浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0367A01: | て。かの歌を味ふるに。とやかくと。巧みし桶の |
Z14_0367A02: | と。云ふよりも。千代のをが。いたゞく桶のと。云 |
Z14_0367A03: | ふ方が。ことばやすらかにして。其たけ高し。世 |
Z14_0367A04: | 傳の歌。すて難き歟。 |
Z14_0367A05: | を。註すに付て。禪宗の嫌ふことなれども。註釋すと。 |
Z14_0367A06: | の玉ふ故。いや此方は。其禪宗の嫌ふことをば。姑く |
Z14_0367A07: | すて置て。詰問いたさじ。先づさし當りて。談義主の。 |
Z14_0367A08: | 自語相違し玉ふを。難じ申すべしとなり。然れば。姑 |
Z14_0367A09: | く置くと申すは。此方が。指し置くことなり。談義主 |
Z14_0367A10: | の。指し置かると。云ふことにてはなし。若し談義主 |
Z14_0367A11: | の。指し置かるゝにすれば。次の。まづ自繩自縳。せら |
Z14_0367A12: | れたりとは。何と申されむ。西を東と。見られし故。譯 |
Z14_0367A13: | もなきことを云はる。 |
Z14_0367A14: | 常には無繩○不審。 自繩自縳は。順俗の平話。談義 |
Z14_0367A15: | 主の。發願經と同じ。問。この平話。唐へ通ずべしや。 |
Z14_0367A16: | 答。通ずべし。大乘顯識經云。如二蠶作レ蠒。自作自縳一と。 |
Z14_0367A17: | 傳燈には。吐レ絲自縳とあり。自ら作るは。自の絲なり。 |
Z14_0367B01: | 自繩と同じ。蠶の。自らの絲繩にて。自縳するを云ふ。 |
Z14_0367B02: | なれば。自繩自縛の話は。せんぎせば。唐にも有べし。 |
Z14_0367B03: | 此云ひ分○知られぬゆへに非ずや。言句上に付て。 |
Z14_0367B04: | 解會をなすを。死句に參ずと云ひ。句中に向て。死却 |
Z14_0367B05: | せざるを。活句に參ずと云ふ。林間。夜話も。みな其意 |
Z14_0367B06: | なり。されば死活は。言句の上にはあらず。乃ち言句 |
Z14_0367B07: | の。用ひ樣なり。然るを。死句活句は。本と定まりたる |
Z14_0367B08: | ものと。合點して。言句の上に付て。死活を分けらる |
Z14_0367B09: | ゝ段。尤も非なり。 さて活句とは。意路不レ通。無二義 |
Z14_0367B10: | 味一を云ふよし。既に活句と云ふ。はや意路通じて。有 |
Z14_0367B11: | 義味なり。何ぞこれを。無義味とせん。故に東語西話 |
Z14_0367B12: | 云。夫無義者。脫二情識意想之表一。學者未レ諭。謂二此語是 |
Z14_0367B13: | 放開。是把定。是死句活句等一。莫レ可二具陳一。不レ知一涉二意 |
Z14_0367B14: | 根一。俱成二有義一矣と。談義主。還て會するや。麼。さ |
Z14_0367B15: | て。可レ惜橘后の活句。その言句上に付て。さま〲情 |
Z14_0367B16: | 解し玉ふ故。反て死句と。なり去れり。 さて又古人 |
Z14_0367B17: | の。須レ參二活句一。莫レ參二死句一と云ふ。示を受て悟道せし。 |