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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0329A01: むと。 此說の心。天台家の。六卽の位のことを。曾て
Z14_0329A02: 合點せられぬ。云ひ分なり。總じて。台家禪家のこと
Z14_0329A03: など。出さるゝは。但だ言句を覺へたる計りにて。意
Z14_0329A04: を得られぬと。見ゆるなり。台家のことの違ひは。台
Z14_0329A05: 徒は。一向に請け取るまじきゆへ。害になるまじき
Z14_0329A06: が。淨土家の。彼の人位の學者は。信受して。邪解の種
Z14_0329A07: 子を。本識に薰ぜんことの。笑止さよ。 六卽の階級
Z14_0329A08: を捨て置く。此れは。なにとして。云はるゝや。談義
Z14_0329A09: 本の始終。六卽の意。分明なり。根本なる。是心作佛。
Z14_0329A10: 是心是佛の文。已に六卽の意なり。是心作佛は。六の
Z14_0329A11: 邊なり。是心是佛は。卽の方なり。此れ已に六卽なる
Z14_0329A12: ゆへ。此れを根本としたる談義本。始終六卽の義。歷
Z14_0329A13: 然なり。但し悟道したる人を。今日の平凡夫の例に
Z14_0329A14: するは。迷悟の位。分れぬと云ふ心か。如此云はるゝ
Z14_0329A15: は。六卽の心を。曾てしられぬ。云分なり。六卽の心
Z14_0329A16: は。止觀一の五二十六若智信具足。聞一念卽是。信故不謗。智
Z14_0329A17: 故不懼。初後皆是。若無信。高推聖境。非己智分。若
Z14_0329B01: 智。起增上慢。謂己均一レ佛。初後俱非。爲此事故。
Z14_0329B02: 六卽と。あり。暗證の禪師の。謂己均佛の見に
Z14_0329B03: も落ちず。文字の法師の。高推聖境の見にも落ちざる
Z14_0329B04: が。六卽なり。彼人の云ひ分は。高推聖境。非己智分
Z14_0329B05: と思ふ。文字の法師の合點にて。六にして卽なること
Z14_0329B06: を。知らぬ謬りなり。六卽の名言計りを覺へて。六卽
Z14_0329B07: の義理を知られぬこと。明かに見へたるに非ずや。
Z14_0329B08: さて高位の人。權者などは。凡夫の例。實者の手本に
Z14_0329B09: は。ならずと云。段々の心なり。此れ文盲なる論なり。
Z14_0329B10: 日本人も。唐人も。無識なる人は。本地ありの。權者な
Z14_0329B11: りのと云ふことを貴んで。能く云ひたがるなり。見識
Z14_0329B12: ある人は。氣の毒がることなり。先師も。日本の祖師
Z14_0329B13: 達は。皆本が高くてと云て。氣の毒がられたることあ
Z14_0329B14: り。曇橘州は。或謂祖師皆賢聖中來。是使凡夫無一レ
Z14_0329B15: と。なげかれたり。禪家の能く云ふことに。釋迦。彌
Z14_0329B16: 勒。初無所長。只是個能立志願底凡夫耳とて。究竟
Z14_0329B17: 極佛の釋迦。彌勒も。本はみな麤凡夫なり。今人と。相

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