浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0390A01: | の劣機に逗ぜんがため。段々と念佛をひき說きな |
Z14_0390A02: | し玉へる故。段々と佛の本意は薄くなるなりとて。 |
Z14_0390A03: | 𣵀槃の牧女添水の喩へを引きて。稱名念佛を抑下 |
Z14_0390A04: | したるは道理もあることにや。 |
Z14_0390A05: | 答。これ又大なる邪說なり。善導法然の勸めの念佛と |
Z14_0390A06: | 云へるは。兩祖の私に建立せられたると思へるにや。 |
Z14_0390A07: | たび〱此詞を出せり。彌陀超世の悲願を蔑如し。釋 |
Z14_0390A08: | 尊の敎勸。諸佛の證誠を虛設となす。可レ謂無顧の惡 |
Z14_0390A09: | 人なりと。兩祖勸導の念佛は。三部の經に明かに說き |
Z14_0390A10: | 玉へり。今日釋尊のみ稱揚說勸し玉ふに非ず。三世の |
Z14_0390A11: | 諸佛も亦同じく稱說し玉ふ。大經に曰く。十方國土諸 |
Z14_0390A12: | 佛如來。常共稱揚讃歎彼佛。云云兩祖は如來の說の如 |
Z14_0390A13: | く。少しも加減なく敎導し玉へり。兩祖の勸める卽ち |
Z14_0390A14: | 如來の勸なり。 |
Z14_0390A15: | 法智の下品の念佛滅罪を。圓觀の宿習開發と云 |
Z14_0390A16: | へるこそ。經文にはなきことなれ。 |
Z14_0390A17: | 又或問に。 |
Z14_0390B01: | 下品下生の十念は。口稱なり。それを因明了簡し |
Z14_0390B02: | て。此人は乘急戒緩の人なる故。曾て修する觀佛 |
Z14_0390B03: | 三昩。一心三觀の定心が發して。十念成就して往 |
Z14_0390B04: | 生すとの玉へり。其れなる文書出すに及ばず。此 |
Z14_0390B05: | れ卽ち一心三觀の定心に住して稱名する故。談 |
Z14_0390B06: | 義本に至る卽心念佛に非ずして何ぞや。觀佛と |
Z14_0390B07: | 言へば。下品下生の十念が漏る故。念佛と云ふ |
Z14_0390B08: | て。此機までも收め玉へりと。是れは法智の意と |
Z14_0390B09: | 相違したる料簡なる可し。法智は曾修の三昩な |
Z14_0390B10: | り。しかれば卽心觀佛も卽心念佛も一つことに |
Z14_0390B11: | て。下品の十念も。心觀爲宗の經なれば。悉く觀 |
Z14_0390B12: | 佛に攝せり。此下品の十稱佛を觀佛に攝せんが |
Z14_0390B13: | 爲の故に。諸の有情と共に卽心念佛せんと云へ |
Z14_0390B14: | るなるべし。妙宗に曰く。若二此觀門及般舟三昩一。 |
Z14_0390B15: | 託二彼安養依正境一。用二微妙觀一。專就二彌陀一。顯二眞佛 |
Z14_0390B16: | 居體一。雖レ託二彼境一。須レ知依正同居二一心一。此意を以 |
Z14_0390B17: | てみるべし。法智は稱佛をも皆觀佛三昩の一心 |