浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0334A01: | じきことなり。世間の人の。咄。挨拶にも。慮外ながら |
Z14_0334A02: | と云ふて。云ふことは。慮外にならぬなり。入らぬ註 |
Z14_0334A03: | 釋なれどもと云ふて。云ひたることなれば。合點のよ |
Z14_0334A04: | き禪者は。禪を知らずとは。云ふまじきことなり。況 |
Z14_0334A05: | や活句に。義理を付たるにてはなし。只だ是れ千代野 |
Z14_0334A06: | が悟處を。此方より。さばきたることなれば。無理を |
Z14_0334A07: | 云はぬ禪者は。禪の投機の處を知らずとは。云ふまじ |
Z14_0334A08: | きことなり。彼の人の論は。學問麤きゆへ殊の外。無 |
Z14_0334A09: | 理なる論なり。自繩自縳。常には。無繩自縳と云ふ |
Z14_0334A10: | なり。自繩と云ふこともありや。博學ならぬゆへ。知 |
Z14_0334A11: | らぬなり。自繩と云ふは。他繩に揀ひたる言なるべ |
Z14_0334A12: | し。然らば。此繩は。世間の事の繩なるべし。無繩と云 |
Z14_0334A13: | ふとは。違ひたれば。不審。活句に。義理〓付けぬと |
Z14_0334A14: | 云ふことを。知られなば。など六塵緣影の。實體なき |
Z14_0334A15: | ことを知ると云。義理を付けらるゝや。若しこの活句 |
Z14_0334A16: | に。義理を付けられば。復何ぞ林氏を斥はん。此云 |
Z14_0334A17: | ひ分。亦死句。活句の言句計りを覺へて。義理を合點 |
Z14_0334B01: | せられぬこと。顯れたり。文盲なることなり。去れど |
Z14_0334B02: | も。死句。活句のことは。禪者と云へども。心得損ずる |
Z14_0334B03: | あり。死句。活句は。句によるに非ず。引用する處にあ |
Z14_0334B04: | りと計り。心得る人あり。不レ然。成程用ひ樣によつて。 |
Z14_0334B05: | 死句が活句にもなり。活句が死句にもなることあれ |
Z14_0334B06: | ども。死句活句は。本と定まりたるものなり。譬へば |
Z14_0334B07: | 毒と藥とは。定りたるものなれども。良醫の用ひ樣に |
Z14_0334B08: | よつて。大毒が藥になり。瀉藥が補藥になるが如し。 |
Z14_0334B09: | 此こと。余が先頃著はせる。二師禪論に。委細に辨じ |
Z14_0334B10: | 置けり。其中のことを。今略して之を出す。死句活句 |
Z14_0334B11: | と云ふは。昔先師の被レ申候は。意路不レ通。無二義味一句 |
Z14_0334B12: | を。活句と云ふなり。義味有りて。意路の通ずる語を。 |
Z14_0334B13: | 死句と云ふなりと。云はれたり。其後禪錄どもを見る |
Z14_0334B14: | に。其通りなり。林間錄上の廿八云。洞山初禪師云。語中 |
Z14_0334B15: | 有レ語。名爲二死句一。語中無レ語。名爲二活句一 山房夜話下 |
Z14_0334B16: | 云。或問。諸方說法。無二義路與レ人尋討一。乃活語也。子 |
Z14_0334B17: | 所レ說者。皆實法繫レ人。無乃死語乎。余曰。爾擬下於二諸方 |