浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0374A01: | 實の議論とは。見へず。況や摘欺に。曾てなき。卽位の |
Z14_0374A02: | 卽。合の義なりとの。無實をの玉ふこと。餘りさもし |
Z14_0374A03: | き。御心なり。さて。卽位の卽を。就と云ふは。君は |
Z14_0374A04: | 能就。位は所就。能所の二物。相合す。故に就とは云へ |
Z14_0374A05: | り。さて又談義に。卽心の卽を。就と訓ぜられし故。 |
Z14_0374A06: | 摘欺にこれを辨じて。卽心の卽は。是の義。卽位の卽 |
Z14_0374A07: | は。就の義にて。其違ひ。雲泥なることを。示せしな |
Z14_0374A08: | り。然れども。知らぬ顏する。談義主は。是非もなし。 |
Z14_0374A09: | 請ふ諸の學者。よくこれを。辨別し玉へ。 |
Z14_0374A10: | さて卽心の卽は○定まれることなり。此また。語同 |
Z14_0374A11: | して義異なるに迷はれ。邪正の正を。義正の正と。見 |
Z14_0374A12: | 損せらる。全く前の餘念と同じ。摘欺云。この訓。恐ら |
Z14_0374A13: | くは非非とは。邪なり。なり。いま正正とは。上の邪に對す。訓を說ば等と。 |
Z14_0374A14: | 云云か樣に見られよ。義訓正訓の正は。本正なり。邪 |
Z14_0374A15: | 訓邪解と同じ正訓正解と同じの正は。正直なり。また〱。邪訓正 |
Z14_0374A16: | 訓の方は。かの義訓正訓をも。攝する故に。其意廣し。 |
Z14_0374A17: | されども。か樣に見分る。知識も。はやなくなり。玉ひ |
Z14_0374B01: | たれば。但かの釋經の例や。靈芝の說を引きて。若輩 |
Z14_0374B02: | なことを。いかめしく。云はるれど。兎角此れは。有心 |
Z14_0374B03: | ならば。紛らかし。無心ならば。寢言と存ず。 |
Z14_0374B04: | さて卽心とは○文盲なり。 上に段々。申す通り。卽 |
Z14_0374B05: | は就也の注と。卽者是義の註とは。其義雲泥なるを。 |
Z14_0374B06: | 情の剛か。一向故か。畢竟同じことと云ひ。そのまゝ |
Z14_0374B07: | は。就より輕しと云ふ。邪見を起して。大切なる。卽心 |
Z14_0374B08: | の卽を。闇にせらる。かた〲。譯もなきこと。此れに |
Z14_0374B09: | ては。かの約心卽心の。異なる按排も必定さつぱり |
Z14_0374B10: | と。ねずみはせじ。是非もなき。仕合かな。されども此 |
Z14_0374B11: | は。極めて肝要のことなり。朝聞いた死の。敎もあれ |
Z14_0374B12: | ば。老邁の御身なれど。とくと學得し玉へかし。 |
Z14_0374B13: | 其內○心得るがよきなり。 色卽卽色の。卽の字は。 |
Z14_0374B14: | 上下の分ちも。更になく。みな一同に。そのまゝの義 |
Z14_0374B15: | と見るをこそ。永く諸家に異なる。台家獨步の。正義 |
Z14_0374B16: | とはすれ。つくの義に。心得ることは。決してこれな |
Z14_0374B17: | し。かく拔群に。立て來りし卽の字を。またをめ〱 |