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Z1470 略論安楽浄土義非曇鸞撰駁付 〓 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0381A01: 身の上に。いかひぶすなり。ひしにて頭をかゝへらる
Z14_0381A02: ゝ程の苦みありと見へぬ。さらずはいかに古今自他
Z14_0381A03: 共許せる。正銘の安樂義に向ひ。かく無道心なる非難
Z14_0381A04: を云るべき筈なし。此は無名子が。にらむ眼は違ふま
Z14_0381A05: じ。
Z14_0381A06:  古今蓮蓮は寫誤。諸の字に作るべし。宗。尙爲菩薩眞書。一何昩哉。
Z14_0381A07: 駁云。古今他宗の高德まで。みな一同に尙。爲菩薩眞
Z14_0381A08: 玉へば。强ち蓮宗ばかり昩には有るまじきに。此
Z14_0381A09: 云分一に何ぞ昩き哉。然れば今の妄說を改て。古今諸
Z14_0381A10: 宗の道俗男女。諸ともに一に何ぞ昩き哉と書きなを
Z14_0381A11: されよ。しかし有人の和語漢語も見さかひなき。まつ
Z14_0381A12: 黑なる心にて。眞書に非ずとかき破らるゝは。譬は則
Z14_0381A13: ち猪の金山をするにて。彌以て鸞師安樂義の金體の
Z14_0381A14: 眞。奮然として煥發仕候。このは天狗達。御用心。
Z14_0381A15:  享保己酉秋九月上旬幻幻菴記。
Z14_0381A16: 駁云。此は上來分限を知らず。業果を怖れずして。大
Z14_0381A17: 謗法を書かれし日付なり。愚按ずるに。見行の安樂
Z14_0381B01: 義は。誠にこれ六朝の寶訓。萬世の宏規。曇鸞菩薩の
Z14_0381B02: 正說。天台。道綽の所依なり。可尊可重可信受
Z14_0381B03: 。その故何ぞや。先は唐人の記錄分明なり。迦才大
Z14_0381B04: 師の淨土論に云云。摘欺續說の如し。是一次には日本の
Z14_0381B05: 記錄にあり。東大寺珍海巳講の往生集云。曇鸞法師
Z14_0381B06: 解往生論此は論註なり。無量壽讃此は。讃嘆阿彌陀佛偈なり。又は大經奉讃とも云。
Z14_0381B07: 幷問答一卷此は略論なり。略論には大段六問答あればなり。道俗等定往生
Z14_0381B08: と。光明寺良忠上人の論註記一云。或撰略論幷此註
Z14_0381B09: 解兩卷と云云。東大寺示觀國師の源流章云。鸞公乃註
Z14_0381B10: 往生論。又作彌陀偈讃大經。作安樂土義淨土
Z14_0381B11: と。此れ則ち鸞師安樂土義の本邦に流布すること。
Z14_0381B12: 亦已に久し。就中示觀國師の廣智博覽は。世の知ると
Z14_0381B13: ころなり。國師の決擇。尤も尊信すべし。是二次には文
Z14_0381B14: 體古雅なり。かの七種の譬喩。不可稱智の御釋など
Z14_0381B15: は。六朝以上の人物に非ずんば。中々此文字を下すこ
Z14_0381B16: とあたはじ。是三次には義味甚深なり。かの總別五智の
Z14_0381B17: 御釋などは。其義幽邃にして。卒に通曉し難し。宜な

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