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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0391A01:   三觀に攝めたり。談主は法智の意と違ひ。觀佛を
Z14_0391A02:   稱佛に攝せんとす。大なる僻ごとなるべし。觀佛
Z14_0391A03:   の言もし下品の念佛を漏すと言はゞ。天台法智
Z14_0391A04:   の疏鈔は虛設となすべし。然る所以は。天台の曰
Z14_0391A05:   く。觀雖十六。言佛便周。又此經心觀爲宗と判し
Z14_0391A06:   て。下品の稱佛も悉く十六觀の內に攝在せり。又
Z14_0391A07:   觀佛の局たる言を用ひず。念佛の通じたる言を
Z14_0391A08:   出し玉へりとは何たる顛倒ぞや。台疏の意は。觀
Z14_0391A09:   佛の言は十六觀に通じ。念佛は唯下上品下々品
Z14_0391A10:   のみなり。四明の卽心念佛と言へるは。上に云ふ
Z14_0391A11:   如く。下品の稱佛をも卽心の圓解を以て觀佛に
Z14_0391A12:   攝せんが爲に。觀佛を卽心念佛と云へるなり。念
Z14_0391A13:   觀言は異なれども。其意同じければなり。
Z14_0391A14: 若し下機を救ふが故に。念佛が卑と云ふことにや。談
Z14_0391A15: 主二乘の爲に說きたる三藏敎なれば。卑劣なりと云
Z14_0391A16: へる。一途に泥みたる歟。此れ二門を混淆したる大な
Z14_0391A17: る迷謬なり。法華の諸經に勝れたりと云ふことは。獨
Z14_0391B01: 二乘作佛の開顯にあらずや。我宗も亦如斯。極惡最
Z14_0391B02: 下の者を救ふが故に。極善最上の法とす。諸佛の讃勸
Z14_0391B03: も亦こゝにあり。阿伽陀藥の藥性。能毒を知るも知ら
Z14_0391B04: ぬも。一口に呑納すれば。大小久近の衆病悉く治るが
Z14_0391B05: 如く。念佛の法味も亦爾り。正像末法の差別なく。敎
Z14_0391B06: 道滅盡の世までも。利益改轉することなし。究竟一乘
Z14_0391B07: の法なれば。佛說で不可思議難信の法との玉ふ。誠な
Z14_0391B08: る哉談主淨土の法門は。習はねば知りがたし。我は能
Z14_0391B09: く其の正義を得たりと自讃いたさるれども。三乘の
Z14_0391B10: 爲に諦緣度の法を說き。機の淺深に依て法も亦淺深
Z14_0391B11: を分つ。聖道門の意にて。淨土門を推量せらるゝ故。
Z14_0391B12: かゝる妄談を仕出されたり。淨土宗の意はもとより
Z14_0391B13: 機の淺深。業の輕重を問はず。唯稱名念佛するもの
Z14_0391B14: は。一毫未斷惑の凡夫なれども。決定して報身の淨土
Z14_0391B15: に生るなり。これ超世の大願力の致すところにして。
Z14_0391B16: 三賢十地も測り知るところに非ず。格外の宗風。其の
Z14_0391B17: 門に入らずして何ぞ堂奧を窺はんや。十方三世の諸

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