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Z1450 即心念仏談義本或問余説 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0321A01: ると云ふものにて。正しく十疑論を引けるに非ず。な
Z14_0321A02: にとて。十疑論を解すと云ふや。十疑論を引けるは。
Z14_0321A03: 正寂の註にこそ出でたれ。さて正寂の註は。論の意
Z14_0321A04: に合はぬなり。十疑論を引合するは。あしゝ。十世古
Z14_0321A05: 今。始終不當念の文などを。引合すべきことなり。
Z14_0321A06:   かく云ふ意は。論は。卽今念佛之心。便ち是れ當
Z14_0321A07:   來華池受生之時なりと云つて。心と。時との。違
Z14_0321A08:   ひたるものにて。云ひたるものなり。十疑論は。
Z14_0321A09:   臨終在定之心。卽ち是れ淨土受生之心。動念卽
Z14_0321A10:   是生淨土時なりと云つて。上の二句は。心と。心
Z14_0321A11:   と。同じものにて云ひ。下の一句は。動念の時が。
Z14_0321A12:   淨土に生ずる時なりと云つて。また同じものに
Z14_0321A13:   て云ひたるなり。然れば。同じものにて云ひた
Z14_0321A14:   るを引て。心と。時と違へるにて云ひたる論を
Z14_0321A15:   解するは。不都合なることなり。
Z14_0321A16: 初學能く思はれよ。二者臨終に約す○此は足菴の義
Z14_0321A17: なり。 足菴の義は。靈芝の疏の註なれば。靈芝と違
Z14_0321B01: はぬ筈なるに。なにとて。別義とせらるゝや。彼人。靈
Z14_0321B02: 芝の心を。心得そこなはれたるより。靈芝と同意なる
Z14_0321B03: を。別意としなして。足菴に過を。付らるゝなり。足
Z14_0321B04: 菴。此れは迷惑と。云はるべし。此二家。みな安樂義
Z14_0321B05: の。本說を見られざる故に。頗る依用しがたし。 此
Z14_0321B06: 云ひ分聞へず。二師俱に。安樂義を見ずとも。天台の
Z14_0321B07: 觀經の疏は。見たる人なり。文成印壞。坐金蓮而化生
Z14_0321B08: とあるを。見られたるからは。臨終在定の一文。何ぞ
Z14_0321B09: 解し誤るべきや。さて定心にて。死なずとは。此れ
Z14_0321B10: はいかなることに候や。此れは。博覽の人に。にあ
Z14_0321B11: わぬことを。問はるゝなり。俱舍。唯識。大小の定れる
Z14_0321B12: 法相なり。近來。淨土家には。別して俱舍。唯識學問は
Z14_0321B13: やりて。講釋なども。度々之有るからは。しられそう
Z14_0321B14: なことを。知られぬなり。俱舍頌世間品三之三死生唯捨受。
Z14_0321B15: 定無心二 論云。又此二時。唯散非定。要有心位。
Z14_0321B16: 必非無心。非在定心。有死生義 唯識論云。又契經
Z14_0321B17: 說。諸有情類。受生命終。必住散心。非無心定 此れ

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