浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0327A01: | して。今日十惡具足の者を勸める。手鑑に出さるゝこ |
Z14_0327A02: | と。さて〱不思議なる。思ひ入かな。 六祖大師は |
Z14_0327A03: | ○大祖師となれり。此れより下。無相空寂なるべし |
Z14_0327A04: | までは。敎外の大機大用を出せり。凡そ禪と敎とは。 |
Z14_0327A05: | 悟道の處は。各々言語道斷なれば。一異いひ難し。但 |
Z14_0327A06: | し其入門は。大に殊なり。故に禪流の。卽心是佛の頓 |
Z14_0327A07: | 旨は。更に次第方便をからざれば。直下に承當す。敎 |
Z14_0327A08: | 家の六卽を明して。天然の彌勒なき證入とは。天かに |
Z14_0327A09: | 別なり。されば。禪流の無修無證の。悟りと云者を以 |
Z14_0327A10: | ては。敎家の位次を定る。修行の例と。せられぬなり。 |
Z14_0327A11: | 今談。か樣のわけを。すきと呑み込れず。たゞ賤き者 |
Z14_0327A12: | にても。悟れば悟らるゝと云。證據にのみ。心があり |
Z14_0327A13: | て。六卽を立る敎者には。龜を證して鱉と成す。決し |
Z14_0327A14: | て不相應のことなりと云ふ處に。氣がつかれぬなり。 |
Z14_0327A15: | さて。からうすふみの中にても。本性を見しは。たゞ |
Z14_0327A16: | 盧行者一人なり。かりびとの中にても。自射を合點せ |
Z14_0327A17: | しは。たゞ鞏慧藏一人のみ。かく稀代の。大祖師とな |
Z14_0327B01: | る。上根利智の人を以て。末世の愚痴無智の者の。指 |
Z14_0327B02: | 南とせらるゝ段。不審なり。かるき病に。重き藥をあ |
Z14_0327B03: | たゆる。下手醫者にてはなしや。日本の橘皇后は○義 |
Z14_0327B04: | 理の付けられぬことなり。檀林皇后は。已に頓旨を發 |
Z14_0327B05: | 明し玉ひて。義空禪師。弘法大師などゝ。等伍をなせ |
Z14_0327B06: | る。再來の人なり。況や生ては學舘をたて。崩じては |
Z14_0327B07: | 中野にすつ。是また凡人の境界に非ず。何ぞ罪障深重 |
Z14_0327B08: | なる者の。例とすべけんや。千代野○前の通りの歌 |
Z14_0327B09: | なり。此女の悟り。奇特なり。なを下にて云はん。 |
Z14_0327B10: | 此歌の意は○合點したるなるべし。禪宗の嫌ひは。 |
Z14_0327B11: | 姑く置て。まづ自繩自縛せられたり。何ぞや。活句に |
Z14_0327B12: | 義理を付けぬと。云ふことを知られなば。など六塵緣 |
Z14_0327B13: | 影の。實體なきを知ると云。義理を付らるゝや。若し |
Z14_0327B14: | この活句に。義理を付られば。復何ぞ林氏を斥はん。 |
Z14_0327B15: | 況や緣影の無體。本心の無相は。猶これ水のたまり |
Z14_0327B16: | たる光景にて。幻華の無明なり。故に古人は。本來覺 |
Z14_0327B17: | 性。不レ屬二有無一。若說二有無一。皆不レ離レ幻と。の玉へり。嗚 |