浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0347A01: | 其中に十疑論○此れを見るに。摘欺の始終は。みな |
Z14_0347A02: | 台家より出たる。卽心談義の沙汰なるを。知らぬ顏に |
Z14_0347A03: | て。たゞ十疑論ばかりを。我家のことなれば。吟味す |
Z14_0347A04: | べしとは。此は。いと眞正になき。御心ばへなり。 |
Z14_0347A05: | 此一段を見て○況や其餘をや。自他無益の段。見の |
Z14_0347A06: | がしの處。 |
Z14_0347A07: | 略論は○見へたることありや。成る程。唐の書に見へ |
Z14_0347A08: | て候。迦才淨土論云。沙門曇鸞法師者。幷州㳊水人也。 |
Z14_0347A09: | 神智高遠。三國知聞。洞二曉衆經一。獨二-步人外一。梁國天子 |
Z14_0347A10: | 蕭王。恒向レ北禮二曇鸞菩薩一。注二-解天親菩薩。往生論一。裁 |
Z14_0347A11: | 成二兩卷一。法師。撰二-集無量壽經奉讃。七言偈。百九十五 |
Z14_0347A12: | 行。幷問答一卷一。此れ卽ち略論なり。流二-行于世一と。云云これを御 |
Z14_0347A13: | 覽あるべく候。 |
Z14_0347A14: | 彼の論の始終○見ゆるなり。唐人の書きたる。上代 |
Z14_0347A15: | の古文をも。和人の悲さには。和文の樣に見なすこ |
Z14_0347A16: | と。有レ之ものに候。餓鬼の目には。水が火とも一。見へ |
Z14_0347A17: | 候へばなり。 |
Z14_0347B01: | 文辭甚だ鄙拙○語をなさぬこと多し。此方には。左 |
Z14_0347B02: | 樣のこと。すきと不レ存。何れの處が。鄙拙なりや。承 |
Z14_0347B03: | りたし。 |
Z14_0347B04: | 尤も頭書○必定僞作ならん頭書は。ともあれ。本體が。唐筆に |
Z14_0347B05: | 非る由。何れの處が。左樣なりや。よく〱承り度候。 |
Z14_0347B06: | さて注に。現行の本は。必定僞作とは。此また何が證 |
Z14_0347B07: | 據にて候や。もし談義主の。私了簡ならば。必定妄想 |
Z14_0347B08: | にて。有べく候。 |
Z14_0347B09: | 此れは推量○出でたることなりや。 論註。安樂集。 |
Z14_0347B10: | 淨影の觀經疏。光宅の法華疏。などをも。趙宋以來は。 |
Z14_0347B11: | 逸したりと申さんに。失も有まじ。唐の書に。きつと |
Z14_0347B12: | 逸したりと。無レ之れば。申されぬことに候や。安樂義 |
Z14_0347B13: | も。天台。道綽。元曉。迦才等の。隋唐の諸師は。見玉へ |
Z14_0347B14: | ども。趙宋以後の人々は。見玉はねば。逸したりと申 |
Z14_0347B15: | さで。何と申すべきや。 |
Z14_0347B16: | 十疑論○存したることなり。 摘欺には。十疑に。安 |
Z14_0347B17: | 樂義を。引用し玉ふを。知り玉はずとこそ申せ。論註 |