浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0393A01: | は大に違て。平生明かなることなれば。藕益の所謂 |
Z14_0393A02: | 將二平日觀心得レ力處一融二-入持條念佛一の人にして。任運 |
Z14_0393A03: | 自然に融入し玉ふことなりと云はずや。然らば濁世 |
Z14_0393A04: | 愚癡無智の人の唯心法界と云ふ詞のみ覺へて。念佛 |
Z14_0393A05: | 申すは卽ち淨土宗の念佛なり。一代の聖敎に就て。漸 |
Z14_0393A06: | 頓權實の判敎區にして。宗々の所談殊なれども。皆依 |
Z14_0393A07: | 心起於勝行。依レ行證悟する此土入證得果の法なり。 |
Z14_0393A08: | 此法に堪へざる衆生を攝得する爲には。諸宗の禪師 |
Z14_0393A09: | 達も。皆彌陀の本願念佛を借り玉ひしなり。是超世の |
Z14_0393A10: | 悲願。諸佛に立超へ玉ふ故なり。何時何れの宗にもせ |
Z14_0393A11: | よ。淨土往生の爲に念佛申すは。皆淨土宗の念佛を借 |
Z14_0393A12: | たるなり。然るに淨土の念佛を借りて久しく借さゞ |
Z14_0393A13: | るのみに非ず。剩さへ名を替へてわがものがほにし |
Z14_0393A14: | て。本人の念佛をば大分水を加へたる乳の功德がを |
Z14_0393A15: | とりたるの。外道よりはましのと云へるはいかなる |
Z14_0393A16: | 誑惡ぞや。觀經の流通附屬の文。明々たれども。此人 |
Z14_0393A17: | 心彌陀の悲願にあらざれば。現れども而も不レ見。見 |
Z14_0393B01: | へざるはまだ過なかるべし。見るに隨て邪解を生じ。 |
Z14_0393B02: | 惡口誹謗の過を恐れざるは可レ傷甚だしきなり。彌陀 |
Z14_0393B03: | の本願念佛に。卽心の唯心のと云ふことは少しもな |
Z14_0393B04: | きことなり。本願に至心信樂欲生我國と云ふ。釋尊觀 |
Z14_0393B05: | 經に一者至誠心。二者深心。三者回向發願心。具三心 |
Z14_0393B06: | 者。必生彼國と說て。稱名念佛には三心こそ離れぬ一 |
Z14_0393B07: | 具の法なれ。此三心は行者願生の一心なるが故に。小 |
Z14_0393B08: | 經には直に一心不亂と說き玉へり。願生の心は卽ち |
Z14_0393B09: | 南無の二字なり。阿彌陀佛は其行なり。一聲稱佛の當 |
Z14_0393B10: | 處に願行具足する故に。導師觀經の十念を釋して。十 |
Z14_0393B11: | 願十行具足との玉ふ。願行具足とは圓滿成就の義な |
Z14_0393B12: | り。男女老少を問はず。稱名念佛の人は三心を具する |
Z14_0393B13: | 故に。卽便往生にて淨土の化衆の數に入ぬれば。通明 |
Z14_0393B14: | 智辨相好等を得。故に一切能求の願心。此に至て圓滿 |
Z14_0393B15: | す。論に衆生の所願樂一切能滿足と云へる是なり。阿 |
Z14_0393B16: | 彌陀佛者卽是其行なれば。彼佛力無畏等の無量刧來 |
Z14_0393B17: | の積功累德が。卽ち衆生の行なれば。一行として圓滿 |