と云へる
Z14_0395B08: は。三諦も三觀も知らぬなるべし。其人の唱へる念佛
Z14_0395B09: が。三諦卽是の理を觀照したる卽心念佛と相違なく
Z14_0395B10: ば。何とて前に事の念佛は劣り。理の念佛は勝れたり
Z14_0395B11: と云へるや。本と借用せられたるものゆへ。不覺指
Z14_0395B12: 出されたり。諺に云く。難波の葦は伊勢の濱荻にて。
Z14_0395B13: 物體一なれぱ。何と名を替へ色どりても。本體はまぎ
Z14_0395B14: れもなく。本願の念佛にて。愚癡無智の人の申す念佛
Z14_0395B15: も。智者の申す念佛も。相違なきことは。唯一の本願
Z14_0395B16: 名號なるが故なり。佛果不思議の力無畏。不共法等の
Z14_0395B17: 無量の功德の癡暗の凡夫を隔て玉はぬ故に。南無阿

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