浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z14_0322A01: | 明かに。人の命終は。散心。有心にして。無心。定心にて |
Z14_0322A02: | は。死なざるなり。定心にて死ぬる人もあれども。そ |
Z14_0322A03: | れは。定中にて死すべしと云。要期あるゆへなりと。 |
Z14_0322A04: | あり。總じては。定心にては死なぬなり。了義燈四の本の三十七右 |
Z14_0322A05: | の譯。知られぬは。ほいなけれども。いかなることに |
Z14_0322A06: | 候やと。尋ねられたるは。尤もなり。大形の人が。知ら |
Z14_0322A07: | ぬことをも。知つたふりをする。ものなり。不レ知を不レ |
Z14_0322A08: | 知と。せらるゝ心入れ。よし。此心を。推し立てられた |
Z14_0322A09: | らば。後には。能き學者にならるべし。 臨終の在決 |
Z14_0322A10: | 定は。罪惡無智の凡夫の。命𤍠識の。滅する節にて。觀 |
Z14_0322A11: | 念も叶はず。先づ命𤍠と云こと。珍らし。諸家に。常 |
Z14_0322A12: | に壽煗識とも。命煗識とも云ふなり。命𤍠識と云ふこ |
Z14_0322A13: | とも。ありや。煗と𤍠とは。大に違ひたるゆへ。不審に |
Z14_0322A14: | 思はる。世間にても。𤍠がさめたと云は。時疫など。快 |
Z14_0322A15: | 氣のとき云ふ言ばなり。暖まりが。さめたと云は。死 |
Z14_0322A16: | 人を。とりをさむるとき。云ふ言ばなり。さて臨終の |
Z14_0322A17: | 在決定は。愚癡無智の。命終る時にて。觀念も叶はず。 |
Z14_0322B01: | さるを。深き入定出定などの意を以て。十疑の動念 |
Z14_0322B02: | を了簡せらるゝは。いと鑿たることかとのこと。此 |
Z14_0322B03: | れは麤忽千萬なる難なり。十疑論の文を。見られぬ。 |
Z14_0322B04: | 樣なる云ひ分なり。臨終在定之心と云。次上に。但使二 |
Z14_0322B05: | 衆生。淨土業成一者とあり。此れは見られぬか。十疑論 |
Z14_0322B06: | は。平生淨業の成ずる人を。語りたるなり。それゆへ。 |
Z14_0322B07: | 在レ定の。動念のと。の玉へり。其上在決定のことは。 |
Z14_0322B08: | 十疑論の第八の疑の處にあり。臨終在定の文は。第九 |
Z14_0322B09: | の疑の處にあり。文段も違ひたるものを。一つに取り |
Z14_0322B10: | 合せて。云はるゝは麤忽千萬に非ずや。且又。談義本 |
Z14_0322B11: | にも。十疑論の意を。斷り顯はしたれども。見ても。覺 |
Z14_0322B12: | へられずと。見へたり。人の書きたるものを。ろくに |
Z14_0322B13: | 見もせず。所引の十疑論を。とくと合點もせずして。 |
Z14_0322B14: | 妄難をせらるゝは。眞正爲法の論とは。思はれぬな |
Z14_0322B15: | り。四明も。稱二彼佛名一。心雖二相續一。終不レ可レ類二見日 |
Z14_0322B16: | 定心一等と。の玉へり。此れは。麤忽と云段にてはな |
Z14_0322B17: | し。文盲なること。天台の論議者は。百題自在坊風と |