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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0337A01: 悟りを。通敎の無相空寂なるべしと云ふは。如大尼が
Z14_0337A02: 傳を見るに。彼の尼の師家の敎へに。法界緣起の。別
Z14_0337A03: 理も見へず。又性具性惡の。圓理も見へぬゆへ。只是
Z14_0337A04: れ界內の。空眞諦なるべしと。思はるゝなり。輔行
Z14_0337A05: 第一四の卅六通敎の四諦を明す中に云。畢竟空中。有眞常
Z14_0337A06: 性月。結使水故。生陰入影。凡夫癡猴。謂之爲實。徒
Z14_0337A07: 眞。不陰入。以師迷故。敎多人迷。此文。
Z14_0337A08: 能くおもふべし。眞常性月とは。明暗色空の體にな
Z14_0337A09: る。偏眞の諦理なり。煩惱の水が。たまらねば。五陰の
Z14_0337A10: 月影も。なくなりて。偏眞の諦理が。顯はるゝなり。
Z14_0337A11: 此れに付ても。三藏の意。通敎の意を。心得わくべし。此れは。別敎の中道の妙空の
Z14_0337A12: 理とは。大いに違へり。况や性具性惡の圓談とは。天
Z14_0337A13: かに違へることなり。加樣に云ふを。禪宗の人は。大
Z14_0337A14: いに笑ふて。一向に信用せぬことなり。然れども。加
Z14_0337A15: 樣の精妙なる簡別を。知らざれば。佛のとかせ玉ひた
Z14_0337A16: る。大小。權實。偏圓の敎意が分れず。すまぬなり。又
Z14_0337A17: 菩薩の論判の。高下麤妙が。分れぬなり。佛敎の中の。
Z14_0337B01: 一門。一途を專らにする。宗旨とは違ひて。一代藏經
Z14_0337B02: を。明かに判釋して。一念に融會するは。唯天台の妙
Z14_0337B03: 談のみなり。又經論の所說の道理の。高下淺深は。明
Z14_0337B04: かに分るれども。其法體は。本より圓融したるものな
Z14_0337B05: れば。小乘の偏眞の理も。三諦法界なり。况や通敎。別
Z14_0337B06: 敎。所詮の理。三諦圓融の妙理にて。あるまじき樣は。
Z14_0337B07: なきことなり。如此申すが。卽ち開權跨節の談と。云
Z14_0337B08: ふものなり。如此。淺深高下を分つことも明かに。又
Z14_0337B09: 淺深ともに。同一理と。融會するも。能くなるが。天台
Z14_0337B10: の學なり。因て柳子厚は。佛道愈々遠。異端竸起。唯天
Z14_0337B11: 台大師。得其說と歎じ。晁景迂は。通天台學者。無
Z14_0337B12: 禪敎之病。可以爲人天眼目と。云へり。誠なるかな。
Z14_0337B13: 今時他宗の色々の。偏見僻說ともを。拙衲等が。一向
Z14_0337B14: に信用せぬを。無理と思ひ玉ひぞ。 禮儀三百。威儀
Z14_0337B15: 三千。此語。ちと可笑し。前の大機大用の言と。相似
Z14_0337B16: たり。此言は。取つて置ひて。律儀などのことを。談ず
Z14_0337B17: る時。出されよ。今禪敎の有位無位の處には。親しか

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