ウィンドウを閉じる

Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0338A01: らず。 君臣凡聖。君臣の二字は。何として。出さる
Z14_0338A02: ゝや。曹洞家の。五位君臣のことなりや。敎家では。耳
Z14_0338A03: 馴れぬ言なり。尤も敎家にも。君臣の名。往々に之れ
Z14_0338A04: を用ゆれども。必ず位を定めたることに非ず。凡聖な
Z14_0338A05: どゝ同樣に。用ゆることは。見當らぬなり。位を定
Z14_0338A06: めて修行す。前に云ふ通り。圓頓の位は。位なき處
Z14_0338A07: に位が立ち。位の立つ處が。卽ち位なきなり。是れ圓
Z14_0338A08: 頓の妙位なり。位を定めてと云はるゝは。事異故六の
Z14_0338A09: 一邊を。執せられたる云ひ分なり。千代野などは○
Z14_0338A10: 彼山がつの事知りにて。そこのぬけたる咄はすれど
Z14_0338A11: も。其位は知れ難し。此書き樣なにやら知れぬ。云
Z14_0338A12: ひ分なり。種姓の知れぬ山がつ。已に是れ山がつ。
Z14_0338A13: 種姓の知れぬとは。何ごとぞや。但し窂人山がつか。
Z14_0338A14: 種姓の知れぬの。種姓の知れたるのと。云はるゝは。
Z14_0338A15: 合點ゆかず。種姓あり。種姓なしと云ふべし。諸書に。
Z14_0338A16: 歷々のことを。族姓家と云ひ。又族姓大德と。云ふこ
Z14_0338A17: とあり。此れ卽ち種姓のあるは。歷々なるゆへなり。
Z14_0338B01: 靈芝云。族は卽ち貴姓と。是なり。さて。六卽を以て
Z14_0338B02: 定めぬことなればとは。脇から定むることなりや。脇
Z14_0338B03: から定むることならば。定め樣あることなるゆへ。し
Z14_0338B04: かとは。極め難しと。云ふべき樣は。なきことなり。
Z14_0338B05: 下に千代野などは。咄はすれどもと。云はるれば。位
Z14_0338B06: の沙汰を自分にすることゝ。見へたり。殿上の政務を
Z14_0338B07: 語ると云はるれば。某の官は〓何んの役。某の位は。何
Z14_0338B08: をつかさどると云ふ。咄なるべければ。自分に位を語
Z14_0338B09: るなり。去れども。其位は知れ難しと云はるれば。又
Z14_0338B10: 脇から位を定むることと。聞へたり。何やら知れぬ。
Z14_0338B11: 書き樣なり。譬へば種姓のしれたる顯官の。本職の
Z14_0338B12: 政事を語るが如し。故に其位。或は五品。十信。初地。
Z14_0338B13: 八地なんど。明かに知るなり。千代野などは。彼の山
Z14_0338B14: がつの事知りにて。そこのぬけたる咄は。すれども。
Z14_0338B15: 其位は。知れ難し。此譬へなにやら知れぬ。云ひ分
Z14_0338B16: なり。敎家の人は。位を知て悟りを開く。禪者は位を
Z14_0338B17: 知らずして。悟りを開くと云ふ樣に聞へたり。然るに

ウィンドウを閉じる