浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0329A01: | むと。 此說の心。天台家の。六卽の位のことを。曾て |
Z14_0329A02: | 合點せられぬ。云ひ分なり。總じて。台家禪家のこと |
Z14_0329A03: | など。出さるゝは。但だ言句を覺へたる計りにて。意 |
Z14_0329A04: | を得られぬと。見ゆるなり。台家のことの違ひは。台 |
Z14_0329A05: | 徒は。一向に請け取るまじきゆへ。害になるまじき |
Z14_0329A06: | が。淨土家の。彼の人位の學者は。信受して。邪解の種 |
Z14_0329A07: | 子を。本識に薰ぜんことの。笑止さよ。 六卽の階級 |
Z14_0329A08: | を捨て置く。此れは。なにとして。云はるゝや。談義 |
Z14_0329A09: | 本の始終。六卽の意。分明なり。根本なる。是心作佛。 |
Z14_0329A10: | 是心是佛の文。已に六卽の意なり。是心作佛は。六の |
Z14_0329A11: | 邊なり。是心是佛は。卽の方なり。此れ已に六卽なる |
Z14_0329A12: | ゆへ。此れを根本としたる談義本。始終六卽の義。歷 |
Z14_0329A13: | 然なり。但し悟道したる人を。今日の平凡夫の例に |
Z14_0329A14: | するは。迷悟の位。分れぬと云ふ心か。如レ此云はるゝ |
Z14_0329A15: | は。六卽の心を。曾てしられぬ。云分なり。六卽の心 |
Z14_0329A16: | は。止觀一の五二十六若智信具足。聞二一念卽是一。信故不レ謗。智 |
Z14_0329A17: | 故不レ懼。初後皆是。若無レ信。高推二聖境一。非二己智分一。若 |
Z14_0329B01: | 無レ智。起二增上慢一。謂二己均一レ佛。初後俱非。爲二此事一故。 |
Z14_0329B02: | 須レ知二六卽一と。あり。暗證の禪師の。謂己均佛の見に |
Z14_0329B03: | も落ちず。文字の法師の。高推聖境の見にも落ちざる |
Z14_0329B04: | が。六卽なり。彼人の云ひ分は。高推二聖境一。非二己智分一 |
Z14_0329B05: | と思ふ。文字の法師の合點にて。六にして卽なること |
Z14_0329B06: | を。知らぬ謬りなり。六卽の名言計りを覺へて。六卽 |
Z14_0329B07: | の義理を知られぬこと。明かに見へたるに非ずや。 |
Z14_0329B08: | さて高位の人。權者などは。凡夫の例。實者の手本に |
Z14_0329B09: | は。ならずと云。段々の心なり。此れ文盲なる論なり。 |
Z14_0329B10: | 日本人も。唐人も。無識なる人は。本地ありの。權者な |
Z14_0329B11: | りのと云ふことを貴んで。能く云ひたがるなり。見識 |
Z14_0329B12: | ある人は。氣の毒がることなり。先師も。日本の祖師 |
Z14_0329B13: | 達は。皆本が高くてと云て。氣の毒がられたることあ |
Z14_0329B14: | り。曇橘州は。或謂祖師皆賢聖中來。是使二凡夫無一レ分 |
Z14_0329B15: | と。なげかれたり。禪家の能く云ふことに。釋迦。彌 |
Z14_0329B16: | 勒。初無二所長一。只是個能立二志願一底凡夫耳とて。究竟 |
Z14_0329B17: | 極佛の釋迦。彌勒も。本はみな麤凡夫なり。今人と。相 |