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Z1480 即心念仏浄土問弁 知空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0390A01:  の劣機に逗ぜんがため。段々と念佛をひき說きな
Z14_0390A02:  し玉へる故。段々と佛の本意は薄くなるなりとて。
Z14_0390A03:  𣵀槃の牧女添水の喩へを引きて。稱名念佛を抑下
Z14_0390A04:  したるは道理もあることにや。
Z14_0390A05: 答。これ又大なる邪說なり。善導法然の勸めの念佛と
Z14_0390A06: 云へるは。兩祖の私に建立せられたると思へるにや。
Z14_0390A07: たび〱此詞を出せり。彌陀超世の悲願を蔑如し。釋
Z14_0390A08: 尊の敎勸。諸佛の證誠を虛設となす。可謂無顧の惡
Z14_0390A09: 人なりと。兩祖勸導の念佛は。三部の經に明かに說き
Z14_0390A10: 玉へり。今日釋尊のみ稱揚說勸し玉ふに非ず。三世の
Z14_0390A11: 諸佛も亦同じく稱說し玉ふ。大經に曰く。十方國土諸
Z14_0390A12: 佛如來。常共稱揚讃歎彼佛。云云兩祖は如來の說の如
Z14_0390A13: く。少しも加減なく敎導し玉へり。兩祖の勸める卽ち
Z14_0390A14: 如來の勸なり。
Z14_0390A15:   法智の下品の念佛滅罪を。圓觀の宿習開發と云
Z14_0390A16:   へるこそ。經文にはなきことなれ。
Z14_0390A17: 又或問に。
Z14_0390B01:   下品下生の十念は。口稱なり。それを因明了簡し
Z14_0390B02:   て。此人は乘急戒緩の人なる故。曾て修する觀佛
Z14_0390B03:   三昩。一心三觀の定心が發して。十念成就して往
Z14_0390B04:   生すとの玉へり。其れなる文書出すに及ばず。此
Z14_0390B05:   れ卽ち一心三觀の定心に住して稱名する故。談
Z14_0390B06:   義本に至る卽心念佛に非ずして何ぞや。觀佛と
Z14_0390B07:   言へば。下品下生の十念が漏る故。念佛と云ふ
Z14_0390B08:   て。此機までも收め玉へりと。是れは法智の意と
Z14_0390B09:   相違したる料簡なる可し。法智は曾修の三昩な
Z14_0390B10:   り。しかれば卽心觀佛も卽心念佛も一つことに
Z14_0390B11:   て。下品の十念も。心觀爲宗の經なれば。悉く觀
Z14_0390B12:   佛に攝せり。此下品の十稱佛を觀佛に攝せんが
Z14_0390B13:   爲の故に。諸の有情と共に卽心念佛せんと云へ
Z14_0390B14:   るなるべし。妙宗に曰く。若此觀門及般舟三昩
Z14_0390B15:   託彼安養依正境。用微妙觀。專就彌陀。顯眞佛
Z14_0390B16:   居體。雖彼境。須知依正同居一心。此意を以
Z14_0390B17:   てみるべし。法智は稱佛をも皆觀佛三昩の一心

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