浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0357A01: | ゞして渡らふと。專念するを云ふなり。然るにこの何 |
Z14_0357A02: | の字を。何れの時と僻案して。いつかと訓じ。何れの |
Z14_0357A03: | 時かとの玉ふ。譯もなきことかな。か樣の看讀にて。 |
Z14_0357A04: | 安樂義を疑はるゝこと。返々も宜しからず。さて又 |
Z14_0357A05: | 此句。安樂集になきは。略なり。それ故。安樂道には。 |
Z14_0357A06: | 語こそ少し不同なれ。また此句あり。彼云。更無二他意一。 |
Z14_0357A07: | 當レ念二渡河一と。是なり。されば。安樂集に引けるは。略 |
Z14_0357A08: | 抄にて。文言も。前後すれども。安樂道に引けるは。大 |
Z14_0357A09: | 方同じ。安樂集。安樂道は。みな安樂義に。本づける |
Z14_0357A10: | 故。その名も同じく。その義も殊ならず。よく氣を付 |
Z14_0357A11: | て。吟味し玉へ。然れば。何方便とするの。何の字を。 |
Z14_0357A12: | 何れの時と見られし。自分の非を。知り玉はぬ故。か |
Z14_0357A13: | の至極せる。唐人の古文を謗りて。甚だ可笑しとは。 |
Z14_0357A14: | の玉へども。此方には。反て甚だ笑止にこそ存ずれ。 |
Z14_0357A15: | 其外の○長ければ略す。 文字などの。あしきとは。 |
Z14_0357A16: | かの餘の字。𤍠の字。何の字など樣の。ことにてはな |
Z14_0357A17: | しや。 |
Z14_0357B01: | さて又○專らにするにはしかじ。此は。此方の存ぜ |
Z14_0357B02: | ぬこと。直に曇鸞菩薩へ。御尋ね有て然るべし。昔し |
Z14_0357B03: | 張伯起。文選を刻せり。一士夫。問云。旣に文選と云。 |
Z14_0357B04: | 何が故に詩あるやと。伯起。答云。此は昭明太子の。な |
Z14_0357B05: | されし者なり。私は不レ存と。聞く者みな大笑せり。 |
Z14_0357B06: | 其上略論○其實なきなり。安樂集にては。十念相續 |
Z14_0357B07: | が。知らるゝとのこと。さらば安樂義に。念二阿彌陀佛 |
Z14_0357B08: | 如二彼念一レ渡。此は卽ち集の。若總相。若別相。隨所緣觀の。三句を攝す。逕二于十念一。此は卽ち集の。逕 |
Z14_0357B09: | 於十念なり。逕は。至なり。餘說に。逕を經に作は。非なり。若念二佛名字一。若念二佛相好一。 |
Z14_0357B10: | 若念二佛光明一。若念二佛神力一。若念二佛功德一。若念二佛智慧一。 |
Z14_0357B11: | 若念二佛本願一。此は卽ち集の。若總相。若別相。隨所緣觀の。三句の相なり。無二他心間雜一。 |
Z14_0357B12: | 心心相次。乃至二十念一。此は卽ち集の。無他念想間雜の句なり。名爲二十念相續一 |
Z14_0357B13: | 此は卽ち集の。是名十念の句なり。とあるは。引かるゝ集よりも。殊の外委 |
Z14_0357B14: | 悉なり。然るに。二十四言に略せる。集文にては。念佛 |
Z14_0357B15: | 相續がしられ。六十七言の詳かなる。義文にては反 |
Z14_0357B16: | て十念相續が。しれず。言のみあつて。其實なしとは。 |
Z14_0357B17: | 何と申たる。譯に候や。さて〱。甚だしきことに候。 |