浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0039A01: | 一障を除き。開遮偏曲にして。融通義該せず。今此本願 |
Z14_0039A02: | 力成就の一句。南無阿彌陀佛一稱一念の處に。多刧の |
Z14_0039A03: | 罪障を滅し。無邊の功德を成す。故に元照曰。我彌陀 |
Z14_0039A04: | 以レ名攝レ物。是以耳聞口誦。無邊聖德。攬二-入識心一。永爲二 |
Z14_0039A05: | 佛種一頓除二億刧重罪一獲二證無上菩提一。信知非二少善根一。多 |
Z14_0039A06: | 善根也矣。老漢の云へる如く。此の理を知らねども。 |
Z14_0039A07: | 此の理は離れぬものなれは。愚癡無智の人の申す念 |
Z14_0039A08: | 佛も。一心三觀の義も。萬行衆善も。此名號の具德に |
Z14_0039A09: | して。一念名號の全體。自ら周備す。正像末法の中に |
Z14_0039A10: | 亘て。悉く漏るゝ機なし。故に善導大師釋曰。自餘衆 |
Z14_0039A11: | 善。雖レ名二是善一。若比二念佛一者。全非二比挍一也。法照禪師 |
Z14_0039A12: | 曰。夫如來設レ敎。廣略隨レ根。終歸二實相一。然念佛三昩。是 |
Z14_0039A13: | 眞無上深妙門。蓋其念佛とは。口稱二南無阿彌陀佛一な |
Z14_0039A14: | り。南無者救我。度我。歸命と飜ずれは。我か邦の。た |
Z14_0039A15: | すけ玉へと云ことなり。是衆生の願心にして。迷の凡 |
Z14_0039A16: | 夫より。佛をたのむの意なり。本願の。若不生者の方 |
Z14_0039A17: | なり。阿彌陀佛とは。十刧覺成の佛體。悟りの方にて。 |
Z14_0039B01: | 本願の不取正覺の方なり。然れは纔に南無阿彌陀佛 |
Z14_0039B02: | と唱時。自迷悟一致し。凡聖一際になりて。若不生者 |
Z14_0039B03: | の衆生も。不取正覺の佛も。生佛一如にして二如な |
Z14_0039B04: | く。願行具足す。斯れは此れ佛智の所搆。佛願の所建 |
Z14_0039B05: | なれは。行者の機情に。曾て雖レ不レ知レ之。自然として。 |
Z14_0039B06: | 一如に冥合す。故に善導は。不覺轉入眞如門と釋し。 |
Z14_0039B07: | 古德は。泯二絕機知一。格外宗風。剝二盡悟解一。自然悟道と |
Z14_0039B08: | 云。沒滋味にして。入二實相一手段なり。𧷤禪師の曰。十 |
Z14_0039B09: | 刧一如。無念念なれは。終日念佛すれとも。無念不レ乖。 |
Z14_0039B10: | 淸淨本願。無生の生なれば。熾然として往生すれど |
Z14_0039B11: | も。不レ背二無生一。凡聖住二自位一。而感應道交し。東西不二相 |
Z14_0039B12: | 往來一。神遷二淨刹一。此不可得。而致詰也。然れは心行具 |
Z14_0039B13: | 足し。一度も南無阿彌陀佛と唱るもの。往生の素懷を |
Z14_0039B14: | 遂げざるはなし。三寶滅盡の衆生ま〓。遣迎二尊の本 |
Z14_0039B15: | 乳。全く不レ失二本味一。在滅一同の大法門と云ふは。我か |
Z14_0039B16: | 念佛の巨益にあらずや。牛羊の眼測て窺ふ所にあら |
Z14_0039B17: | ず。老漢が祖師の智者大師も。請救彈舌し玉ふ圓頓佛 |