浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0394A01: | せずと云ふことなし。之を行圓滿と名く。論に觀二佛 |
Z14_0394A02: | 本願力一遇無二空遇者一。能令三速滿二足功德大法界一と云へ |
Z14_0394A03: | るこれなり。阿彌陀佛は十方衆生の能求の願心を以 |
Z14_0394A04: | て。無量の行願を圓滿し。十方の衆生は。彼佛の無量 |
Z14_0394A05: | の功德を以て往生の願を圓滿す。此願は彌陀の本願 |
Z14_0394A06: | に成就せられたるが故に。願圓滿と云ふ。若願圓滿に |
Z14_0394A07: | あらざれば。行も亦圓滿せず。斯れ卽ち阿彌陀佛願圓 |
Z14_0394A08: | 滿成正覺の時。卽ち十方の衆生決定往生の時なり。衆 |
Z14_0394A09: | 生の決定往生の時。卽ち佛成覺の時なり。故に願圓滿 |
Z14_0394A10: | 卽行圓滿。行圓滿卽願圓滿。願行圓滿同時具足。主伴 |
Z14_0394A11: | 無盡。非一非異。一多無礙相卽相入圓頓難思の妙法。 |
Z14_0394A12: | 之を十願十行具足と名く。諸佛の無礙智辨なる。但し |
Z14_0394A13: | 不思議とのべ玉ふのみ。但事口稱の行に。かゝる圓頓 |
Z14_0394A14: | の理を見することは。是皆阿彌陀如來の威神力の故 |
Z14_0394A15: | に。本願力の故に。滿足願の故に。明了願の故に。堅固 |
Z14_0394A16: | 願の故。究竟願の故なり。元祖大師判じて。頓が中の |
Z14_0394A17: | 頓との玉ふ。豈適當とせんや。天台荆溪も宣玉はず。 |
Z14_0394B01: | 漸く宋朝に至て觀法に就て。知禮の始めていゝ出さ |
Z14_0394B02: | れし卽心念佛の辭を。口稱に借りて智旭が小經要解 |
Z14_0394B03: | の理持事持と一混して。佛願經說を隱蔽し。他力門の |
Z14_0394B04: | 安心を輕蔑す。此本はや三千部ほども流布すと。自讃 |
Z14_0394B05: | のこゝろにて云はるゝが。信の爲か破の爲か。其段た |
Z14_0394B06: | しかならず。若し信の爲に流布せば。他人の正眼を瞎 |
Z14_0394B07: | 却す。傷む可し。善導法然の勸の念佛は。大分水を加 |
Z14_0394B08: | へたる乳なり。佛意に遠ざかり。出離生死にちかゝら |
Z14_0394B09: | ぬと云へるは。佛意にそむくと云ふ詞の書替なり。こ |
Z14_0394B10: | れ世間を憚りてなるべし。憚りなくば外道とも書つ |
Z14_0394B11: | べし。あくまで誹謗しながら。旁觀記とちがわず。讃 |
Z14_0394B12: | 歎こそしたれ。誇りはせぬとは。白晝に寢言せらるゝ |
Z14_0394B13: | か。不レ爾他の難につまりての誑語なるべし。 |
Z14_0394B14: | 問。淨土宗の所化が。談義本は淨土宗を難ぜん爲の |
Z14_0394B15: | 書にてはなし。乃至此僧はさても賢き僧かな。渡な |
Z14_0394B16: | みの淨土宗の得云ふまじきことを云ふなりと。是 |
Z14_0394B17: | 何と云ふことぞや。 |