ウィンドウを閉じる

Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0351A01: は。何とて從是西方。過十萬億の證に。觀經の。去此不
Z14_0351A02: 遠と。同例に引玉はんや。されば幽溪も。十疑の文意。
Z14_0351A03: 平生へも通ずる故に。卽今念佛之心とはの玉ふ。故に
Z14_0351A04: 正寂師。十疑の文を引合されぬ。明白なることなり。
Z14_0351A05: 談義主の樣に。十疑の文面が。臨終に約する故。平生
Z14_0351A06: にとり用ひられぬと云。偏局なる料簡は。唐人のせぬ
Z14_0351A07: ことなり。それ故靈芝などは。十疑の。臨終に約せる
Z14_0351A08: 文を。快く平生の用心に。引用し玉ひぬ。是を以て摘
Z14_0351A09: 欺には。靈芝幽溪は。十疑の文を。平生の用心に。引用
Z14_0351A10: し玉ふとは云へり。よく工夫して。見玉へかし。
Z14_0351A11: 此云ひ分は○違へり。 幽溪の論意は。十世古今。不
Z14_0351A12: 離當念のことに非ずや。靈芝の疏文にも。十方淨穢。
Z14_0351A13: 同一心故とこれあり。故に聞持記に釋して。良以十
Z14_0351A14: 方。微塵刹土。皆我心性。攝無周。虛空尙在心中
Z14_0351A15: 十方豈存性外といへり。此れ則ち。各々平生の用心
Z14_0351A16: を示して。染淨の一際なることを。述玉へり。而るを
Z14_0351A17: 何とて。幽溪の論意と。靈芝の疏文と。違へりとはの
Z14_0351B01: 玉ふや。
Z14_0351B02: 幽溪の論○能く思はれよ。無生論は。元より十疑な
Z14_0351B03: どを宗として。云はるゝことなるに。十疑に似たるこ
Z14_0351B04: とを云はるとは。可笑。さて。正しく十疑を擧て解
Z14_0351B05: せば。それは釋論にて候。無生論は。宗論なり。十疑な
Z14_0351B06: どの意を宗として。解說すればなり。この分辨もな
Z14_0351B07: く。一槪に十疑を解すと云ふが。くせごとなりとは。
Z14_0351B08: 何ごとぞや。 さて正寂師。どしても唐人ゆへ。右の
Z14_0351B09: 譯。云はずと合點にて。無生論は。宗論なれば。十疑の
Z14_0351B10: 文を。平生の用心に。とり用ひられぬと見て。十疑を
Z14_0351B11: 證に出されぬ。然れども此義。摘欺と同意なる故に。
Z14_0351B12: 正寂師の註までを。破斥せらるゝは。もと幽溪の論文
Z14_0351B13: を。正當に見こなし玉はぬ歟。十世古今のことは。正
Z14_0351B14: 寂師。談義主よりも。とふに合點にて。第十門の標目
Z14_0351B15: の下に。現卽現在。念佛之心。未卽未來。受生之時。以
Z14_0351B16: 十世古今。不一レ當念。故云互在也と。引合されぬ。然
Z14_0351B17: るに今こゝは。十疑の文が。いかにもよく。的當せる

ウィンドウを閉じる