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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0334A01: じきことなり。世間の人の。咄。挨拶にも。慮外ながら
Z14_0334A02: と云ふて。云ふことは。慮外にならぬなり。入らぬ註
Z14_0334A03: 釋なれどもと云ふて。云ひたることなれば。合點のよ
Z14_0334A04: き禪者は。禪を知らずとは。云ふまじきことなり。況
Z14_0334A05: や活句に。義理を付たるにてはなし。只だ是れ千代野
Z14_0334A06: が悟處を。此方より。さばきたることなれば。無理を
Z14_0334A07: 云はぬ禪者は。禪の投機の處を知らずとは。云ふまじ
Z14_0334A08: きことなり。彼の人の論は。學問麤きゆへ殊の外。無
Z14_0334A09: 理なる論なり。自繩自縳。常には。無繩自縳と云ふ
Z14_0334A10: なり。自繩と云ふこともありや。博學ならぬゆへ。知
Z14_0334A11: らぬなり。自繩と云ふは。他繩に揀ひたる言なるべ
Z14_0334A12: し。然らば。此繩は。世間の事の繩なるべし。無繩と云
Z14_0334A13: ふとは。違ひたれば。不審。活句に。義理〓付けぬと
Z14_0334A14: 云ふことを。知られなば。など六塵緣影の。實體なき
Z14_0334A15: ことを知ると云。義理を付けらるゝや。若しこの活句
Z14_0334A16: に。義理を付けられば。復何ぞ林氏を斥はん。此云
Z14_0334A17: ひ分。亦死句。活句の言句計りを覺へて。義理を合點
Z14_0334B01: せられぬこと。顯れたり。文盲なることなり。去れど
Z14_0334B02: も。死句。活句のことは。禪者と云へども。心得損ずる
Z14_0334B03: あり。死句。活句は。句によるに非ず。引用する處にあ
Z14_0334B04: りと計り。心得る人あり。不然。成程用ひ樣によつて。
Z14_0334B05: 死句が活句にもなり。活句が死句にもなることあれ
Z14_0334B06: ども。死句活句は。本と定まりたるものなり。譬へば
Z14_0334B07: 毒と藥とは。定りたるものなれども。良醫の用ひ樣に
Z14_0334B08: よつて。大毒が藥になり。瀉藥が補藥になるが如し。
Z14_0334B09: 此こと。余が先頃著はせる。二師禪論に。委細に辨じ
Z14_0334B10: 置けり。其中のことを。今略して之を出す。死句活句
Z14_0334B11: と云ふは。昔先師の被申候は。意路不通。無義味
Z14_0334B12: を。活句と云ふなり。義味有りて。意路の通ずる語を。
Z14_0334B13: 死句と云ふなりと。云はれたり。其後禪錄どもを見る
Z14_0334B14: に。其通りなり。林間錄上の廿八云。洞山初禪師云。語中
Z14_0334B15: 語。名爲死句。語中無語。名爲活句 山房夜話下
Z14_0334B16: 云。或問。諸方說法。無義路與人尋討。乃活語也。子
Z14_0334B17: 說者。皆實法繫人。無乃死語乎。余曰。爾擬諸方

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