浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0326A01: | に口決を授け玉ふを。感得せり。卽ち淨家の僧に向て |
Z14_0326A02: | 說くに。淨家の僧の云く。我家に傳ふる所と。只だ一 |
Z14_0326A03: | と事違ひたれども。此方の傳へは。年久しきことな |
Z14_0326A04: | れば。傳へあやまりたることも。あるべし。直に彌陀 |
Z14_0326A05: | 尊の夢吿なれば。疑ひなきことなり。難レ有義なりと。 |
Z14_0326A06: | 感歎せり。右の傳へを。拙納なども。昔傳へたり。夫れ |
Z14_0326A07: | に付て。少し不審もあれども。又通じ樣も。あること |
Z14_0326A08: | なり。此に記すに及ばず。 |
Z14_0326A09: | 彼の書に又云。さて當段は。次下に。別の譯にて。悟道 |
Z14_0326A10: | したる。貴賤男女の。事跡をあげ。六卽の階級をば。捨 |
Z14_0326A11: | て置きつゝ。漫りに今日の。平凡夫の例にせむと。ひ |
Z14_0326A12: | しめかるゝ序文にて。無智の俗子など。ざつとこれを |
Z14_0326A13: | 聞かば。甚だ惑ふべきことなれば。言の費をかへりみ |
Z14_0326A14: | ず。如レ是諫曉する者なり。昔の龍女○畜生なり。 |
Z14_0326A15: | 此は。夢中の邪味あり。さて。畜生の作佛といへば。 |
Z14_0326A16: | 況や。人をやと。心安樣に聞ゆれども。此龍女は。實は |
Z14_0326A17: | 圓の初住にて。南岳天台なども。及び玉はぬ權化なれ |
Z14_0326B01: | ば。今日の犬猫などの。悟りを開く。手本とはならず。 |
Z14_0326B02: | 又この龍女の作佛には。權實の論ありて。殊の外むづ |
Z14_0326B03: | かし。よく〱台家の。智者達に尋ぬべし。 觀經の |
Z14_0326B04: | 當機衆なる○女人なり。韋提大士。五百の侍女も。 |
Z14_0326B05: | 皆また常の凡倫には非ず。故に四明云。韋提本住二法 |
Z14_0326B06: | 身一。爲レ欲レ發二起淨土觀法一。故示二同凡一と。又云。多約二相 |
Z14_0326B07: | 似一明二發心位一と。是なり。如レ是三賢十聖の。御身なれ |
Z14_0326B08: | ば。事理兼修なさるゝか。尤のことなり。 さて又。上 |
Z14_0326B09: | の龍女と。此の韋提とは。何と思ふ心にて。いらなく |
Z14_0326B10: | 引れたるや。先づ龍女は。旣に智積菩薩さへ。疑ふ程 |
Z14_0326B11: | の稀有なる聖人なり。次に韋提は。淨土を開發し玉 |
Z14_0326B12: | ふ。法忍の薩埵なり。然ればこの二大菩薩は。女流に |
Z14_0326B13: | 居すと雖も。大丈夫も及ばざれば。百萬の中に。ひと |
Z14_0326B14: | りもなき。不可思議の境界なり。然るに古今の往生傳 |
Z14_0326B15: | に。稱名の行に依て。めだたく出離せし。僧俗貴賤男 |
Z14_0326B16: | 女。及び鳥獸の。唐日本かけて。夥敷ある靈驗をば。一 |
Z14_0326B17: | つも擧ず。さらずともと見ゆる。二大菩薩をば。牽强 |