浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0354A01: | 此方近年は。談義主の書き玉ふ者をば。和字漢文によ |
Z14_0354A02: | らず。皆了簡して見るなり。因て此書の中にも。さま |
Z14_0354A03: | 〲。しどのなきことあれども。驚きも不レ仕候。 |
Z14_0354A04: | 先づ四明の○見へたり。 曾修觀とは。曾の字の上。 |
Z14_0354A05: | 又大切なる。巳の字落ちたり。巳曾とは。過去のこと |
Z14_0354A06: | なり。定心則成とは。過去の定心が。今日成熟するを |
Z14_0354A07: | 云ふなり。今日成熟すとは。謂く惡人の。臨終に唱ふ |
Z14_0354A08: | る十念。是なり。故に妙宗に。縱現世不レ修二三昩一。亦是 |
Z14_0354A09: | 宿種今熟といへり。 さて極重惡人の。臨終の十念 |
Z14_0354A10: | は。正しき定心には非ず。故に定攝といへり。奉先も |
Z14_0354A11: | また。不レ能二觀想一。旣云二稱念十聲不一レ絕。心無二間雜一。還 |
Z14_0354A12: | 同二定心一との玉へり。これ則ち。攝と云ひ。同とは云へ |
Z14_0354A13: | ども。直に事定の成就とは云はず。靜かに十念を唱ふ |
Z14_0354A14: | る間は。散亂せざる故。其相が定心に似たれば。且く |
Z14_0354A15: | 定の中へは。攝したれども。かの事定の成就とは。大 |
Z14_0354A16: | に異なる故なり。事定の成ぜる人は。出定せねば。命 |
Z14_0354A17: | 終せねども。この十念の者は。一二聲目にも。息の絕 |
Z14_0354B01: | へることあり。是を以て其相が。定に同じけれども。 |
Z14_0354B02: | 事定を成ずとは。云はぬなり。故妙宗云。彼人雖二卽不一レ |
Z14_0354B03: | 成二事定一等と。云云よく〱妙宗を。精研し玉へ。 |
Z14_0354B04: | 此こと或問○今は略す。或問の義は。宜しからぬこ |
Z14_0354B05: | と多し。暇ある時。これを辨ぜん。 |
Z14_0354B06: | 自在坊風○分明なるに非ずや。 妙宗。日觀の下に。 |
Z14_0354B07: | 問答あるは。想日の事定と。臨終の十念と。行相は不 |
Z14_0354B08: | 同なれども。品位は別なき故なり。摘欺に引るは。且 |
Z14_0354B09: | くその行相不同の邊を擧て。惡人臨終の十念は。入定 |
Z14_0354B10: | 出定などの。事定に非ざることを云へり。さて其行相 |
Z14_0354B11: | の不同なる邊は。問も答も。一同なり。故に問には。終 |
Z14_0354B12: | 不レ可レ類二見日定心一と云。答にも。彼人雖二卽不一レ成二事定一 |
Z14_0354B13: | 等と云。是の故に摘欺には。問の中にて。語を摘で引 |
Z14_0354B14: | たるなり。其上。等の字もあり。定攝とは。上に云ふが |
Z14_0354B15: | 如し。右の譯ゆへ。摘欺に此文を引て。談義に。臨終の |
Z14_0354B16: | 十念を。入定出定の樣にとりなし。事定を成ずと。思 |
Z14_0354B17: | はるゝ妄を。辨ぜしなり。顧ふに談義主。まだとくと。 |