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Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0354A01: 此方近年は。談義主の書き玉ふ者をば。和字漢文によ
Z14_0354A02: らず。皆了簡して見るなり。因て此書の中にも。さま
Z14_0354A03: 〲。しどのなきことあれども。驚きも不仕候。
Z14_0354A04: 先づ四明の○見へたり。 曾修觀とは。曾の字の上。
Z14_0354A05: 又大切なる。巳の字落ちたり。巳曾とは。過去のこと
Z14_0354A06: なり。定心則成とは。過去の定心が。今日成熟するを
Z14_0354A07: 云ふなり。今日成熟すとは。謂く惡人の。臨終に唱ふ
Z14_0354A08: る十念。是なり。故に妙宗に。縱現世不三昩。亦是
Z14_0354A09: 宿種今熟といへり。 さて極重惡人の。臨終の十念
Z14_0354A10: は。正しき定心には非ず。故に定攝といへり。奉先も
Z14_0354A11: また。不觀想。旣云稱念十聲不一レ絕。心無間雜。還
Z14_0354A12: 定心との玉へり。これ則ち。攝と云ひ。同とは云へ
Z14_0354A13: ども。直に事定の成就とは云はず。靜かに十念を唱ふ
Z14_0354A14: る間は。散亂せざる故。其相が定心に似たれば。且く
Z14_0354A15: 定の中へは。攝したれども。かの事定の成就とは。大
Z14_0354A16: に異なる故なり。事定の成ぜる人は。出定せねば。命
Z14_0354A17: 終せねども。この十念の者は。一二聲目にも。息の絕
Z14_0354B01: へることあり。是を以て其相が。定に同じけれども。
Z14_0354B02: 事定を成ずとは。云はぬなり。故妙宗云。彼人雖卽不一レ
Z14_0354B03: 事定等と。云云よく〱妙宗を。精研し玉へ。
Z14_0354B04: 此こと或問○今は略す。或問の義は。宜しからぬこ
Z14_0354B05: と多し。暇ある時。これを辨ぜん。
Z14_0354B06: 自在坊風○分明なるに非ずや。 妙宗。日觀の下に。
Z14_0354B07: 問答あるは。想日の事定と。臨終の十念と。行相は不
Z14_0354B08: 同なれども。品位は別なき故なり。摘欺に引るは。且
Z14_0354B09: くその行相不同の邊を擧て。惡人臨終の十念は。入定
Z14_0354B10: 出定などの。事定に非ざることを云へり。さて其行相
Z14_0354B11: の不同なる邊は。問も答も。一同なり。故に問には。終
Z14_0354B12: 見日定心と云。答にも。彼人雖卽不一レ事定
Z14_0354B13: 等と云。是の故に摘欺には。問の中にて。語を摘で引
Z14_0354B14: たるなり。其上。等の字もあり。定攝とは。上に云ふが
Z14_0354B15: 如し。右の譯ゆへ。摘欺に此文を引て。談義に。臨終の
Z14_0354B16: 十念を。入定出定の樣にとりなし。事定を成ずと。思
Z14_0354B17: はるゝ妄を。辨ぜしなり。顧ふに談義主。まだとくと。

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