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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0340A01: し合すと云ふは。多くは。人の方より。はなし。あはす
Z14_0340A02: ることにて。活字なり。修性の離合等是なり。卽した
Z14_0340A03: の。離したのと云ふは。物の上にあることにて。死字
Z14_0340A04: の方なり。佛性六法。不卽不離等是なり。加樣のてに
Z14_0340A05: はを。分たぬと云ふは。甚だ麤き學問なり。さて又。儒
Z14_0340A06: 書にも。佛書にも。卽の字を。つくと讀む處。すなはち
Z14_0340A07: と讀む處。分るゝなり。佛書で云はば。色卽是空。空卽
Z14_0340A08: 是色などの時は。卽ちと讀むなり。そのまゝの義なり。
Z14_0340A09: 心卽性の時は。うへゝかへりて。色がそのまゝ。性
Z14_0340A10: がそのまゝと云ふは。無理なり。義理もうときなり。
Z14_0340A11: 色卽性と訓じて。つく意。離れぬ義と解するが。卽
Z14_0340A12: の字が。つよくなりて。よきなり。然れば。卽の字をつ
Z14_0340A13: くと讀むと。すなはちと讀むとの分ち。しらいでは叶
Z14_0340A14: はぬことなり。況や又。台家には。六卽の卽の字に付
Z14_0340A15: てさへ。能卽所卽と云ふこと。古人の論ぜることあ
Z14_0340A16: り。是れ卽ち。能つき。所つきの義理なり。能そのま
Z14_0340A17: ゝ。所そのまゝと云ふことは。曾てなきことなり。つ
Z14_0340B01: くの訓を以て。卽の字をさばくは。台宗に似合ずと
Z14_0340B02: は。なにとして云はるゝや。
Z14_0340B03: 又問。前に出せる。彼の書のやがて次上の一段を。見
Z14_0340B04: られずや。彼の書に云く。卽と云は○離れぬことな
Z14_0340B05: り。此訓。恐くは非なり。つくと云ふは。合の義な
Z14_0340B06: り。 卽位にて知るべし。君王の寳位に卽き玉ふは。こ
Z14_0340B07: れ君と位と。二物相合するを云ひ。いま正訓を說ば。
Z14_0340B08: 卽心の卽は。そのまゝと訓ず。則ち是の義なり。當體
Z14_0340B09: 全是にて知るべし。然れば卽心とは。心をそのまゝに
Z14_0340B10: してと讀むべし。又そのまゝなる心にてと云ふこと
Z14_0340B11: なり。心についてとは。讀むべからずと。此說如何。
Z14_0340B12: 答。此云分にて。彌々彼の人。卽離の對を。知られぬ處
Z14_0340B13: 顯はれたり。卽位の二字を。出さるれども。合の義な
Z14_0340B14: りと。云はるゝゆへ。離合の對計りを知て。卽離の對
Z14_0340B15: を知られぬなり。此の段纔かの內なれども。色々の文
Z14_0340B16: 盲なることあり。驚き入りたる麤さなり。卽位の卽
Z14_0340B17: を。合の義なりと云ふこと。終に承り及ばぬことな

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