浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0349A01: | を。御しかり有るべし。此方は不レ存候。 |
Z14_0349A02: | 此れは彼の人○書くまじき言なり。 臨終在定之心 |
Z14_0349A03: | とは。臨終在二決定一時之心と。云ふことなり。死に垂ん |
Z14_0349A04: | で。在二決定一時は。無間心。無後心なればなり。大論云。 |
Z14_0349A05: | 垂レ死時心。決定猛犍と。是なり。か樣のこと。唐にて |
Z14_0349A06: | は。何の苦もなきことなれば。善心小僧達までも。更 |
Z14_0349A07: | に疑はれまじけれども。さすが和人にて。おはすか |
Z14_0349A08: | な。 |
Z14_0349A09: | 云ふに及ばぬ○の言なり。在定の言は。遺敎のみな |
Z14_0349A10: | らず。那伽在定なども。其通なり。然るに定といへば。 |
Z14_0349A11: | たゞ禪定のこととのみ。合點して。必定や。決定のこ |
Z14_0349A12: | とをも。定と云ふことを。合點し玉はぬは。此れかの |
Z14_0349A13: | 餘念なきの餘を。偏に他念のこととのみ。覺へ玉ふ。 |
Z14_0349A14: | 局情と同じ。 |
Z14_0349A15: | 論註にも○譯もなきことなり。 それは。和人だけ |
Z14_0349A16: | の。御聊揀ならん。 |
Z14_0349A17: | 譬へば大學○笑ふべきことなり。此の譬へ。何ごと |
Z14_0349B01: | やら通ぜず。さて。此方の意は。在の字。緊要の處ゆ |
Z14_0349B02: | へ。天台大師。在定と仰せられ候へば。在の字をいけ |
Z14_0349B03: | 置て。在決定と。申ことに候。 |
Z14_0349B04: | 論註などに○可笑なることなり。唐人の。曾て可笑 |
Z14_0349B05: | がらぬことを。和人は。反て可笑く思ふこと。成る程 |
Z14_0349B06: | 有る者に候。上に申通り。在決定の時と。時の字をも |
Z14_0349B07: | たせて見れば。在の字。殊の外いきて。何の苦もなし。 |
Z14_0349B08: | 唐人腹中に。なり玉はぬ間は。御合點まひるまじく候。 |
Z14_0349B09: | 彼の人加樣○見へたり。 此は。御持病には有るま |
Z14_0349B10: | じ。和流の文字さばき故。實にか樣ぞと。思召ならん。 |
Z14_0349B11: | なるほど○異解すべき。此は。在定の定を。定散の |
Z14_0349B12: | 定と。かたく迷執し玉ふ。あしき御料檢。 |
Z14_0349B13: | 且つ動念○云ひ難きことなり。 動念の。平生臨終 |
Z14_0349B14: | に。通ずることは。知れたことなり。今は臨終の處に。 |
Z14_0349B15: | 有るゆへにこそ。臨終に約しては申せ。命斷のみを。 |
Z14_0349B16: | 必ず動念とは。誰も不レ申候ほどに。私に加增なされ |
Z14_0349B17: | し必の字をば。早々御とり。下さるべく候。 |