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Z1380 即心念仏談義本弁惑編 殊意痴 画像

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巻_頁段行 本文
Z14_0034A01: 卽心念佛談義本辨惑編
Z14_0034A02:
Z14_0034A03: 談曰。卽心念佛と云ふ名を立て。專ら弘め玉へるは。
Z14_0034A04: 四明尊者なり。因て尊者。妙宗鈔の序に。適時之巧。
Z14_0034A05: 我所一レ能。願共有情。卽心念佛と。の玉へり。辨曰。
Z14_0034A06: 此の談義の趣きを見るに。卽心念佛とは。一心三觀を
Z14_0034A07: 以て。無量壽佛を觀する。觀念の念佛のことにして。
Z14_0034A08: 南無阿彌陀佛と申す。口稱の念佛のことにてはなし。
Z14_0034A09: 故に卽心念佛を。約心觀佛とも云と談せられぬ。又是
Z14_0034A10: 心作佛是心是佛の文を解して。是の心とは各々我れ
Z14_0034A11: らが。西方の彌陀を思ふ心なり。其の心が彌陀佛を。見
Z14_0034A12: 出し奉るなり。卽ち其の心が直に是れ彌陀佛なりと
Z14_0034A13: 談せらるれば。觀佛に紛れなし。然れども始終に多く
Z14_0034A14: 念佛申す〱と。云はるゝが故。此に因て見れば。口稱
Z14_0034A15: の念佛にして。觀念の念佛とは思はれず。甚だ相違せ
Z14_0034A16: る談義。かの鳥にも非す鼠にもあらぬ。蝙蝠の樣なる
Z14_0034A17: 卽心念佛なり。安心決定とは。題しがたし。四明の本
Z14_0034B01: 旨豈に然んや。恐くは天台四明の正義に背く。老漢妄
Z14_0034B02: 作の卽心念佛ならん。猶又口稱念佛の勸めかと見れ
Z14_0034B03: ば。彌陀の願に立て。釋迦の經に說き玉ふ。念佛の安
Z14_0034B04: 心の。三心の義は少もなし。其上往生極樂を勸め玉ふ
Z14_0034B05: 御經に。如是理觀觀心を。說せ玉ふと念を入れて。談
Z14_0034B06: せらるゝからは。やはり天台四明の義の如くに。觀念
Z14_0034B07: の觀佛を。勸めたきことなり。今の所立を見るに。卽
Z14_0034B08: 心念佛と云ふ名は依四明。起修は法然のまねにて。念
Z14_0034B09: 佛申す〱と云るれども。引文は心佛同體の文ども
Z14_0034B10: にて。末に到ては卽心念佛を務る人は。縱ひ今生に明
Z14_0034B11: かなる圓解開けずとも。往生したらば開くべしと談
Z14_0034B12: ぜらる。此の得生後の圓解は。淨家通途の所談。事持
Z14_0034B13: 念佛の手段なり。畢竟自法愛染の局執より。他宗易行
Z14_0034B14: の建立に楯をつき。負じと巧み出したる。貢高我慢の
Z14_0034B15: しわざより。貶法然所立。書きしものと見えたり。
Z14_0034B16: 談曰。淨土の三部經の中に。無量壽經。阿彌陀經には。
Z14_0034B17: 卽心念佛の旨を明さず。觀經ばかり是心作佛。乃至天

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