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Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0348A01: のことは。かりにも不申に。何とて餘のことにて。紛
Z14_0348A02: らかさるゝや。
Z14_0348A03: 文成り印壞す○云ふべからず。 十疑に。安樂義を。
Z14_0348A04: 承用し玉ふは。正くは。此命斷時。卽是生安樂時の文
Z14_0348A05: なり。文成印壞は。連文ゆへに。引しなり。因て摘欺に
Z14_0348A06: は。安樂義は。十疑の承用とこそ申せ。觀經疏の承用
Z14_0348A07: とは。誰が申候や。此方の思も付けぬ。餘處のことを。
Z14_0348A08: かれこれの玉ひては。甚だ迷惑仕候。
Z14_0348A09: さて此に命斷ずる時○略論によらんや。此は又餘り
Z14_0348A10: なることかな。安樂義の意も。𣵀槃の。陰滅陰生の義
Z14_0348A11: には。依るべけれども。𣵀槃の文面は。淨土往生の事
Z14_0348A12: には非ず。正く淨土往生のことにしたるは。安樂義な
Z14_0348A13: り。然るに十疑も。明かに淨土往生のことなる故。安
Z14_0348A14: 樂義に依り玉ふこと。決定ならずや。さるを。淨土往
Z14_0348A15: 生を述し十疑が。淨土往生を說し。安樂義にはよら
Z14_0348A16: で。中有生を明せし。𣵀槃によれりとは。譯もなきこ
Z14_0348A17: となり。況や安樂義には。卽是生安樂時と云ひ。十疑
Z14_0348B01: には。卽是生淨土時と云ひて。文義全く同じ。文義の
Z14_0348B02: 同じき。安樂義をばすて。文義の異なる。𣵀槃經へ。と
Z14_0348B03: り付るゝは。何ごとぞや。 さて引かるゝ所の。此命
Z14_0348B04: 斷時。卽是生安樂時の文は。十疑論なりや。安樂義な
Z14_0348B05: りや。何れにしても。はきと致さず候。
Z14_0348B06: 推量するに○云ふべきや。此は邪推ならん。
Z14_0348B07: 此の解しやう○見ゆるなり。無間修に防ぐ。餘念の
Z14_0348B08: 餘は。これ他の義。他念なきを云。摘欺の。餘念なきの
Z14_0348B09: 餘は。これ殘の義。餘殘の念なきを云。習氣無餘。三餘
Z14_0348B10: などゝ云。餘の字なり。故に後心を。餘心と訓古して。
Z14_0348B11: 後の字を。のこりと讀する意なり。然るを。一同に心
Z14_0348B12: 得玉ふこと。あしゝ。其上。十疑の注をば。見玉ふ筈な
Z14_0348B13: るが。何と失念し玉ひしや。吳山大師。かの無後心を
Z14_0348B14: 注して。臨終念佛。卽捨壽時。更無餘念。在於此後
Z14_0348B15: 無後心と云り。摘欺は。卽ちこれを寫し出せり。も
Z14_0348B16: し無後心を。無餘念にて注し申が。解しやう麤く。言
Z14_0348B17: を覺へて。義理を知らぬにて候はゞ。此は。吳山大師

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