浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0351A01: | は。何とて從是西方。過十萬億の證に。觀經の。去此不 |
Z14_0351A02: | 遠と。同例に引玉はんや。されば幽溪も。十疑の文意。 |
Z14_0351A03: | 平生へも通ずる故に。卽今念佛之心とはの玉ふ。故に |
Z14_0351A04: | 正寂師。十疑の文を引合されぬ。明白なることなり。 |
Z14_0351A05: | 談義主の樣に。十疑の文面が。臨終に約する故。平生 |
Z14_0351A06: | にとり用ひられぬと云。偏局なる料簡は。唐人のせぬ |
Z14_0351A07: | ことなり。それ故靈芝などは。十疑の。臨終に約せる |
Z14_0351A08: | 文を。快く平生の用心に。引用し玉ひぬ。是を以て摘 |
Z14_0351A09: | 欺には。靈芝幽溪は。十疑の文を。平生の用心に。引用 |
Z14_0351A10: | し玉ふとは云へり。よく工夫して。見玉へかし。 |
Z14_0351A11: | 此云ひ分は○違へり。 幽溪の論意は。十世古今。不 |
Z14_0351A12: | 離當念のことに非ずや。靈芝の疏文にも。十方淨穢。 |
Z14_0351A13: | 同一心故とこれあり。故に聞持記に釋して。良以十 |
Z14_0351A14: | 方。微塵刹土。皆我心性。攝無レ不レ周。虛空尙在二心中一。 |
Z14_0351A15: | 十方豈存二性外一といへり。此れ則ち。各々平生の用心 |
Z14_0351A16: | を示して。染淨の一際なることを。述玉へり。而るを |
Z14_0351A17: | 何とて。幽溪の論意と。靈芝の疏文と。違へりとはの |
Z14_0351B01: | 玉ふや。 |
Z14_0351B02: | 幽溪の論○能く思はれよ。無生論は。元より十疑な |
Z14_0351B03: | どを宗として。云はるゝことなるに。十疑に似たるこ |
Z14_0351B04: | とを云はるとは。可レ笑。さて。正しく十疑を擧て解 |
Z14_0351B05: | せば。それは釋論にて候。無生論は。宗論なり。十疑な |
Z14_0351B06: | どの意を宗として。解說すればなり。この分辨もな |
Z14_0351B07: | く。一槪に十疑を解すと云ふが。くせごとなりとは。 |
Z14_0351B08: | 何ごとぞや。 さて正寂師。どしても唐人ゆへ。右の |
Z14_0351B09: | 譯。云はずと合點にて。無生論は。宗論なれば。十疑の |
Z14_0351B10: | 文を。平生の用心に。とり用ひられぬと見て。十疑を |
Z14_0351B11: | 證に出されぬ。然れども此義。摘欺と同意なる故に。 |
Z14_0351B12: | 正寂師の註までを。破斥せらるゝは。もと幽溪の論文 |
Z14_0351B13: | を。正當に見こなし玉はぬ歟。十世古今のことは。正 |
Z14_0351B14: | 寂師。談義主よりも。とふに合點にて。第十門の標目 |
Z14_0351B15: | の下に。現卽現在。念佛之心。未卽未來。受生之時。以二 |
Z14_0351B16: | 十世古今。不一レ離二當念一。故云二互在一也と。引合されぬ。然 |
Z14_0351B17: | るに今こゝは。十疑の文が。いかにもよく。的當せる |