浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0386A01: | り。天下の歸往する所なり。四十七願皆此願に歸往す |
Z14_0386A02: | るなり。諸佛の稱讃。釋尊處々の讃勸。唯此願にあり。 |
Z14_0386A03: | 小經には一日七日執持名號得生淨土と說けり。十方 |
Z14_0386A04: | 恒沙の諸佛の證誠も。亦唯稱名念佛にあり。觀經には |
Z14_0386A05: | 令聲不絕具足十念聲乃至稱佛名故と說いて。滅罪得 |
Z14_0386A06: | 生獨り稱名念佛の諸善に超過せることを明し玉へ |
Z14_0386A07: | り。三經同じく念佛を說き給ふこと。經文明了なり。 |
Z14_0386A08: | 問。大經の本願には。乃至十念と云ふて。口稱とも |
Z14_0386A09: | 觀念とも見へず。何ぞ三經同じく口稱名佛を明す |
Z14_0386A10: | と云ふや。況や頃日有師卽心念佛と云ふことをひ |
Z14_0386A11: | ろめて。觀經の念佛は理觀を明す。故に功德勝れ。 |
Z14_0386A12: | 大小二經は觀を明さゞれば。但事の念佛にて功德 |
Z14_0386A13: | 劣れりと云へり。此の師。其の名高し。德も亦爾な |
Z14_0386A14: | らん。聊爾の人にあらざるべし。吾が所說と大に違 |
Z14_0386A15: | るは如何。 |
Z14_0386A16: | 答。彼の師の所立は宗旣に異なれば。義も亦同じかる |
Z14_0386A17: | べからず。强て是非すべからずと雖も。淨土の安心に |
Z14_0386B01: | 違妨となることあらば。擧て問ふべし。淨土宗の意 |
Z14_0386B02: | は。三部經一同に念佛往生を明かすと知るべし。これ |
Z14_0386B03: | 私の言に非らず。經文明かなればなり。本願の十念を |
Z14_0386B04: | 末世の人。觀念の念などゝ誤る者あらんかと。如來明 |
Z14_0386B05: | かに今日を鑑み玉ひて。小經の中に執持名號と說き。 |
Z14_0386B06: | 觀經には令聲不絕具足十念聲南無阿彌陀佛と說け |
Z14_0386B07: | り。下三品の人は。極樂とも彌陀とも名をだにしらぬ |
Z14_0386B08: | 一生造罪の人なり。臨終に始めて善知識に遇ひ。佛名 |
Z14_0386B09: | を稱へたるが。八十億劫の生死の造罪を滅して。淨土 |
Z14_0386B10: | に往生せり。三經同じく彌陀如來の本願念佛を明し |
Z14_0386B11: | て優劣なきこと。經文白日を揭げて行ふが如し。鸞師 |
Z14_0386B12: | の曰く。釋尊王舍城及舍衛國に在して。大衆の中に於 |
Z14_0386B13: | て無量壽佛の莊嚴淨土を說けり。卽佛の名號を以て |
Z14_0386B14: | 經體となす。三經に優劣を立つるは。人師の意樂にて |
Z14_0386B15: | 經意にはあらず。逆謗去取の義に就て。優劣を立つる |
Z14_0386B16: | 義もあれども。我宗祖。已造業未造業に約して會釋 |
Z14_0386B17: | し。經の意能く通ぜり。勞く引に能はず。 |