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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0394A01: せずと云ふことなし。之を行圓滿と名く。論に觀
Z14_0394A02: 本願力遇無空遇者。能令速滿足功德大法界と云へ
Z14_0394A03: るこれなり。阿彌陀佛は十方衆生の能求の願心を以
Z14_0394A04: て。無量の行願を圓滿し。十方の衆生は。彼佛の無量
Z14_0394A05: の功德を以て往生の願を圓滿す。此願は彌陀の本願
Z14_0394A06: に成就せられたるが故に。願圓滿と云ふ。若願圓滿に
Z14_0394A07: あらざれば。行も亦圓滿せず。斯れ卽ち阿彌陀佛願圓
Z14_0394A08: 滿成正覺の時。卽ち十方の衆生決定往生の時なり。衆
Z14_0394A09: 生の決定往生の時。卽ち佛成覺の時なり。故に願圓滿
Z14_0394A10: 卽行圓滿。行圓滿卽願圓滿。願行圓滿同時具足。主伴
Z14_0394A11: 無盡。非一非異。一多無礙相卽相入圓頓難思の妙法。
Z14_0394A12: 之を十願十行具足と名く。諸佛の無礙智辨なる。但し
Z14_0394A13: 不思議とのべ玉ふのみ。但事口稱の行に。かゝる圓頓
Z14_0394A14: の理を見することは。是皆阿彌陀如來の威神力の故
Z14_0394A15: に。本願力の故に。滿足願の故に。明了願の故に。堅固
Z14_0394A16: 願の故。究竟願の故なり。元祖大師判じて。頓が中の
Z14_0394A17: 頓との玉ふ。豈適當とせんや。天台荆溪も宣玉はず。
Z14_0394B01: 漸く宋朝に至て觀法に就て。知禮の始めていゝ出さ
Z14_0394B02: れし卽心念佛の辭を。口稱に借りて智旭が小經要解
Z14_0394B03: の理持事持と一混して。佛願經說を隱蔽し。他力門の
Z14_0394B04: 安心を輕蔑す。此本はや三千部ほども流布すと。自讃
Z14_0394B05: のこゝろにて云はるゝが。信の爲か破の爲か。其段た
Z14_0394B06: しかならず。若し信の爲に流布せば。他人の正眼を瞎
Z14_0394B07: 却す。傷む可し。善導法然の勸の念佛は。大分水を加
Z14_0394B08: へたる乳なり。佛意に遠ざかり。出離生死にちかゝら
Z14_0394B09: ぬと云へるは。佛意にそむくと云ふ詞の書替なり。こ
Z14_0394B10: れ世間を憚りてなるべし。憚りなくば外道とも書つ
Z14_0394B11: べし。あくまで誹謗しながら。旁觀記とちがわず。讃
Z14_0394B12: 歎こそしたれ。誇りはせぬとは。白晝に寢言せらるゝ
Z14_0394B13: か。不爾他の難につまりての誑語なるべし。
Z14_0394B14:  問。淨土宗の所化が。談義本は淨土宗を難ぜん爲の
Z14_0394B15:  書にてはなし。乃至此僧はさても賢き僧かな。渡な
Z14_0394B16:  みの淨土宗の得云ふまじきことを云ふなりと。是
Z14_0394B17:  何と云ふことぞや。

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