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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0336A01: ではなし。修するも。證するも幻なり。彼の人。この古
Z14_0336A02: 人の語をひかるゝは。この方に。本心無相と云ふを。
Z14_0336A03: をし下して。覺性は。有無に落ちぬゆへ。有と說き。無
Z14_0336A04: と說けば。みな幻なりと云ふを。向上なることのやう
Z14_0336A05: に。云はるゝなり。これは。經語でさばひても。初心な
Z14_0336A06: ることなり。圓覺經云。一切菩薩。及末世衆生。應
Z14_0336A07: 離一切幻化虛妄境界。由堅執持遠離心故。心如
Z14_0336A08: 幻者。亦復遠離。遠離爲幻。亦復遠離。離遠離幻。亦
Z14_0336A09: 復遠離。得所離。卽除諸幻と。得無所離とは。一念
Z14_0336A10: 不生なれば。前後際斷するなり。この經意より見て
Z14_0336A11: も。彼の古人の語を。引かれたるは。禪者が見たらば。
Z14_0336A12: 汝三十棒と云ふべし。されども圓覺は。なをこれ
Z14_0336A13: 經語にて。繞路なり。禪者の機用。格外の手段にはあ
Z14_0336A14: らずと。禪者は云ふべし。序に云ふなり。五十年ばか
Z14_0336A15: り以前に。禪宗の歌を能く讀むと云ふ。道心者の物語
Z14_0336A16: りを。きゝしに。去る歷々の公家衆。おもはじと。おも
Z14_0336A17: ふも。ものをおもふなり。おもはじとだに。おもはじ
Z14_0336B01: や。なぞ。と云ふ歌。心得難しと。の玉ふゆへ。それは
Z14_0336B02: 禪意を知り玉はぬ。ゆへなり。なぞと云ふは。三十棒
Z14_0336B03: なりと。示したりと語る。彼の人此歌の心にても。能
Z14_0336B04: く知られたらば。此の樣なることは。云はれまじきこ
Z14_0336B05: となり。今談の說禪は。いつでも。說敎となる。說
Z14_0336B06: 敎と說禪と。別なりと思ふは。わたりなみの見解な
Z14_0336B07: り。說禪卽說敎。說敎卽說禪なり。又禪者の高妙奇特
Z14_0336B08: とすることを。初門の方便。淺近の事とし。禪者の淺
Z14_0336B09: 近平常の事とするを。向上𤣥妙とする。出格の見解も
Z14_0336B10: あることなり。彼の人は。加樣の義。未夢見在。とか
Z14_0336B11: く何事も。麤く初心なることなり。此れもあしき合
Z14_0336B12: 點に候。旣に藏通別圓 。敎外に在て。そこのぬけし
Z14_0336B13: 桶を。通敎のそこじやか。別敎の桶じやかとは。何と
Z14_0336B14: したる。寢言ぞや。千代野。若しこれを。大寂定中に聞
Z14_0336B15: かば。さても。敎下に死在せらるゝ。鈍な人かなと。笑
Z14_0336B16: ふべし。如虛空無丈尺。丈尺約虛空と云ふことに
Z14_0336B17: ても。知りたらば。千代野も。笑ひはせまじ。千代野が

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