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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0335A01: 活語中。而不肯向死語中。其亦俊矣。爾如肯向
Z14_0335A02: 死語中死去。久之死中忽自活。將見其活矣。
Z14_0335A03: 右の兩文。死句活句の定り。分明なり。千代野が歌を。
Z14_0335A04: 活句と云はるゝは。合點の行かぬことなり。なるほ
Z14_0335A05: ど。死句なり。桶に水があれば。月影が浮び。水がなく
Z14_0335A06: なれば。月影もなしと云ふは。なるほど。能く聞へた
Z14_0335A07: る義理にて。不審も。相違もなき言なり。何ぞ此れを
Z14_0335A08: 活句と云ふべきや。橘の皇后の歌。こゝにたく火の煙
Z14_0335A09: りが。もろこしの。山のあなたに。雲とたつと云ふは。
Z14_0335A10: 合點の行かぬこと。道理のなきこと。相違せることな
Z14_0335A11: り。よつて。活句と云ふなり。大風の時の。大火事にて
Z14_0335A12: も。纔かに二三十里ならでは。煙は勿論。燒け灰も。飛
Z14_0335A13: び行かぬなり。火事でもなき。こゝに燒く火が。千萬
Z14_0335A14: 里を隔てたる。唐の山のあなたに。煙となりて。たつ
Z14_0335A15: べき樣は。決定して。なきことなり。それゆへ。活句と
Z14_0335A16: 云ふなり。なにと合點して。千代野が歌も。皇后の歌
Z14_0335A17: も。同じ樣に。心得らるゝや。活句と云。言句計りを覺
Z14_0335B01: へて。義理を知られぬゆへに非ずや。 緣影の無體。
Z14_0335B02: 本心の無相は。猶これ。水のたまりたる光景にて。幻
Z14_0335B03: 華の無明なり。此書き樣。さても麤き云分かな。事
Z14_0335B04: 理の分ち。能修の人。所修の理の差別を。曾て知られ
Z14_0335B05: ぬ云ひ分なり。緣影の無體。本心の無相と云ふは。理
Z14_0335B06: を語る言なり。水のたまり。たまらぬと云ふは。行人
Z14_0335B07: の方より。云ふことなり。なにとて。事理を分たず。
Z14_0335B08: 修性を分たず。麤きことを云はるゝや。如此混亂し
Z14_0335B09: たることを。云はるれども。彼の人紛らかさるゝと
Z14_0335B10: は。此方には。思はぬなり。彼の人の。學問麤き故と。
Z14_0335B11: 此方には。能く見わくるなり。彼の人などは。見分る
Z14_0335B12: ことが。ならざる故。此方の云ふことを。紛らかすと
Z14_0335B13: 云はるゝなり。古人は。本來覺性。不有無。若說
Z14_0335B14: 有無。皆不幻と。の玉へり。 此語は。誰れの語や
Z14_0335B15: ら知らず。前後を見ざれば。强ひて評じがたけれど
Z14_0335B16: も。餘り至極せぬ論なり。覺性は。有無に屬せぬ計り
Z14_0335B17: にてはなし。中邊にも。屬せぬなり。又說く計りが。幻

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