浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0348A01: | のことは。かりにも不レ申に。何とて餘のことにて。紛 |
Z14_0348A02: | らかさるゝや。 |
Z14_0348A03: | 文成り印壞す○云ふべからず。 十疑に。安樂義を。 |
Z14_0348A04: | 承用し玉ふは。正くは。此命斷時。卽是生安樂時の文 |
Z14_0348A05: | なり。文成印壞は。連文ゆへに。引しなり。因て摘欺に |
Z14_0348A06: | は。安樂義は。十疑の承用とこそ申せ。觀經疏の承用 |
Z14_0348A07: | とは。誰が申候や。此方の思も付けぬ。餘處のことを。 |
Z14_0348A08: | かれこれの玉ひては。甚だ迷惑仕候。 |
Z14_0348A09: | さて此に命斷ずる時○略論によらんや。此は又餘り |
Z14_0348A10: | なることかな。安樂義の意も。𣵀槃の。陰滅陰生の義 |
Z14_0348A11: | には。依るべけれども。𣵀槃の文面は。淨土往生の事 |
Z14_0348A12: | には非ず。正く淨土往生のことにしたるは。安樂義な |
Z14_0348A13: | り。然るに十疑も。明かに淨土往生のことなる故。安 |
Z14_0348A14: | 樂義に依り玉ふこと。決定ならずや。さるを。淨土往 |
Z14_0348A15: | 生を述し十疑が。淨土往生を說し。安樂義にはよら |
Z14_0348A16: | で。中有生を明せし。𣵀槃によれりとは。譯もなきこ |
Z14_0348A17: | となり。況や安樂義には。卽是生安樂時と云ひ。十疑 |
Z14_0348B01: | には。卽是生淨土時と云ひて。文義全く同じ。文義の |
Z14_0348B02: | 同じき。安樂義をばすて。文義の異なる。𣵀槃經へ。と |
Z14_0348B03: | り付るゝは。何ごとぞや。 さて引かるゝ所の。此命 |
Z14_0348B04: | 斷時。卽是生安樂時の文は。十疑論なりや。安樂義な |
Z14_0348B05: | りや。何れにしても。はきと致さず候。 |
Z14_0348B06: | 推量するに○云ふべきや。此は邪推ならん。 |
Z14_0348B07: | 此の解しやう○見ゆるなり。無間修に防ぐ。餘念の |
Z14_0348B08: | 餘は。これ他の義。他念なきを云。摘欺の。餘念なきの |
Z14_0348B09: | 餘は。これ殘の義。餘殘の念なきを云。習氣無餘。三餘 |
Z14_0348B10: | などゝ云。餘の字なり。故に後心を。餘心と訓古して。 |
Z14_0348B11: | 後の字を。のこりと讀する意なり。然るを。一同に心 |
Z14_0348B12: | 得玉ふこと。あしゝ。其上。十疑の注をば。見玉ふ筈な |
Z14_0348B13: | るが。何と失念し玉ひしや。吳山大師。かの無後心を |
Z14_0348B14: | 注して。臨終念佛。卽捨壽時。更無三餘念。在二於此後一。 |
Z14_0348B15: | 名二無後心一と云り。摘欺は。卽ちこれを寫し出せり。も |
Z14_0348B16: | し無後心を。無餘念にて注し申が。解しやう麤く。言 |
Z14_0348B17: | を覺へて。義理を知らぬにて候はゞ。此は。吳山大師 |