浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0324A01: | と云ふこと。三尺の童子も。大ひに可レ笑ことなり。淨 |
Z14_0324A02: | 土家にては。此段を。如何樣にさばくや。又復可下以二擲 |
Z14_0324A03: | 驢之劣夫一言中必不上レ能レ乘レ空耶。 |
Z14_0324A04: | 問安樂集にも。言の字。必の字の上にあるは。い |
Z14_0324A05: | かん。答。其れにて。彌々略論は。日本人の文盲な |
Z14_0324A06: | るが。僞作せるなるべしと思はる。其故は。安樂 |
Z14_0324A07: | 集は。七喩ともに一例に。豈可得言と云。たゞ其 |
Z14_0324A08: | 中の。第四の喩のみ。豈可得の次に。以劣夫之力 |
Z14_0324A09: | の句あつて。其次に。言の字あり。此言の字。前後 |
Z14_0324A10: | 六つの例に。違がへる故。筆者の誤りなること。 |
Z14_0324A11: | 分明なり。況や唐人のせまじき。顛倒なるをや。 |
Z14_0324A12: | 此筆誤なることを。明らむること能はずして。略 |
Z14_0324A13: | 論を僞作せる人が。其儘寫し出したるなるべし。 |
Z14_0324A14: | 此言の字。顛倒なり。可の字の下にあるべし。一念何 |
Z14_0324A15: | 當レ渡レ河。此前後は。安樂集に出でたることなり。此句 |
Z14_0324A16: | は。安樂集にはなし。不調法なる言を。加へたるなり。 |
Z14_0324A17: | 怨賊が。刄を拔て。直に來て。殺さんとする。事急なる |
Z14_0324B01: | ゆへ。急に走りて。河を渡らんと。にげゆく人が。何れ |
Z14_0324B02: | の時か。河を渡ることを得んと。ひたすら思ふ樣な |
Z14_0324B03: | る。緩々としたる分別が。なにとしてあるべきや。縱 |
Z14_0324B04: | ひあるにもせよ。加樣に書きては。前後の言の。はり |
Z14_0324B05: | あひが。あしくて。甚だ可笑しきなり。其外の。文字な |
Z14_0324B06: | どのあしきことは。長ければ略す。 さて又。往生論 |
Z14_0324B07: | 註にあることを。處々拔き出して。何としたる益あり |
Z14_0324B08: | て。論註の外に。略論を作られたるや。其譯。聞へがた |
Z14_0324B09: | し。其上。略して出されたることの外に。肝要のこと。 |
Z14_0324B10: | 深妙のこと。漏れたるが多し。なんの爲に。略論を作 |
Z14_0324B11: | られたるや。甚だ不審なり。其上。下品下生の十念相 |
Z14_0324B12: | 續のこと。論註と見合するに。略論は。肝要なること |
Z14_0324B13: | は脫て。餘り要緊ならぬことを。出したり。十念相續 |
Z14_0324B14: | と云ふは。刹那の念にもせよ。無佗想の念にもせよ。 |
Z14_0324B15: | 其念が。十徧つゞくを。十念相續と云ふこと。さのみ。 |
Z14_0324B16: | 要緊なることにてなし。それをば出して。十念相續 |
Z14_0324B17: | を。自ら知ることは。成り難きことと云ふは。なるほ |