浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0336A01: | ではなし。修するも。證するも幻なり。彼の人。この古 |
Z14_0336A02: | 人の語をひかるゝは。この方に。本心無相と云ふを。 |
Z14_0336A03: | をし下して。覺性は。有無に落ちぬゆへ。有と說き。無 |
Z14_0336A04: | と說けば。みな幻なりと云ふを。向上なることのやう |
Z14_0336A05: | に。云はるゝなり。これは。經語でさばひても。初心な |
Z14_0336A06: | ることなり。圓覺經云。一切菩薩。及末世衆生。應三當 |
Z14_0336A07: | 遠二離一切幻化虛妄境界一。由三堅執二持遠離心一故。心如レ |
Z14_0336A08: | 幻者。亦復遠離。遠離爲レ幻。亦復遠離。離二遠離一幻。亦 |
Z14_0336A09: | 復遠離。得レ無二所離一。卽除二諸幻一と。得無所離とは。一念 |
Z14_0336A10: | 不生なれば。前後際斷するなり。この經意より見て |
Z14_0336A11: | も。彼の古人の語を。引かれたるは。禪者が見たらば。 |
Z14_0336A12: | 放二汝三十棒一と云ふべし。されども圓覺は。なをこれ |
Z14_0336A13: | 經語にて。繞路なり。禪者の機用。格外の手段にはあ |
Z14_0336A14: | らずと。禪者は云ふべし。序に云ふなり。五十年ばか |
Z14_0336A15: | り以前に。禪宗の歌を能く讀むと云ふ。道心者の物語 |
Z14_0336A16: | りを。きゝしに。去る歷々の公家衆。おもはじと。おも |
Z14_0336A17: | ふも。ものをおもふなり。おもはじとだに。おもはじ |
Z14_0336B01: | や。なぞ。と云ふ歌。心得難しと。の玉ふゆへ。それは |
Z14_0336B02: | 禪意を知り玉はぬ。ゆへなり。なぞと云ふは。三十棒 |
Z14_0336B03: | なりと。示したりと語る。彼の人此歌の心にても。能 |
Z14_0336B04: | く知られたらば。此の樣なることは。云はれまじきこ |
Z14_0336B05: | となり。今談の說禪は。いつでも。說敎となる。說 |
Z14_0336B06: | 敎と說禪と。別なりと思ふは。わたりなみの見解な |
Z14_0336B07: | り。說禪卽說敎。說敎卽說禪なり。又禪者の高妙奇特 |
Z14_0336B08: | とすることを。初門の方便。淺近の事とし。禪者の淺 |
Z14_0336B09: | 近平常の事とするを。向上𤣥妙とする。出格の見解も |
Z14_0336B10: | あることなり。彼の人は。加樣の義。未二夢見一在。とか |
Z14_0336B11: | く何事も。麤く初心なることなり。此れもあしき合 |
Z14_0336B12: | 點に候。旣に藏通別圓 。敎外に在て。そこのぬけし |
Z14_0336B13: | 桶を。通敎のそこじやか。別敎の桶じやかとは。何と |
Z14_0336B14: | したる。寢言ぞや。千代野。若しこれを。大寂定中に聞 |
Z14_0336B15: | かば。さても。敎下に死在せらるゝ。鈍な人かなと。笑 |
Z14_0336B16: | ふべし。如下虛空無二丈尺一。丈尺約中虛空上と云ふことに |
Z14_0336B17: | ても。知りたらば。千代野も。笑ひはせまじ。千代野が |