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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0324A01: と云ふこと。三尺の童子も。大ひに可笑ことなり。淨
Z14_0324A02: 土家にては。此段を。如何樣にさばくや。又復可
Z14_0324A03: 驢之劣夫必不上レ空耶。
Z14_0324A04:   問安樂集にも。言の字。必の字の上にあるは。い
Z14_0324A05:   かん。答。其れにて。彌々略論は。日本人の文盲な
Z14_0324A06:   るが。僞作せるなるべしと思はる。其故は。安樂
Z14_0324A07:   集は。七喩ともに一例に。豈可得言と云。たゞ其
Z14_0324A08:   中の。第四の喩のみ。豈可得の次に。以劣夫之力
Z14_0324A09:   の句あつて。其次に。言の字あり。此言の字。前後
Z14_0324A10:   六つの例に。違がへる故。筆者の誤りなること。
Z14_0324A11:   分明なり。況や唐人のせまじき。顛倒なるをや。
Z14_0324A12:   此筆誤なることを。明らむること能はずして。略
Z14_0324A13:   論を僞作せる人が。其儘寫し出したるなるべし。
Z14_0324A14: 此言の字。顛倒なり。可の字の下にあるべし。一念何
Z14_0324A15: 河。此前後は。安樂集に出でたることなり。此句
Z14_0324A16: は。安樂集にはなし。不調法なる言を。加へたるなり。
Z14_0324A17: 怨賊が。刄を拔て。直に來て。殺さんとする。事急なる
Z14_0324B01: ゆへ。急に走りて。河を渡らんと。にげゆく人が。何れ
Z14_0324B02: の時か。河を渡ることを得んと。ひたすら思ふ樣な
Z14_0324B03: る。緩々としたる分別が。なにとしてあるべきや。縱
Z14_0324B04: ひあるにもせよ。加樣に書きては。前後の言の。はり
Z14_0324B05: あひが。あしくて。甚だ可笑しきなり。其外の。文字な
Z14_0324B06: どのあしきことは。長ければ略す。 さて又。往生論
Z14_0324B07: 註にあることを。處々拔き出して。何としたる益あり
Z14_0324B08: て。論註の外に。略論を作られたるや。其譯。聞へがた
Z14_0324B09: し。其上。略して出されたることの外に。肝要のこと。
Z14_0324B10: 深妙のこと。漏れたるが多し。なんの爲に。略論を作
Z14_0324B11: られたるや。甚だ不審なり。其上。下品下生の十念相
Z14_0324B12: 續のこと。論註と見合するに。略論は。肝要なること
Z14_0324B13: は脫て。餘り要緊ならぬことを。出したり。十念相續
Z14_0324B14: と云ふは。刹那の念にもせよ。無佗想の念にもせよ。
Z14_0324B15: 其念が。十徧つゞくを。十念相續と云ふこと。さのみ。
Z14_0324B16: 要緊なることにてなし。それをば出して。十念相續
Z14_0324B17: を。自ら知ることは。成り難きことと云ふは。なるほ

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