浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0022A01: | 不思議廣大なるべし。猶譬を以て。此を云に。東國西 |
Z14_0022A02: | 國の田舍人。京都を見物に上りて。やどを借が如し。 |
Z14_0022A03: | 金持ぬ人は。三條の小橋あたりの。巡禮やどならで |
Z14_0022A04: | は。得べからず。金を多く持たる人や。歷々の人は。京 |
Z14_0022A05: | 中にても。結構なる座敷。廣き處をかりてをり。或は |
Z14_0022A06: | 木屋町邊にても。結構なる借座敷。風景のよき處にを |
Z14_0022A07: | りて。樂しむなり。此めん〱の。福力次第なり。卽心 |
Z14_0022A08: | 念佛の人の見る處。永異下事善。及小乘行。得二往生一者上 |
Z14_0022A09: | と。釋し玉ふ。四明の御釋。疑ふべがらず。事の念佛の |
Z14_0022A10: | 人が。往生したらば。極樂の巡禮やど位にならでは。 |
Z14_0022A11: | ゑをるまじ。かやうに云を。淨土宗などが。聞たらば。 |
Z14_0022A12: | 此は。勿體なきわる口なり。極樂に何ぞ巡禮やどあら |
Z14_0022A13: | ん。念佛者の信心を。云さますなりと。しかるべし。此 |
Z14_0022A14: | 方の心。事の念佛者の信心を。云さますに心はなし。 |
Z14_0022A15: | 卽心念佛を。たきつけんとの心なり。かやうの校量 |
Z14_0022A16: | は。經論に多くあることなり。事理の勝劣を。たくら |
Z14_0022A17: | べあらはさんが爲に。今此を云なり。善住天子經に云 |
Z14_0022B01: | く。文殊。吿二舍利弗一。聞レ法生レ謗。墮二於地獄一。勝下於供二養 |
Z14_0022B02: | 恒沙佛一者上と。此通りなれば。諸佛を供養するは。用に |
Z14_0022B03: | たゝぬこと。わけもなきことと。聞ゆるゆへ。勿體な |
Z14_0022B04: | き。わる口と。聞ゆれども。かやうの校量。甚だ多きこ |
Z14_0022B05: | となり。わる口などにては。曾てなきなり。福よりも。 |
Z14_0022B06: | 智の勝れたることを。顯さんが爲なり。三條あたりの |
Z14_0022B07: | 巡禮やどは。山邊の柴の編戶や。海邊の海士の蓬や |
Z14_0022B08: | に。くらぶれば。京の町屋ゆへ。遙に勝れたり。極樂の |
Z14_0022B09: | 巡禮やどの位なる處も。極樂なるゆへ。娑婆世界の穢 |
Z14_0022B10: | 土などに。中々これあることにてはなき。結構なる處 |
Z14_0022B11: | なり。至極愚癡無智のともがらは。極樂の巡禮やどに |
Z14_0022B12: | ても。たんぬべし。少し智慧ある人は。卽心念佛を勤 |
Z14_0022B13: | めて。結構至極。廣大無邊。不思議微妙の。玉の臺に登 |
Z14_0022B14: | り玉へ。さて慧心の先德の。往生要集の中に。知二心作一レ |
Z14_0022B15: | 佛。有二何勝利一と。問玉へり。是心作佛。是心是佛の問 |
Z14_0022B16: | なり。此を答玉ふ時。若觀二此理一。能了二三世一切佛法一。乃 |
Z14_0022B17: | 至一聞。卽得レ解二脫三途苦難一。如二華嚴經如來林菩薩偈 |