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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0328A01: 呼。今談の說禪は。いつでも說敎となる。その談義本
Z14_0328A02: と云ふは。まことなるかな。
Z14_0328A03: 無相空寂と云○無相空寂なるべし。此も。あしき合
Z14_0328A04: 點に候。旣に藏通別圓の。敎外に在て。そこのぬけし
Z14_0328A05: 桶を。通敎のそこじや歟。別敎の桶じや歟とは。何と
Z14_0328A06: したる寢言ぞや。千代野若しこれを。大寂定中に聞か
Z14_0328A07: ば。さても敎下に。死在せらるゝ。鈍な人かなと。笑ふ
Z14_0328A08: べし。 さて千代野は。敎外の悟りなれば。敎者など
Z14_0328A09: の。折め正しく。禮儀三百。威儀三千の法を設け。上下
Z14_0328A10: 混ぜぬ樣にとて。君臣凡聖を分ち。位を定て修行する
Z14_0328A11: 悟りとは。大に殊なり。故に禪家は兎も角も。若し敎
Z14_0328A12: 家より。これを勘辨せば。千代野などは。六卽を以て
Z14_0328A13: 定めぬことなれば。其悟りの程が。凡じややら。聖じ
Z14_0328A14: ややら。しかとは極め難し。譬へば。種姓のしれぬ。山
Z14_0328A15: がつが。殿上の政務を。語るが如し。咄を聞けば。殿上
Z14_0328A16: のことなれども。いかにしても。種姓が知れぬ程に。
Z14_0328A17: 一の人。左右の大臣とも。云れず。又檢非違使。藏人と
Z14_0328B01: も。申されねば。たゞ山がつの事知りと。名け置が如
Z14_0328B02: し。かの馬鳴。龍樹。南岳。天台等の如き。みな次位を
Z14_0328B03: 知て。悟り玉へるは。譬へば。種姓の知れたる顯官の。
Z14_0328B04: 本職の政事を。語るが如し。故に其位。或は五品。十
Z14_0328B05: 信。初地。八地なんど。明かに知るゝなり。千代野など
Z14_0328B06: は。彼の山がつの事知りにて。そこのぬけたる。咄は
Z14_0328B07: すれども。其位は知れ難し。因て前に。禪人格外の鈐
Z14_0328B08: 鎚などは。次位を立る。修行の例に。なりかぬべしと
Z14_0328B09: 云るは。是のことなり。よく〱了知すべし。如
Z14_0328B10: なれば○能く悟るものなり。 貴女の思惟。橘后。賤
Z14_0328B11: 婦の千代野。文盲なる男の。からうすふみ。獵人とは。
Z14_0328B12: 思はるれど。思惟は。初地の大菩薩にて。餘はみな。敎
Z14_0328B13: 外の悟りなれば。敎內にて。愚人を勸る例には。一向
Z14_0328B14: とり合ぬこと上の如し。辨僞にも。此心あるゆへ。
Z14_0328B15: 或問に。委細に辨じ度。思ひしかども。長くなるゆへ。
Z14_0328B16: 略したり。因て今此說を。序に辨ぜん。 六卽の階級
Z14_0328B17: をば。捨て置きつゝ。漫りに。今日の平凡夫の。例にせ

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