浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0337A01: | 悟りを。通敎の無相空寂なるべしと云ふは。如大尼が |
Z14_0337A02: | 傳を見るに。彼の尼の師家の敎へに。法界緣起の。別 |
Z14_0337A03: | 理も見へず。又性具性惡の。圓理も見へぬゆへ。只是 |
Z14_0337A04: | れ界內の。空眞諦なるべしと。思はるゝなり。輔行 |
Z14_0337A05: | 第一四の卅六通敎の四諦を明す中に云。畢竟空中。有二眞常 |
Z14_0337A06: | 性月一。結使水故。生二陰入影一。凡夫癡猴。謂レ之爲レ實。徒 |
Z14_0337A07: | 謂レ有レ眞。不レ了二陰入一。以二師迷一故。敎二多人一迷。此文。 |
Z14_0337A08: | 能くおもふべし。眞常性月とは。明暗色空の體にな |
Z14_0337A09: | る。偏眞の諦理なり。煩惱の水が。たまらねば。五陰の |
Z14_0337A10: | 月影も。なくなりて。偏眞の諦理が。顯はるゝなり。 |
Z14_0337A11: | 此れに付ても。三藏の意。通敎の意を。心得わくべし。此れは。別敎の中道の妙空の |
Z14_0337A12: | 理とは。大いに違へり。况や性具性惡の圓談とは。天 |
Z14_0337A13: | かに違へることなり。加樣に云ふを。禪宗の人は。大 |
Z14_0337A14: | いに笑ふて。一向に信用せぬことなり。然れども。加 |
Z14_0337A15: | 樣の精妙なる簡別を。知らざれば。佛のとかせ玉ひた |
Z14_0337A16: | る。大小。權實。偏圓の敎意が分れず。すまぬなり。又 |
Z14_0337A17: | 菩薩の論判の。高下麤妙が。分れぬなり。佛敎の中の。 |
Z14_0337B01: | 一門。一途を專らにする。宗旨とは違ひて。一代藏經 |
Z14_0337B02: | を。明かに判釋して。一念に融會するは。唯天台の妙 |
Z14_0337B03: | 談のみなり。又經論の所說の道理の。高下淺深は。明 |
Z14_0337B04: | かに分るれども。其法體は。本より圓融したるものな |
Z14_0337B05: | れば。小乘の偏眞の理も。三諦法界なり。况や通敎。別 |
Z14_0337B06: | 敎。所詮の理。三諦圓融の妙理にて。あるまじき樣は。 |
Z14_0337B07: | なきことなり。如レ此申すが。卽ち開權跨節の談と。云 |
Z14_0337B08: | ふものなり。如レ此。淺深高下を分つことも明かに。又 |
Z14_0337B09: | 淺深ともに。同一理と。融會するも。能くなるが。天台 |
Z14_0337B10: | の學なり。因て柳子厚は。佛道愈々遠。異端竸起。唯天 |
Z14_0337B11: | 台大師。得二其說一と歎じ。晁景迂は。通二天台學一者。無二 |
Z14_0337B12: | 禪敎之病一。可三以爲二人天眼目一と。云へり。誠なるかな。 |
Z14_0337B13: | 今時他宗の色々の。偏見僻說ともを。拙衲等が。一向 |
Z14_0337B14: | に信用せぬを。無理と思ひ玉ひぞ。 禮儀三百。威儀 |
Z14_0337B15: | 三千。此語。ちと可笑し。前の大機大用の言と。相似 |
Z14_0337B16: | たり。此言は。取つて置ひて。律儀などのことを。談ず |
Z14_0337B17: | る時。出されよ。今禪敎の有位無位の處には。親しか |