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Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0355A01: 妙宗の文面が。落著し玉はずと見ゆ。縱ひ幾度も講談
Z14_0355A02: し。末書まで。作る樣になりても。とくと落著せぬこ
Z14_0355A03: と。有るものなり。よく〱吟味し玉へかし。なれば
Z14_0355A04: 自在坊とは。豈異人ならんや。卽ち今の談義主。是な
Z14_0355A05: り。
Z14_0355A06: さて略論は○文盲なり。されば。句御見たてが。か
Z14_0355A07: の餘の字。𤍠の字の格には。有るまじくや。
Z14_0355A08: 先與未證○斷りもなし。此方所持の本は。科註略論と
Z14_0355A09: て。大經奉讃と。合卷の本なり。此本には。與未の與の
Z14_0355A10: 字はなし。しからば。首書の本は誤りにて。御考の麁
Z14_0355A11: 相と。聞へたり。
Z14_0355A12: 論の文○すまされたるや心元なし與の字二つあるは。語の子罕に。
Z14_0355A13: 子罕言利與命與仁などの格にて。多く使はぬ語なれ
Z14_0355A14: ば。見馴れ玉はぬも。理りなり。さて。世流布の論文
Z14_0355A15: は。已に六朝の古本なり。因て論註牒釋の文致を。拜
Z14_0355A16: 見するに。やはり古本の通りにて。少も明本などの。
Z14_0355A17: 氣味はなし。此菩薩。願生安樂淨土。卽見阿彌陀佛
Z14_0355B01: 阿彌陀佛時。與上地諸菩薩。畢竟身等法等と云。
Z14_0355B02: 此云何見阿彌陀佛時。畢竟與上地諸菩薩。身等法等
Z14_0355B03: 耶と云。御釋などにて。知ぬべし。其上。上の毘婆舍那
Z14_0355B04: を。釋し玉ふ下も。論註下の七葉 今と全く同じく。未淨心を
Z14_0355B05: 以て。直に上地に同じたり。なれば鸞師。御所覽の論
Z14_0355B06: 文は。元より。明本などゝ。各別なること。甚だ明かな
Z14_0355B07: り。安樂集所引の經論は。多は取意なれば。その心得すべし。而を何ぞ一槪に。古本を指
Z14_0355B08: て。寫脫と極るや。又鸞師は。これ流支三藏。面受の
Z14_0355B09: 高弟なれば。所得の論文も。應にこれ正本なるべし。
Z14_0355B10: 而るを何ぞ。一槪に。明本を指て。是とするや。又明
Z14_0355B11: 本などの通りにても。聞ゆれども。その未淨心を。淨
Z14_0355B12: 心に同じ。淨心を。上地に同ずるより。古本の。未淨心
Z14_0355B13: を。直に上地に同ずるが。かの觀佛の功德に於て。其
Z14_0355B14: 義尤も强し。されば明本などよりも。古本の方が。彌
Z14_0355B15: よ善本なるべし。而るを何ぞ一槪に。古本を指て。寫
Z14_0355B16: 脫と極るや。又本論は姑く置く。いかんぞ釋義の成
Z14_0355B17: 立せる。論註を以て。押て寫脫と極るや。右の件々を

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