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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0038A01: 大體に挨拶せは。老耄かとも云べけれども。實は自法
Z14_0038A02: 愛染より。他宗を嫉む惡意よりなす所なるが故に。在
Z14_0038A03: 家にて。一枚起請を拜覽せしには讃歎し。今は理持の
Z14_0038A04: 念佛と云ことを拵へて。淨人どもまで。念佛申す者
Z14_0038A05: の。淨土宗を慕やふなるを。嫌はんとして。如此搤
Z14_0038A06: 遊談。止訛に所謂る無慚愧等の穢名尤悉的中せり。
Z14_0038A07: 𣵀槃經の乳加水賣とは。佛說に。佛說ならぬ凡夫の。
Z14_0038A08: 私なる語を加えて。衆生を欺き誑すを云へるものな
Z14_0038A09: り。然るに善導法然の勸めは。無量壽經。阿彌陀經等
Z14_0038A10: の佛說に依て。口稱念佛を勸め玉へば。此全く私の語
Z14_0038A11: に非ず。何ぞ水を加ふと云はるゝや。況や大分加えた
Z14_0038A12: るとは何ことぞや。但し老漢には。無量壽經。阿彌陀
Z14_0038A13: 經には。卽心念佛の旨を明さずと云はるれば。此兩經
Z14_0038A14: も。大分佛說ならぬ水を加えたる經なるや。其水を加
Z14_0038A15: えたるは。何れの文なるや。ききたし。もし此兩經。大
Z14_0038A16: 分水を加るに非ずば。此兩經の佛說による善導法然
Z14_0038A17: を。何ぞ妄りに大分水を加ふと破さるゝや。又老漢台
Z14_0038B01: 宗綱要の中には。事持と云は。餘念を起さず。心を彌
Z14_0038B02: 陀の名號にかけて。南無阿彌陀佛と唱るなり。此邊は
Z14_0038B03: 善導法然の勸めと。かはることなしといへり。かくの
Z14_0038B04: 如くに。事持の邊。善導法然の勸めとかはらずば。何
Z14_0038B05: とて善導法然ばかりを大分水を加ふと破さるゝや。
Z14_0038B06: もし善導法然の勸めが。大分水を加えたるに極らば。
Z14_0038B07: それとかはらぬ天台四明も。皆々大分水を加えたる。
Z14_0038B08: 誑惑人と云れんや。甚た信仰し難き妄談義なり。抑世
Z14_0038B09: 尊一代の敎に。處々廣く念佛の功德を讃し。往々普く
Z14_0038B10: 彌陀の威神を歎し玉ふ。本願名號は。貴賤智愚を論ぜ
Z14_0038B11: ず。十四佛國の薩埵。在世の文殊普賢。佛滅後の龍樹
Z14_0038B12: 天親より經道滅盡の時の衆生まで。信樂受持すれば
Z14_0038B13: 卽往生す。何を以の故に。此名號には。無上の功德を具
Z14_0038B14: するが故に。唯一念の處に。大利を得ること。喩へば
Z14_0038B15: 百川千江。悉く海に歸し。七政衆星。共に北に拱が如
Z14_0038B16: し。更に誰か其爾る所以を測量せん。所謂萬行衆善は
Z14_0038B17: 是を有上と名く。唯是一善。僅に一惡を滅し。一行只

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