浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0392A01: | 佛の稱讃。釋尊處々の勸說。慇懃叮寧なること餘事に |
Z14_0392A02: | あらず。たゞ口稱の名號にて。隨緣八萬の敎益にもれ |
Z14_0392A03: | たる機を攝取し玉ふにあり。兩祖何れの處に念佛を |
Z14_0392A04: | ひきく說。何の處か佛意に違へるや。明據を出さるべ |
Z14_0392A05: | し。𣵀槃を引きたるは甚だ相違せることなり。少しに |
Z14_0392A06: | ても佛法を學ぶと云ふものは。かゝる妄引をうたが |
Z14_0392A07: | はんや。但し得生の機を云ふ時は。自身現是罪惡生死 |
Z14_0392A08: | 凡夫。曠刧以來常沒常流轉。無有出離之緣と信じ。た |
Z14_0392A09: | とひ一分の智解情量あるも。悉く拂去て。唯佛の大悲 |
Z14_0392A10: | 本願を信ずるのみ。信佛の因緣を以ての故に往生す |
Z14_0392A11: | るなり。自能思量して見らるべし。今時幾萬の人ぞ。 |
Z14_0392A12: | 其中に解脫分の善根だにも。慥かに植得たりと知れ |
Z14_0392A13: | る人ありや。人道は道を修するに勝れたる處なれば。 |
Z14_0392A14: | 四端に腰をすへよと雖も。腰をすえる四端さへ容易 |
Z14_0392A15: | ごとにあらずといへるは尤のことなり。腰をすへる |
Z14_0392A16: | 四端さへ容易きことにあらず。彼宗の下劣といへる |
Z14_0392A17: | 三藏敎さへ。今時の人の爲には深妙にして修し得る |
Z14_0392B01: | こと不レ能。況や圓頓深妙の觀行。何人か修得すべき |
Z14_0392B02: | や。綽師の曰く。又復一切衆生。都不二自量一。若據二大乘一。 |
Z14_0392B03: | 眞如實相第一義空。曾未レ措レ心。若論二小乘一。修二-入見諦 |
Z14_0392B04: | 修道一。乃至那合羅漢斷二五下一除二五上一。無レ問二道俗一。未レ |
Z14_0392B05: | 有二其分一。縱有二人天果報一。皆爲二五戒十善一能招二此報一。然 |
Z14_0392B06: | 持得者甚希。若論二起惡造罪一。何異二暴風駛雨一。已上安心 |
Z14_0392B07: | が徧法界の體。唯心法界と知て念佛申はやすきこと |
Z14_0392B08: | ゝいはるれども。濁世の凡愚は。徧法界が何たるもの |
Z14_0392B09: | やら。唯心が何たることやら。能觀の一心三觀。所觀 |
Z14_0392B10: | の一境三諦の空が。何たるものやら。假が何たるもの |
Z14_0392B11: | やら。中が何たる法やら。大方は名もとくとは解知せ |
Z14_0392B12: | じ。諦觀不二。遮照同時能所兩亡などゝ云ふことは。 |
Z14_0392B13: | 學佛の徒と雖も。多分は文字に見覺へ。耳に聞き覺へ |
Z14_0392B14: | たる分際にて。心中に眞實に解會したるは希なるべ |
Z14_0392B15: | し。若し觀行に至ては。三心三觀の次第觀もなるまじ |
Z14_0392B16: | きなり。故に或問にも。古への大師達は。今時の人の |
Z14_0392B17: | 一心三觀直指人心などの名目を覺へたる計りなると |