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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

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巻_頁段行 本文
Z14_0039A01: 一障を除き。開遮偏曲にして。融通義該せず。今此本願
Z14_0039A02: 力成就の一句。南無阿彌陀佛一稱一念の處に。多刧の
Z14_0039A03: 罪障を滅し。無邊の功德を成す。故に元照曰。我彌陀
Z14_0039A04: 名攝物。是以耳聞口誦。無邊聖德。攬-入識心。永爲
Z14_0039A05: 佛種頓除億刧重罪證無上菩提。信知非少善根。多
Z14_0039A06: 善根也矣。老漢の云へる如く。此の理を知らねども。
Z14_0039A07: 此の理は離れぬものなれは。愚癡無智の人の申す念
Z14_0039A08: 佛も。一心三觀の義も。萬行衆善も。此名號の具德に
Z14_0039A09: して。一念名號の全體。自ら周備す。正像末法の中に
Z14_0039A10: 亘て。悉く漏るゝ機なし。故に善導大師釋曰。自餘衆
Z14_0039A11: 善。雖是善。若比念佛者。全非比挍也。法照禪師
Z14_0039A12: 曰。夫如來設敎。廣略隨根。終歸實相。然念佛三昩。是
Z14_0039A13: 眞無上深妙門。蓋其念佛とは。口稱南無阿彌陀佛
Z14_0039A14: り。南無者救我。度我。歸命と飜ずれは。我か邦の。た
Z14_0039A15: すけ玉へと云ことなり。是衆生の願心にして。迷の凡
Z14_0039A16: 夫より。佛をたのむの意なり。本願の。若不生者の方
Z14_0039A17: なり。阿彌陀佛とは。十刧覺成の佛體。悟りの方にて。
Z14_0039B01: 本願の不取正覺の方なり。然れは纔に南無阿彌陀佛
Z14_0039B02: と唱時。自迷悟一致し。凡聖一際になりて。若不生者
Z14_0039B03: の衆生も。不取正覺の佛も。生佛一如にして二如な
Z14_0039B04: く。願行具足す。斯れは此れ佛智の所搆。佛願の所建
Z14_0039B05: なれは。行者の機情に。曾て雖之。自然として。
Z14_0039B06: 一如に冥合す。故に善導は。不覺轉入眞如門と釋し。
Z14_0039B07: 古德は。泯絕機知。格外宗風。剝盡悟解。自然悟道と
Z14_0039B08: 云。沒滋味にして。入實相手段なり。𧷤禪師の曰。十
Z14_0039B09: 刧一如。無念念なれは。終日念佛すれとも。無念不乖。
Z14_0039B10: 淸淨本願。無生の生なれば。熾然として往生すれど
Z14_0039B11: も。不無生。凡聖住自位。而感應道交し。東西不
Z14_0039B12: 往來。神遷淨刹。此不可得。而致詰也。然れは心行具
Z14_0039B13: 足し。一度も南無阿彌陀佛と唱るもの。往生の素懷を
Z14_0039B14: 遂げざるはなし。三寶滅盡の衆生ま〓。遣迎二尊の本
Z14_0039B15: 乳。全く不本味。在滅一同の大法門と云ふは。我か
Z14_0039B16: 念佛の巨益にあらずや。牛羊の眼測て窺ふ所にあら
Z14_0039B17: ず。老漢が祖師の智者大師も。請救彈舌し玉ふ圓頓佛

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