浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0335A01: | 活語中一活上。而不下肯向二死語中一死上。其亦俊矣。爾如肯向二 |
Z14_0335A02: | 死語中一死去。久之死中忽自活。將見レ不レ勝二其活一矣。 |
Z14_0335A03: | 右の兩文。死句活句の定り。分明なり。千代野が歌を。 |
Z14_0335A04: | 活句と云はるゝは。合點の行かぬことなり。なるほ |
Z14_0335A05: | ど。死句なり。桶に水があれば。月影が浮び。水がなく |
Z14_0335A06: | なれば。月影もなしと云ふは。なるほど。能く聞へた |
Z14_0335A07: | る義理にて。不審も。相違もなき言なり。何ぞ此れを |
Z14_0335A08: | 活句と云ふべきや。橘の皇后の歌。こゝにたく火の煙 |
Z14_0335A09: | りが。もろこしの。山のあなたに。雲とたつと云ふは。 |
Z14_0335A10: | 合點の行かぬこと。道理のなきこと。相違せることな |
Z14_0335A11: | り。よつて。活句と云ふなり。大風の時の。大火事にて |
Z14_0335A12: | も。纔かに二三十里ならでは。煙は勿論。燒け灰も。飛 |
Z14_0335A13: | び行かぬなり。火事でもなき。こゝに燒く火が。千萬 |
Z14_0335A14: | 里を隔てたる。唐の山のあなたに。煙となりて。たつ |
Z14_0335A15: | べき樣は。決定して。なきことなり。それゆへ。活句と |
Z14_0335A16: | 云ふなり。なにと合點して。千代野が歌も。皇后の歌 |
Z14_0335A17: | も。同じ樣に。心得らるゝや。活句と云。言句計りを覺 |
Z14_0335B01: | へて。義理を知られぬゆへに非ずや。 緣影の無體。 |
Z14_0335B02: | 本心の無相は。猶これ。水のたまりたる光景にて。幻 |
Z14_0335B03: | 華の無明なり。此書き樣。さても麤き云分かな。事 |
Z14_0335B04: | 理の分ち。能修の人。所修の理の差別を。曾て知られ |
Z14_0335B05: | ぬ云ひ分なり。緣影の無體。本心の無相と云ふは。理 |
Z14_0335B06: | を語る言なり。水のたまり。たまらぬと云ふは。行人 |
Z14_0335B07: | の方より。云ふことなり。なにとて。事理を分たず。 |
Z14_0335B08: | 修性を分たず。麤きことを云はるゝや。如レ此混亂し |
Z14_0335B09: | たることを。云はるれども。彼の人紛らかさるゝと |
Z14_0335B10: | は。此方には。思はぬなり。彼の人の。學問麤き故と。 |
Z14_0335B11: | 此方には。能く見わくるなり。彼の人などは。見分る |
Z14_0335B12: | ことが。ならざる故。此方の云ふことを。紛らかすと |
Z14_0335B13: | 云はるゝなり。古人は。本來覺性。不レ屬二有無一。若說二 |
Z14_0335B14: | 有無一。皆不レ離レ幻と。の玉へり。 此語は。誰れの語や |
Z14_0335B15: | ら知らず。前後を見ざれば。强ひて評じがたけれど |
Z14_0335B16: | も。餘り至極せぬ論なり。覺性は。有無に屬せぬ計り |
Z14_0335B17: | にてはなし。中邊にも。屬せぬなり。又說く計りが。幻 |