浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0330A01: | 替らぬことなりと。云ふなり。何ぞ必ずしも。本地。權 |
Z14_0330A02: | 者を貴んや。台家には。權は必ず實を引と云ひて。權 |
Z14_0330A03: | 者のしわざは。皆實者を引んが爲。實者の手本となら |
Z14_0330A04: | んが爲と云。因て荆溪は。若實行不レ疾。權行徒引と。 |
Z14_0330A05: | 釋し玉へり。高位。權者は。凡夫の例にならずと推し |
Z14_0330A06: | のくるは。敎家の心にも。禪家の心にも。叶はぬ。文盲 |
Z14_0330A07: | なる沙汰なり。又輔行。二の四の十二世人多迷二權跡之意一。 |
Z14_0330A08: | 凡諸勝行。咸撥爲レ權。若如レ此者。諸菩薩行。事同二虛構一。 |
Z14_0330A09: | 只緣二實惡者墜。改惡者升一。是故聖人。示二爲升墜一。令二實 |
Z14_0330A10: | 行者。改レ惡從一レ善とあり。よく見られよ。 高位。權者 |
Z14_0330A11: | は。平凡夫の例にならずと。をしのくるは。一向の愚 |
Z14_0330A12: | 痴無智の。尼入道に。事の念佛を。勸むる爲にはなる |
Z14_0330A13: | ことも。あるべきか。志ある。眞正學佛の者の。云ふべ |
Z14_0330A14: | きことにては。曾てなきなり。學佛の者計りに非ず。 |
Z14_0330A15: | 儒者も同じことなり。顏回は。舜何人也。予何人也。 |
Z14_0330A16: | 有レ爲者亦若レ是と。云へり。孟子は。人皆可三以爲二堯舜一 |
Z14_0330A17: | と。云へり。堯舜は。儒者の究竟妙覺なり。それを。何 |
Z14_0330B01: | 人ぞやと云ひ。人々皆堯舜にならるゝと。敎ゆるな |
Z14_0330B02: | り。世出世ともに。能き人を。凡人の例にはせられず |
Z14_0330B03: | と云ふ敎へは。なきことなり。彼の人などは。知つて |
Z14_0330B04: | をらるべき。ことなれども。とにもかくにも。尼入道 |
Z14_0330B05: | を。大切にする。淨土宗だけにて。無識なることを。恥 |
Z14_0330B06: | 敷氣もなく。云はるゝなり。殊勝なる心入れと。云ふ |
Z14_0330B07: | べきか。文盲なる心底と。云ふべきか。龍女は。實は |
Z14_0330B08: | 圓の初住にて。 此れは。道理にかゝりたることに。 |
Z14_0330B09: | あらねば。不案內なるも。苦しからねども。相違せる |
Z14_0330B10: | ことなり。龍女は。於前三敎。久已修學と云ひ。前習方 |
Z14_0330B11: | 便とも云つて。舊とは前三敎の人にして。圓人にては |
Z14_0330B12: | なし。文殊通經の言下に。悟りを開いた時が。初めて |
Z14_0330B13: | 圓の初住の內證なり。今權化と云ひて。其本を云はる |
Z14_0330B14: | ゝとき。圓の初住と云はるゝは。相違なることなり。 |
Z14_0330B15: | 今日の犬猫などの。悟りを開く。手本とは。ならず。 |
Z14_0330B16: | 此云ひ分は。いかゞなれども。略して難ぜず。如レ是 |
Z14_0330B17: | 三賢十聖の御身なれば。事理兼修なさるゝが。尤のこ |