浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0350A01: | 此の云ひ分は○可レ笑。旣に動一念と云ふことあり。 |
Z14_0350A02: | 何ぞ動十念と云はざらん。凡そ臨終には。一念もあ |
Z14_0350A03: | り。十念もあり。龍舒淨土文云。纔發二一念一。便生二蓮華一 |
Z14_0350A04: | と。發は。動なり。此は。一念を動じて。往生するなり。 |
Z14_0350A05: | 往生要集云。臨終遇二善友一。纔十念レ佛と。此は。十念纔 |
Z14_0350A06: | に動ずるを云ふなり。さて。この。動念の念。平常は格 |
Z14_0350A07: | 別。臨終の時は。決して一念十念の。念に非ずんば。往 |
Z14_0350A08: | 生遂げがたし。故に十疑には。一念卽得レ生レ彼とも。 |
Z14_0350A09: | 動レ念卽至とも。の玉へり。さて。十疑の動念を。十 |
Z14_0350A10: | 念の念佛の心を。動ずと見たるも。此また幽溪大師 |
Z14_0350A11: | の。無生論に依れり。彼云。卽今念佛之心。便是當來受 |
Z14_0350A12: | 生之時と。是則ち。十疑の動念のことを。念佛之心と |
Z14_0350A13: | の玉ふ。因て正寂師も。十疑を引合せ玉へり。豈明か |
Z14_0350A14: | ならずや。然れば。かの動念を。一念十念の心を動ず |
Z14_0350A15: | と。申さで。何と申すべき。これを御笑ひなさるゝは。 |
Z14_0350A16: | 甚だあしゝ。 |
Z14_0350A17: | 此歌を○難ぜず。 古歌の奧義は。此方。元より不案 |
Z14_0350B01: | 內に候。然れども此は。後成恩寺殿の。勸修念佛記に。 |
Z14_0350B02: | 如レ此御引合せ候へば。それを寫し出したる分なり。 |
Z14_0350B03: | 念佛記に云。喩へば人の夢に。身は床に有ながら。他 |
Z14_0350B04: | 方の一切世界に。至るが如し。もろこしも。夢にみし |
Z14_0350B05: | かば。近かりき。思はぬ中ぞ。はるけかりける。此歌の |
Z14_0350B06: | 意なりと。是なり。もし難問なされ度は。御太儀なが |
Z14_0350B07: | ら。かの禪閤へ。仰せらるべし。 |
Z14_0350B08: | 定散の定○存るなり。所謂る迷執の御料簡。 |
Z14_0350B09: | 此れ 譯も○料簡なり。靈芝。彌陀經の。從是西方。 |
Z14_0350B10: | 過十萬億の文を。釋し玉ふに付て。二義を設けらる。 |
Z14_0350B11: | 第一の義は。十方淨穢。同一心なることを。明すなり。 |
Z14_0350B12: | 此義。臨終にも通ずれども。正しくは平生の用心な |
Z14_0350B13: | り。さて其證據にとて。觀經の。去此不遠と。十疑の。 |
Z14_0350B14: | 動念卽生との文を引玉ふ。觀經は。平生の用心なれど |
Z14_0350B15: | も。又臨終にも通じ。十疑は。臨終に約すれども。又平 |
Z14_0350B16: | 生の用心に通ず。因て靈芝。此は平生用心の方に。十 |
Z14_0350B17: | 疑を引證し玉へり。もし臨終に局りて。平生に通ぜず |