浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0038A01: | 大體に挨拶せは。老耄かとも云べけれども。實は自法 |
Z14_0038A02: | 愛染より。他宗を嫉む惡意よりなす所なるが故に。在 |
Z14_0038A03: | 家にて。一枚起請を拜覽せしには讃歎し。今は理持の |
Z14_0038A04: | 念佛と云ことを拵へて。淨人どもまで。念佛申す者 |
Z14_0038A05: | の。淨土宗を慕やふなるを。嫌はんとして。如レ此搤レ〓 |
Z14_0038A06: | 遊談。止訛に所レ謂る無慚愧等の穢名尤悉的中せり。 |
Z14_0038A07: | 𣵀槃經の乳加レ水賣とは。佛說に。佛說ならぬ凡夫の。 |
Z14_0038A08: | 私なる語を加えて。衆生を欺き誑すを云へるものな |
Z14_0038A09: | り。然るに善導法然の勸めは。無量壽經。阿彌陀經等 |
Z14_0038A10: | の佛說に依て。口稱念佛を勸め玉へば。此全く私の語 |
Z14_0038A11: | に非ず。何ぞ水を加ふと云はるゝや。況や大分加えた |
Z14_0038A12: | るとは何ことぞや。但し老漢には。無量壽經。阿彌陀 |
Z14_0038A13: | 經には。卽心念佛の旨を明さずと云はるれば。此兩經 |
Z14_0038A14: | も。大分佛說ならぬ水を加えたる經なるや。其水を加 |
Z14_0038A15: | えたるは。何れの文なるや。ききたし。もし此兩經。大 |
Z14_0038A16: | 分水を加るに非ずば。此兩經の佛說による善導法然 |
Z14_0038A17: | を。何ぞ妄りに大分水を加ふと破さるゝや。又老漢台 |
Z14_0038B01: | 宗綱要の中には。事持と云は。餘念を起さず。心を彌 |
Z14_0038B02: | 陀の名號にかけて。南無阿彌陀佛と唱るなり。此邊は |
Z14_0038B03: | 善導法然の勸めと。かはることなしといへり。かくの |
Z14_0038B04: | 如くに。事持の邊。善導法然の勸めとかはらずば。何 |
Z14_0038B05: | とて善導法然ばかりを大分水を加ふと破さるゝや。 |
Z14_0038B06: | もし善導法然の勸めが。大分水を加えたるに極らば。 |
Z14_0038B07: | それとかはらぬ天台四明も。皆々大分水を加えたる。 |
Z14_0038B08: | 誑惑人と云れんや。甚た信仰し難き妄談義なり。抑世 |
Z14_0038B09: | 尊一代の敎に。處々廣く念佛の功德を讃し。往々普く |
Z14_0038B10: | 彌陀の威神を歎し玉ふ。本願名號は。貴賤智愚を論ぜ |
Z14_0038B11: | ず。十四佛國の薩埵。在世の文殊普賢。佛滅後の龍樹 |
Z14_0038B12: | 天親より經道滅盡の時の衆生まで。信樂受持すれば |
Z14_0038B13: | 卽往生す。何を以の故に。此名號には。無上の功德を具 |
Z14_0038B14: | するが故に。唯一念の處に。大利を得ること。喩へば |
Z14_0038B15: | 百川千江。悉く海に歸し。七政衆星。共に北に拱が如 |
Z14_0038B16: | し。更に誰か其爾る所以を測量せん。所謂萬行衆善は |
Z14_0038B17: | 是を有上と名く。唯是一善。僅に一惡を滅し。一行只 |