浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0382A01: | るかな。諸師のこれを依用し玉ふこと。是四次には流行 |
Z14_0382A02: | の安樂義に多本あれば。傳寫の誤りにて文字は少々 |
Z14_0382A03: | 增減すれども。倒置のなきことは。具さに續說の如 |
Z14_0382A04: | し。是五次には縱ひ和語倒置の寫誤ありとも。古書に其 |
Z14_0382A05: | 例多ければ。亦疑ふに足らず。かの淨影の觀經疏本の十八 |
Z14_0382A06: | に。爲レ子被二幽閉一と云ふも。和語なれども。此疏を指 |
Z14_0382A07: | て本邦無識の作なりともせず。況や安樂義は。幸に左 |
Z14_0382A08: | 樣の誤り無レ之をや。是六次にはかの安樂集は。大方鸞 |
Z14_0382A09: | 師に依り玉へば。論註。讃阿彌陀偈。幷に問答の三書 |
Z14_0382A10: | をかはる〲引用し玉へり。然るを論註奉讃の二書 |
Z14_0382A11: | を引く處は。綽公。鸞師により。ひとり問答を引く處 |
Z14_0382A12: | ばかりが。流行の義より。安樂集を盜めりとは。道理 |
Z14_0382A13: | もなく。證據もなき。あて推第一の妄說ならずや。是七 |
Z14_0382A14: | 問。旣に鸞師の撰を什公と異說す。其例ありや。答。 |
Z14_0382A15: | 有レ之。南山撰集錄云。諸經要集二十卷。今藏中題云二𤣥 |
Z14_0382A16: | 惲撰一。隨幽音云二道世撰一。又云二道集道譯等一。皆誤也。今 |
Z14_0382A17: | 據二卷首。祖師自序云一。乃至則驗。非二他撰一明矣と。か樣 |
Z14_0382B01: | の例甚だ多し。なれば鸞師の問答を什公と誤ること。 |
Z14_0382B02: | 寧ろ怪むに足らんや。且つ震旦にて念佛ありと知ら |
Z14_0382B03: | せしは。廬山大師を始めとす。樂邦文類云。勸生淨土。 |
Z14_0382B04: | 固出二大覺慈尊一。然而使二此方之人知一レ有二念佛三昩一者。 |
Z14_0382B05: | 應下以二遠公法師一。爲中始祖一焉。歸元直指。同レ此。と。什公もし西 |
Z14_0382B06: | 方のことを論じ。念佛の義を說かれば。何ぞ遠公を始 |
Z14_0382B07: | 祖と云はん。上來の義に依て言レ之に。流行の安樂義 |
Z14_0382B08: | は。固に曇鸞菩薩の。御作なること。譬ば重昏を披て |
Z14_0382B09: | 太陽を覩るが如し。何ぞそれ明顯なる。願は有人。過 |
Z14_0382B10: | ては改るに憚られず。早く此邪辨を擧て。一炬に付 |
Z14_0382B11: | し。十方佛前。手に香華を執て。その破法罪の因緣を |
Z14_0382B12: | 懺悔せられよ。至望々々。時に享保己酉の秋閏九月上 |
Z14_0382B13: | 旬無名子記す。 |
Z14_0382B14: | 略論安樂淨土義非曇鸞撰駁附終 |
Z14_0382B15: | |
Z14_0382B16: | 享保十四年己酉閏九月 |
Z14_0382B17: | 東都書肆 前川權兵衛梓 |