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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0322A01: 明かに。人の命終は。散心。有心にして。無心。定心にて
Z14_0322A02: は。死なざるなり。定心にて死ぬる人もあれども。そ
Z14_0322A03: れは。定中にて死すべしと云。要期あるゆへなりと。
Z14_0322A04: あり。總じては。定心にては死なぬなり。了義燈四の本の三十七
Z14_0322A05: の譯。知られぬは。ほいなけれども。いかなることに
Z14_0322A06: 候やと。尋ねられたるは。尤もなり。大形の人が。知ら
Z14_0322A07: ぬことをも。知つたふりをする。ものなり。不知を不
Z14_0322A08: 知と。せらるゝ心入れ。よし。此心を。推し立てられた
Z14_0322A09: らば。後には。能き學者にならるべし。 臨終の在決
Z14_0322A10: 定は。罪惡無智の凡夫の。命𤍠識の。滅する節にて。觀
Z14_0322A11: 念も叶はず。先づ命𤍠と云こと。珍らし。諸家に。常
Z14_0322A12: に壽煗識とも。命煗識とも云ふなり。命𤍠識と云ふこ
Z14_0322A13: とも。ありや。煗と𤍠とは。大に違ひたるゆへ。不審に
Z14_0322A14: 思はる。世間にても。𤍠がさめたと云は。時疫など。快
Z14_0322A15: 氣のとき云ふ言ばなり。暖まりが。さめたと云は。死
Z14_0322A16: 人を。とりをさむるとき。云ふ言ばなり。さて臨終の
Z14_0322A17: 在決定は。愚癡無智の。命終る時にて。觀念も叶はず。
Z14_0322B01: さるを。深き入定出定などの意を以て。十疑の動念
Z14_0322B02: を了簡せらるゝは。いと鑿たることかとのこと。此
Z14_0322B03: れは麤忽千萬なる難なり。十疑論の文を。見られぬ。
Z14_0322B04: 樣なる云ひ分なり。臨終在定之心と云。次上に。但使
Z14_0322B05: 衆生。淨土業成者とあり。此れは見られぬか。十疑論
Z14_0322B06: は。平生淨業の成ずる人を。語りたるなり。それゆへ。
Z14_0322B07: 定の。動念のと。の玉へり。其上在決定のことは。
Z14_0322B08: 十疑論の第八の疑の處にあり。臨終在定の文は。第九
Z14_0322B09: の疑の處にあり。文段も違ひたるものを。一つに取り
Z14_0322B10: 合せて。云はるゝは麤忽千萬に非ずや。且又。談義本
Z14_0322B11: にも。十疑論の意を。斷り顯はしたれども。見ても。覺
Z14_0322B12: へられずと。見へたり。人の書きたるものを。ろくに
Z14_0322B13: 見もせず。所引の十疑論を。とくと合點もせずして。
Z14_0322B14: 妄難をせらるゝは。眞正爲法の論とは。思はれぬな
Z14_0322B15: り。四明も。稱彼佛名。心雖相續。終不見日
Z14_0322B16: 定心等と。の玉へり。此れは。麤忽と云段にてはな
Z14_0322B17: し。文盲なること。天台の論議者は。百題自在坊風と

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