浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0391A01: | 三觀に攝めたり。談主は法智の意と違ひ。觀佛を |
Z14_0391A02: | 稱佛に攝せんとす。大なる僻ごとなるべし。觀佛 |
Z14_0391A03: | の言もし下品の念佛を漏すと言はゞ。天台法智 |
Z14_0391A04: | の疏鈔は虛設となすべし。然る所以は。天台の曰 |
Z14_0391A05: | く。觀雖二十六一。言レ佛便周。又此經心觀爲宗と判し |
Z14_0391A06: | て。下品の稱佛も悉く十六觀の內に攝在せり。又 |
Z14_0391A07: | 觀佛の局たる言を用ひず。念佛の通じたる言を |
Z14_0391A08: | 出し玉へりとは何たる顛倒ぞや。台疏の意は。觀 |
Z14_0391A09: | 佛の言は十六觀に通じ。念佛は唯下上品下々品 |
Z14_0391A10: | のみなり。四明の卽心念佛と言へるは。上に云ふ |
Z14_0391A11: | 如く。下品の稱佛をも卽心の圓解を以て觀佛に |
Z14_0391A12: | 攝せんが爲に。觀佛を卽心念佛と云へるなり。念 |
Z14_0391A13: | 觀言は異なれども。其意同じければなり。 |
Z14_0391A14: | 若し下機を救ふが故に。念佛が卑と云ふことにや。談 |
Z14_0391A15: | 主二乘の爲に說きたる三藏敎なれば。卑劣なりと云 |
Z14_0391A16: | へる。一途に泥みたる歟。此れ二門を混淆したる大な |
Z14_0391A17: | る迷謬なり。法華の諸經に勝れたりと云ふことは。獨 |
Z14_0391B01: | 二乘作佛の開顯にあらずや。我宗も亦如レ斯。極惡最 |
Z14_0391B02: | 下の者を救ふが故に。極善最上の法とす。諸佛の讃勸 |
Z14_0391B03: | も亦こゝにあり。阿伽陀藥の藥性。能毒を知るも知ら |
Z14_0391B04: | ぬも。一口に呑納すれば。大小久近の衆病悉く治るが |
Z14_0391B05: | 如く。念佛の法味も亦爾り。正像末法の差別なく。敎 |
Z14_0391B06: | 道滅盡の世までも。利益改轉することなし。究竟一乘 |
Z14_0391B07: | の法なれば。佛說で不可思議難信の法との玉ふ。誠な |
Z14_0391B08: | る哉談主淨土の法門は。習はねば知りがたし。我は能 |
Z14_0391B09: | く其の正義を得たりと自讃いたさるれども。三乘の |
Z14_0391B10: | 爲に諦緣度の法を說き。機の淺深に依て法も亦淺深 |
Z14_0391B11: | を分つ。聖道門の意にて。淨土門を推量せらるゝ故。 |
Z14_0391B12: | かゝる妄談を仕出されたり。淨土宗の意はもとより |
Z14_0391B13: | 機の淺深。業の輕重を問はず。唯稱名念佛するもの |
Z14_0391B14: | は。一毫未斷惑の凡夫なれども。決定して報身の淨土 |
Z14_0391B15: | に生るなり。これ超世の大願力の致すところにして。 |
Z14_0391B16: | 三賢十地も測り知るところに非ず。格外の宗風。其の |
Z14_0391B17: | 門に入らずして何ぞ堂奧を窺はんや。十方三世の諸 |