浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0320A01: | しと。云ふやうなることなり。いかなる。初心の儒學者 |
Z14_0320A02: | にても。大いに笑ふべきことなり。論註などに。在心。 |
Z14_0320A03: | 在緣。在決定とあるは。なくて叶はぬ。在の字なり。此 |
Z14_0320A04: | れ乃ら下品下生の十念と。五逆十惡との。輕重を語る |
Z14_0320A05: | ゆへ。其輕重は。在レ心。在レ緣。在二決定一と云へるなり。臨 |
Z14_0320A06: | 終猛利決斷の心に。在決定と。在の字を加ふるは。な |
Z14_0320A07: | んの義理ありや。義理なき文字を。加るゆへ。甚だ可 |
Z14_0320A08: | 笑なることなり。彼の人。加樣の譯もなきことを。云 |
Z14_0320A09: | はるべき樣は。決定して。なきことなれども。加樣に |
Z14_0320A10: | 云はるゝは。とかく文盲なることは。誰れが上にも。 |
Z14_0320A11: | 多くあるものと。見へたり。 動念とは。卽ち安樂義 |
Z14_0320A12: | の。命斷の時にて。なるほど。時節は。同じことなれ |
Z14_0320A13: | ども。動念と云は。在定の反對なり。何ぞ異解すべき。 |
Z14_0320A14: | 且つ動念と云ふ言ばは。擧心動念とて。平生の上に |
Z14_0320A15: | も。用ゆる言ばなれば。命斷を。必ず動念とは。云ひ難 |
Z14_0320A16: | きことなり。十念纔かに動て。 此云分は。動念と |
Z14_0320A17: | 云は。十念を動ずと云ふ意と。見たるなり。十念を動 |
Z14_0320B01: | ずと云ふこと。終に見及ばず。聞き及ばぬことなり。 |
Z14_0320B02: | 可レ笑。古歌に。もろこしも。夢に見しかは。近かりき。 |
Z14_0320B03: | 思はぬ中ぞ。はるけかりけると。讀る意なるべし。 |
Z14_0320B04: | 此歌を。なにと云心にて。引かれたるや。不審なれど |
Z14_0320B05: | も。難ぜず。因て臈印夢遊の喩。甚だ明かなり。定 |
Z14_0320B06: | 散の定なれば。彌々明かなりと。此方には。存するな |
Z14_0320B07: | り。趙宋以來。十疑の文を解するに。其二家あり。一 |
Z14_0320B08: | 者平生に約す。此れ又譯もなきことを。云はるゝな |
Z14_0320B09: | り。十疑の文を解すと云はるゝ。解の字は。解了か。解 |
Z14_0320B10: | 說か。解釋かなるべし。何れにもせよ。彼の人の云は |
Z14_0320B11: | るゝ通りにては。靈芝。幽溪の說が甚だ相違せるこ |
Z14_0320B12: | とにて。曾て請取られぬことになるなり。已に明か |
Z14_0320B13: | に。臨終在定の心とあるに。平生に約すとは。なにと |
Z14_0320B14: | して云へるや。甚だ文に背きたる料簡なり。謂く若 |
Z14_0320B15: | し心性○時なりと。云云 此云ひ分は。幽溪の生無生 |
Z14_0320B16: | 論の意なり。靈芝の阿彌陀經の疏の意とは。違へり。 |
Z14_0320B17: | 幽溪の論も。又只十疑論の心に似たることを。云はる |