浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0362A01: | 以て。彌よ凡人は。むさと高位權者のまねを。僥倖す |
Z14_0362A02: | ることのならぬを。よく知つて。輔行の文をも。見な |
Z14_0362A03: | をし玉へ。 |
Z14_0362A04: | 高位權者は○云ふべきか。此一段には。ちと存じよ |
Z14_0362A05: | りあれども。略して云はず。但し其中。引かるゝ所の。 |
Z14_0362A06: | 孟子の說は。餘りあら〱しければ。ざつと申さん。 |
Z14_0362A07: | 凡そ孟子の敎へにも。方便眞實の二途あり。彼舜何人 |
Z14_0362A08: | 也。人皆可三以爲二堯舜一などは。みな孟子の。利他門に |
Z14_0362A09: | て。誘引方便の說なり。曹交は。麁率なり。世子は。無 |
Z14_0362A10: | 學なり。俱に二乘の見に。陷むとす。故に孟子。激して |
Z14_0362A11: | これを進めて。上求菩提の心を。起さしむ。故にか樣 |
Z14_0362A12: | にの玉ふ。是また方便の。一術なり。よつて朱註には。 |
Z14_0362A13: | 亦不屑之敎誨也と云ひ。知新實錄にも。激レ他奮勵有レ |
Z14_0362A14: | 爲と云へり。孟子の實は。不レ然。故に公孫丑に。伯夷。 |
Z14_0362A15: | 伊尹。孔子の。德行を擧げ了て。斷云。皆古聖人也。吾 |
Z14_0362A16: | 未レ能レ有レ行焉。談義主。氣を付られよ。乃所レ願則學二孔子一也。此は孟子の。 |
Z14_0362A17: | 僧那なり。談義主。氣を付られよ。と。此はこれ孟子の。自ら願と行と |
Z14_0362B01: | の。分辨を說かるゝ。眞實門なり。げには昔より。速成 |
Z14_0362B02: | 佛身とは願へども。釋尊巳後には。また釋尊なく。皆 |
Z14_0362B03: | 爲堯舜とは云へども。堯舜巳後には。更に堯舜なし。 |
Z14_0362B04: | されば孟子の直解に。談義主の樣に。思ふ者を斥て。 |
Z14_0362B05: | 有下言二人皆可一レ爲二堯舜一者上。不レ識果有二此理一といへり。孟 |
Z14_0362B06: | 子の一段は。外書のことなれども。ちと氣を付られ |
Z14_0362B07: | よ。 |
Z14_0362B08: | 此れは道理に○相違なることなり。 此れ例の老衰 |
Z14_0362B09: | にて。實はと云ふ。實の字を。下の權化と。にらませ。 |
Z14_0362B10: | 本實と見玉ふ。故ぞかし。今この實と云ふ語は。業疏 |
Z14_0362B11: | 序。云三實增二勞想一。淨土決疑行願二門。云二實玆二門矣一。 |
Z14_0362B12: | 指要序。云二實此一二萬言得矣一。資持記序。云二實媿一レ不レ |
Z14_0362B13: | 知二其量一の。實の字にて。本實のことには非ず。卽ち權 |
Z14_0362B14: | 化の。當體を指して云へり。此れ則ち。其外相は。犬猫 |
Z14_0362B15: | 同然の。畜生なれども。其內證は。圓の初住なればな |
Z14_0362B16: | り。故に實はとは。其實體はと云ふこと。其內證はと |
Z14_0362B17: | 云ふことにて。外相の畜生に對して云ふ。旣に談義主 |