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Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0374A01: 實の議論とは。見へず。況や摘欺に。曾てなき。卽位の
Z14_0374A02: 卽。合の義なりとの。無實をの玉ふこと。餘りさもし
Z14_0374A03: き。御心なり。さて。卽位の卽を。就と云ふは。君は
Z14_0374A04: 能就。位は所就。能所の二物。相合す。故に就とは云へ
Z14_0374A05: り。さて又談義に。卽心の卽を。就と訓ぜられし故。
Z14_0374A06: 摘欺にこれを辨じて。卽心の卽は。是の義。卽位の卽
Z14_0374A07: は。就の義にて。其違ひ。雲泥なることを。示せしな
Z14_0374A08: り。然れども。知らぬ顏する。談義主は。是非もなし。
Z14_0374A09: 請ふ諸の學者。よくこれを。辨別し玉へ。
Z14_0374A10: さて卽心の卽は○定まれることなり。此また。語同
Z14_0374A11: して義異なるに迷はれ。邪正の正を。義正の正と。見
Z14_0374A12: 損せらる。全く前の餘念と同じ。摘欺云。この訓。恐ら
Z14_0374A13: くは非非とは。邪なり。なり。いま正正とは。上の邪に對す。訓を說ば等と。
Z14_0374A14: 云云か樣に見られよ。義訓正訓の正は。本正なり。邪
Z14_0374A15: 邪解と同じ正訓正解と同じの正は。正直なり。また〱。邪訓正
Z14_0374A16: 訓の方は。かの義訓正訓をも。攝する故に。其意廣し。
Z14_0374A17: されども。か樣に見分る。知識も。はやなくなり。玉ひ
Z14_0374B01: たれば。但かの釋經の例や。靈芝の說を引きて。若輩
Z14_0374B02: なことを。いかめしく。云はるれど。兎角此れは。有心
Z14_0374B03: ならば。紛らかし。無心ならば。寢言と存ず。
Z14_0374B04: さて卽心とは○文盲なり。 上に段々。申す通り。卽
Z14_0374B05: は就也の注と。卽者是義の註とは。其義雲泥なるを。
Z14_0374B06: 情の剛か。一向故か。畢竟同じことと云ひ。そのまゝ
Z14_0374B07: は。就より輕しと云ふ。邪見を起して。大切なる。卽心
Z14_0374B08: の卽を。闇にせらる。かた〲。譯もなきこと。此れに
Z14_0374B09: ては。かの約心卽心の。異なる按排も必定さつぱり
Z14_0374B10: と。ねずみはせじ。是非もなき。仕合かな。されども此
Z14_0374B11: は。極めて肝要のことなり。朝聞いた死の。敎もあれ
Z14_0374B12: ば。老邁の御身なれど。とくと學得し玉へかし。
Z14_0374B13: 其內○心得るがよきなり。 色卽卽色の。卽の字は。
Z14_0374B14: 上下の分ちも。更になく。みな一同に。そのまゝの義
Z14_0374B15: と見るをこそ。永く諸家に異なる。台家獨步の。正義
Z14_0374B16: とはすれ。つくの義に。心得ることは。決してこれな
Z14_0374B17: し。かく拔群に。立て來りし卽の字を。またをめ〱

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