浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0338A01: | らず。 君臣凡聖。君臣の二字は。何として。出さる |
Z14_0338A02: | ゝや。曹洞家の。五位君臣のことなりや。敎家では。耳 |
Z14_0338A03: | 馴れぬ言なり。尤も敎家にも。君臣の名。往々に之れ |
Z14_0338A04: | を用ゆれども。必ず位を定めたることに非ず。凡聖な |
Z14_0338A05: | どゝ同樣に。用ゆることは。見當らぬなり。位を定 |
Z14_0338A06: | めて修行す。前に云ふ通り。圓頓の位は。位なき處 |
Z14_0338A07: | に位が立ち。位の立つ處が。卽ち位なきなり。是れ圓 |
Z14_0338A08: | 頓の妙位なり。位を定めてと云はるゝは。事異故六の |
Z14_0338A09: | 一邊を。執せられたる云ひ分なり。千代野などは○ |
Z14_0338A10: | 彼山がつの事知りにて。そこのぬけたる咄はすれど |
Z14_0338A11: | も。其位は知れ難し。此書き樣なにやら知れぬ。云 |
Z14_0338A12: | ひ分なり。種姓の知れぬ山がつ。已に是れ山がつ。 |
Z14_0338A13: | 種姓の知れぬとは。何ごとぞや。但し窂人山がつか。 |
Z14_0338A14: | 種姓の知れぬの。種姓の知れたるのと。云はるゝは。 |
Z14_0338A15: | 合點ゆかず。種姓あり。種姓なしと云ふべし。諸書に。 |
Z14_0338A16: | 歷々のことを。族姓家と云ひ。又族姓大德と。云ふこ |
Z14_0338A17: | とあり。此れ卽ち種姓のあるは。歷々なるゆへなり。 |
Z14_0338B01: | 靈芝ノ云。族は卽ち貴姓と。是なり。さて。六卽を以て |
Z14_0338B02: | 定めぬことなればとは。脇から定むることなりや。脇 |
Z14_0338B03: | から定むることならば。定め樣あることなるゆへ。し |
Z14_0338B04: | かとは。極め難しと。云ふべき樣は。なきことなり。 |
Z14_0338B05: | 下に千代野などは。咄はすれどもと。云はるれば。位 |
Z14_0338B06: | の沙汰を自分にすることゝ。見へたり。殿上の政務を |
Z14_0338B07: | 語ると云はるれば。某の官は〓何んの役。某の位は。何 |
Z14_0338B08: | をつかさどると云ふ。咄なるべければ。自分に位を語 |
Z14_0338B09: | るなり。去れども。其位は知れ難しと云はるれば。又 |
Z14_0338B10: | 脇から位を定むることと。聞へたり。何やら知れぬ。 |
Z14_0338B11: | 書き樣なり。譬へば種姓のしれたる顯官の。本職の |
Z14_0338B12: | 政事を語るが如し。故に其位。或は五品。十信。初地。 |
Z14_0338B13: | 八地なんど。明かに知るなり。千代野などは。彼の山 |
Z14_0338B14: | がつの事知りにて。そこのぬけたる咄は。すれども。 |
Z14_0338B15: | 其位は。知れ難し。此譬へなにやら知れぬ。云ひ分 |
Z14_0338B16: | なり。敎家の人は。位を知て悟りを開く。禪者は位を |
Z14_0338B17: | 知らずして。悟りを開くと云ふ樣に聞へたり。然るに |