浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0383A01: | 卽心念佛淨土問辨序 |
Z14_0383A02: | |
Z14_0383A03: | 所謂る大川を涉るには舟楫これが最たり。廣陸を馳 |
Z14_0383A04: | するには車騎これが先たり。燕處超然たるは宮觀こ |
Z14_0383A05: | れが長たりと。誠なるかな佛世尊の敎を說くること |
Z14_0383A06: | もまたしかり。八萬の敎迹まち〱なれども。佛意豈 |
Z14_0383A07: | 他あらんや。たゞ衆生の轉迷開悟にあるのみ。漸頓を |
Z14_0383A08: | の〱所宣に稱へば。こと〲く最勝の法に非ずと |
Z14_0383A09: | 云ふことなし。隨つて一門より出れば隨て一解脫門 |
Z14_0383A10: | に入るなれば。偏へに有緣の法を信行して。速に生死 |
Z14_0383A11: | の輪轉を免れ。而して悲智の羽翼具足して。生死に往 |
Z14_0383A12: | 來し。一切衆生を救濟すべし。舟を以て車をそしり。 |
Z14_0383A13: | 車を以て宮觀を笑ふものは。なんぞ道を談るにたら |
Z14_0383A14: | ん。今佛を學ぶものも。法華をもて華嚴をそしり。華 |
Z14_0383A15: | 嚴をもて𣵀槃般若をしりぞけば。豈それ佛意ならん |
Z14_0383A16: | や。濁世末法の衆生。速に生死の大海を超へ。𣵀槃の |
Z14_0383A17: | 彼岸にいたるには。阿彌陀如來の悲願の舟楫のみ有 |
Z14_0383B01: | りて。これが最たり。予眼を病るに因て。醫療のため。 |
Z14_0383B02: | 今復たま〱京師に入る。一二の道友旅舍に慰問し。 |
Z14_0383B03: | 寒暄すでに畢て。談卽心念佛に及べり。其大綱をきく |
Z14_0383B04: | に。觀佛を口稱に混雜して。末世の要行とせんと企 |
Z14_0383B05: | て。我淨土の敎門を貶挫し。宗祖を罵辱するに至る。 |
Z14_0383B06: | まことに弘願他力の要妙は。かれが所知にあらざれ |
Z14_0383B07: | ばなり。談中錯認の甚だしきもの數處を擧てこれを |
Z14_0383B08: | 辨ず。正徧知鬪諍堅固の懸記肝に銘じてをそれあれ |
Z14_0383B09: | ども。また大地に依て僵れ。大地に依て起つの譬もあ |
Z14_0383B10: | れば。信傍併て得生淨土の因緣となるべしとをもひ。 |
Z14_0383B11: | 敢て濫吹のそしりを顧ず。終に筆して奇厥氏に授け。 |
Z14_0383B12: | 廣く學者の判斷を俟つと云ふことしかり。于時享保 |
Z14_0383B13: | 巳酉年孟夏下旬の南海阿陽城北昌住敎寺沙門。龍臥 |
Z14_0383B14: | 雲洛陽寓舍書。 |
Z14_0383B15: | |
Z14_0383B16: | |
Z14_0383B17: |