浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0355A01: | 妙宗の文面が。落著し玉はずと見ゆ。縱ひ幾度も講談 |
Z14_0355A02: | し。末書まで。作る樣になりても。とくと落著せぬこ |
Z14_0355A03: | と。有るものなり。よく〱吟味し玉へかし。なれば |
Z14_0355A04: | 自在坊とは。豈異人ならんや。卽ち今の談義主。是な |
Z14_0355A05: | り。 |
Z14_0355A06: | さて略論は○文盲なり。されば。句御見たてが。か |
Z14_0355A07: | の餘の字。𤍠の字の格には。有るまじくや。 |
Z14_0355A08: | 先與未證○斷りもなし。此方所持の本は。科註略論と |
Z14_0355A09: | て。大經奉讃と。合卷の本なり。此本には。與未の與の |
Z14_0355A10: | 字はなし。しからば。首書の本は誤りにて。御考の麁 |
Z14_0355A11: | 相と。聞へたり。 |
Z14_0355A12: | 論の文○すまされたるや心元なし與の字二つあるは。語の子罕に。 |
Z14_0355A13: | 子罕言利與レ命與レ仁などの格にて。多く使はぬ語なれ |
Z14_0355A14: | ば。見馴れ玉はぬも。理りなり。さて。世流布の論文 |
Z14_0355A15: | は。已に六朝の古本なり。因て論註牒釋の文致を。拜 |
Z14_0355A16: | 見するに。やはり古本の通りにて。少も明本などの。 |
Z14_0355A17: | 氣味はなし。此菩薩。願二生安樂淨土一。卽見二阿彌陀佛一。 |
Z14_0355B01: | 見二阿彌陀佛一時。與二上地諸菩薩一。畢竟身等法等と云。 |
Z14_0355B02: | 此云何見二阿彌陀佛一時。畢竟與二上地諸菩薩一。身等法等 |
Z14_0355B03: | 耶と云。御釋などにて。知ぬべし。其上。上の毘婆舍那 |
Z14_0355B04: | を。釋し玉ふ下も。論註下の七葉 今と全く同じく。未淨心を |
Z14_0355B05: | 以て。直に上地に同じたり。なれば鸞師。御所覽の論 |
Z14_0355B06: | 文は。元より。明本などゝ。各別なること。甚だ明かな |
Z14_0355B07: | り。安樂集所引の經論は。多は取意なれば。その心得すべし。而を何ぞ一槪に。古本を指 |
Z14_0355B08: | て。寫脫と極るや。又鸞師は。これ流支三藏。面受の |
Z14_0355B09: | 高弟なれば。所得の論文も。應にこれ正本なるべし。 |
Z14_0355B10: | 而るを何ぞ。一槪に。明本を指て。是とするや。又明 |
Z14_0355B11: | 本などの通りにても。聞ゆれども。その未淨心を。淨 |
Z14_0355B12: | 心に同じ。淨心を。上地に同ずるより。古本の。未淨心 |
Z14_0355B13: | を。直に上地に同ずるが。かの觀佛の功德に於て。其 |
Z14_0355B14: | 義尤も强し。されば明本などよりも。古本の方が。彌 |
Z14_0355B15: | よ善本なるべし。而るを何ぞ一槪に。古本を指て。寫 |
Z14_0355B16: | 脫と極るや。又本論は姑く置く。いかんぞ釋義の成 |
Z14_0355B17: | 立せる。論註を以て。押て寫脫と極るや。右の件々を |