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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0327A01: して。今日十惡具足の者を勸める。手鑑に出さるゝこ
Z14_0327A02: と。さて〱不思議なる。思ひ入かな。 六祖大師は
Z14_0327A03: ○大祖師となれり。此れより下。無相空寂なるべし
Z14_0327A04: までは。敎外の大機大用を出せり。凡そ禪と敎とは。
Z14_0327A05: 悟道の處は。各々言語道斷なれば。一異いひ難し。但
Z14_0327A06: し其入門は。大に殊なり。故に禪流の。卽心是佛の頓
Z14_0327A07: 旨は。更に次第方便をからざれば。直下に承當す。敎
Z14_0327A08: 家の六卽を明して。天然の彌勒なき證入とは。天かに
Z14_0327A09: 別なり。されば。禪流の無修無證の。悟りと云者を以
Z14_0327A10: ては。敎家の位次を定る。修行の例と。せられぬなり。
Z14_0327A11: 今談。か樣のわけを。すきと呑み込れず。たゞ賤き者
Z14_0327A12: にても。悟れば悟らるゝと云。證據にのみ。心があり
Z14_0327A13: て。六卽を立る敎者には。龜を證して鱉と成す。決し
Z14_0327A14: て不相應のことなりと云ふ處に。氣がつかれぬなり。
Z14_0327A15: さて。からうすふみの中にても。本性を見しは。たゞ
Z14_0327A16: 盧行者一人なり。かりびとの中にても。自射を合點せ
Z14_0327A17: しは。たゞ鞏慧藏一人のみ。かく稀代の。大祖師とな
Z14_0327B01: る。上根利智の人を以て。末世の愚痴無智の者の。指
Z14_0327B02: 南とせらるゝ段。不審なり。かるき病に。重き藥をあ
Z14_0327B03: たゆる。下手醫者にてはなしや。日本の橘皇后は○義
Z14_0327B04: 理の付けられぬことなり。檀林皇后は。已に頓旨を發
Z14_0327B05: 明し玉ひて。義空禪師。弘法大師などゝ。等伍をなせ
Z14_0327B06: る。再來の人なり。況や生ては學舘をたて。崩じては
Z14_0327B07: 中野にすつ。是また凡人の境界に非ず。何ぞ罪障深重
Z14_0327B08: なる者の。例とすべけんや。千代野○前の通りの歌
Z14_0327B09: なり。此女の悟り。奇特なり。なを下にて云はん。
Z14_0327B10: 此歌の意は○合點したるなるべし。禪宗の嫌ひは。
Z14_0327B11: 姑く置て。まづ自繩自縛せられたり。何ぞや。活句に
Z14_0327B12: 義理を付けぬと。云ふことを知られなば。など六塵緣
Z14_0327B13: 影の。實體なきを知ると云。義理を付らるゝや。若し
Z14_0327B14: この活句に。義理を付られば。復何ぞ林氏を斥はん。
Z14_0327B15: 況や緣影の無體。本心の無相は。猶これ水のたまり
Z14_0327B16: たる光景にて。幻華の無明なり。故に古人は。本來覺
Z14_0327B17: 性。不有無。若說有無。皆不幻と。の玉へり。嗚

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