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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0392A01: 佛の稱讃。釋尊處々の勸說。慇懃叮寧なること餘事に
Z14_0392A02: あらず。たゞ口稱の名號にて。隨緣八萬の敎益にもれ
Z14_0392A03: たる機を攝取し玉ふにあり。兩祖何れの處に念佛を
Z14_0392A04: ひきく說。何の處か佛意に違へるや。明據を出さるべ
Z14_0392A05: し。𣵀槃を引きたるは甚だ相違せることなり。少しに
Z14_0392A06: ても佛法を學ぶと云ふものは。かゝる妄引をうたが
Z14_0392A07: はんや。但し得生の機を云ふ時は。自身現是罪惡生死
Z14_0392A08: 凡夫。曠刧以來常沒常流轉。無有出離之緣と信じ。た
Z14_0392A09: とひ一分の智解情量あるも。悉く拂去て。唯佛の大悲
Z14_0392A10: 本願を信ずるのみ。信佛の因緣を以ての故に往生す
Z14_0392A11: るなり。自能思量して見らるべし。今時幾萬の人ぞ。
Z14_0392A12: 其中に解脫分の善根だにも。慥かに植得たりと知れ
Z14_0392A13: る人ありや。人道は道を修するに勝れたる處なれば。
Z14_0392A14: 四端に腰をすへよと雖も。腰をすえる四端さへ容易
Z14_0392A15: ごとにあらずといへるは尤のことなり。腰をすへる
Z14_0392A16: 四端さへ容易きことにあらず。彼宗の下劣といへる
Z14_0392A17: 三藏敎さへ。今時の人の爲には深妙にして修し得る
Z14_0392B01: こと不能。況や圓頓深妙の觀行。何人か修得すべき
Z14_0392B02: や。綽師の曰く。又復一切衆生。都不自量。若據大乘
Z14_0392B03: 眞如實相第一義空。曾未心。若論小乘。修-入見諦
Z14_0392B04: 修道。乃至那合羅漢斷五下五上。無道俗。未
Z14_0392B05: 其分。縱有人天果報。皆爲五戒十善能招此報。然
Z14_0392B06: 持得者甚希。若論起惡造罪。何異暴風駛雨。已上安心
Z14_0392B07: が徧法界の體。唯心法界と知て念佛申はやすきこと
Z14_0392B08: ゝいはるれども。濁世の凡愚は。徧法界が何たるもの
Z14_0392B09: やら。唯心が何たることやら。能觀の一心三觀。所觀
Z14_0392B10: の一境三諦の空が。何たるものやら。假が何たるもの
Z14_0392B11: やら。中が何たる法やら。大方は名もとくとは解知せ
Z14_0392B12: じ。諦觀不二。遮照同時能所兩亡などゝ云ふことは。
Z14_0392B13: 學佛の徒と雖も。多分は文字に見覺へ。耳に聞き覺へ
Z14_0392B14: たる分際にて。心中に眞實に解會したるは希なるべ
Z14_0392B15: し。若し觀行に至ては。三心三觀の次第觀もなるまじ
Z14_0392B16: きなり。故に或問にも。古への大師達は。今時の人の
Z14_0392B17: 一心三觀直指人心などの名目を覺へたる計りなると

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