ウィンドウを閉じる

Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0357A01: ゞして渡らふと。專念するを云ふなり。然るにこの何
Z14_0357A02: の字を。何れの時と僻案して。いつかと訓じ。何れの
Z14_0357A03: 時かとの玉ふ。譯もなきことかな。か樣の看讀にて。
Z14_0357A04: 安樂義を疑はるゝこと。返々も宜しからず。さて又
Z14_0357A05: 此句。安樂集になきは。略なり。それ故。安樂道には。
Z14_0357A06: 語こそ少し不同なれ。また此句あり。彼云。更無他意
Z14_0357A07: 渡河と。是なり。されば。安樂集に引けるは。略
Z14_0357A08: 抄にて。文言も。前後すれども。安樂道に引けるは。大
Z14_0357A09: 方同じ。安樂集。安樂道は。みな安樂義に。本づける
Z14_0357A10: 故。その名も同じく。その義も殊ならず。よく氣を付
Z14_0357A11: て。吟味し玉へ。然れば。何方便とするの。何の字を。
Z14_0357A12: 何れの時と見られし。自分の非を。知り玉はぬ故。か
Z14_0357A13: の至極せる。唐人の古文を謗りて。甚だ可笑しとは。
Z14_0357A14: の玉へども。此方には。反て甚だ笑止にこそ存ずれ。
Z14_0357A15: 其外の○長ければ略す。 文字などの。あしきとは。
Z14_0357A16: かの餘の字。𤍠の字。何の字など樣の。ことにてはな
Z14_0357A17: しや。
Z14_0357B01: さて又○專らにするにはしかじ。此は。此方の存ぜ
Z14_0357B02: ぬこと。直に曇鸞菩薩へ。御尋ね有て然るべし。昔し
Z14_0357B03: 張伯起。文選を刻せり。一士夫。問云。旣に文選と云。
Z14_0357B04: 何が故に詩あるやと。伯起。答云。此は昭明太子の。な
Z14_0357B05: されし者なり。私は不存と。聞く者みな大笑せり。
Z14_0357B06: 其上略論○其實なきなり。安樂集にては。十念相續
Z14_0357B07: が。知らるゝとのこと。さらば安樂義に。念阿彌陀佛
Z14_0357B08: 彼念一レ渡。此は卽ち集の。若總相。若別相。隨所緣觀の。三句を攝す。于十念此は卽ち集の。逕
Z14_0357B09: 於十念なり。逕は。至なり。餘說に。逕を經に作は。非なり。若念佛名字。若念佛相好
Z14_0357B10: 若念佛光明。若念佛神力。若念佛功德。若念佛智慧
Z14_0357B11: 若念佛本願此は卽ち集の。若總相。若別相。隨所緣觀の。三句の相なり。他心間雜
Z14_0357B12: 心心相次。乃至十念此は卽ち集の。無他念想間雜の句なり。名爲十念相續
Z14_0357B13: 此は卽ち集の。是名十念の句なり。とあるは。引かるゝ集よりも。殊の外委
Z14_0357B14: 悉なり。然るに。二十四言に略せる。集文にては。念佛
Z14_0357B15: 相續がしられ。六十七言の詳かなる。義文にては反
Z14_0357B16: て十念相續が。しれず。言のみあつて。其實なしとは。
Z14_0357B17: 何と申たる。譯に候や。さて〱。甚だしきことに候。

ウィンドウを閉じる