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Z1460 即心念仏摘欺説続 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0347A01: 其中に十疑論○此れを見るに。摘欺の始終は。みな
Z14_0347A02: 台家より出たる。卽心談義の沙汰なるを。知らぬ顏に
Z14_0347A03: て。たゞ十疑論ばかりを。我家のことなれば。吟味す
Z14_0347A04: べしとは。此は。いと眞正になき。御心ばへなり。
Z14_0347A05: 此一段を見て○況や其餘をや。自他無益の段。見の
Z14_0347A06: がしの處。
Z14_0347A07: 略論は○見へたることありや。成る程。唐の書に見へ
Z14_0347A08: て候。迦才淨土論云。沙門曇鸞法師者。幷州㳊水人也。
Z14_0347A09: 神智高遠。三國知聞。洞曉衆經。獨-步人外。梁國天子
Z14_0347A10: 蕭王。恒向北禮曇鸞菩薩。注-解天親菩薩。往生論。裁
Z14_0347A11: 兩卷。法師。撰-集無量壽經奉讃。七言偈。百九十五
Z14_0347A12: 行。幷問答一卷此れ卽ち略論なり。-行于世と。云云これを御
Z14_0347A13: 覽あるべく候。
Z14_0347A14: 彼の論の始終○見ゆるなり。唐人の書きたる。上代
Z14_0347A15: の古文をも。和人の悲さには。和文の樣に見なすこ
Z14_0347A16: と。有之ものに候。餓鬼の目には。水が火とも。見へ
Z14_0347A17: 候へばなり。
Z14_0347B01: 文辭甚だ鄙拙○語をなさぬこと多し。此方には。左
Z14_0347B02: 樣のこと。すきと不存。何れの處が。鄙拙なりや。承
Z14_0347B03: りたし。
Z14_0347B04: 尤も頭書○必定僞作ならん頭書は。ともあれ。本體が。唐筆に
Z14_0347B05: 非る由。何れの處が。左樣なりや。よく〱承り度候。
Z14_0347B06: さて注に。現行の本は。必定僞作とは。此また何が證
Z14_0347B07: 據にて候や。もし談義主の。私了簡ならば。必定妄想
Z14_0347B08: にて。有べく候。
Z14_0347B09: 此れは推量○出でたることなりや。 論註。安樂集。
Z14_0347B10: 淨影の觀經疏。光宅の法華疏。などをも。趙宋以來は。
Z14_0347B11: 逸したりと申さんに。失も有まじ。唐の書に。きつと
Z14_0347B12: 逸したりと。無之れば。申されぬことに候や。安樂義
Z14_0347B13: も。天台。道綽。元曉。迦才等の。隋唐の諸師は。見玉へ
Z14_0347B14: ども。趙宋以後の人々は。見玉はねば。逸したりと申
Z14_0347B15: さで。何と申すべきや。
Z14_0347B16: 十疑論○存したることなり。 摘欺には。十疑に。安
Z14_0347B17: 樂義を。引用し玉ふを。知り玉はずとこそ申せ。論註

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