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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0022A01: 不思議廣大なるべし。猶譬を以て。此を云に。東國西
Z14_0022A02: 國の田舍人。京都を見物に上りて。やどを借が如し。
Z14_0022A03: 金持ぬ人は。三條の小橋あたりの。巡禮やどならで
Z14_0022A04: は。得べからず。金を多く持たる人や。歷々の人は。京
Z14_0022A05: 中にても。結構なる座敷。廣き處をかりてをり。或は
Z14_0022A06: 木屋町邊にても。結構なる借座敷。風景のよき處にを
Z14_0022A07: りて。樂しむなり。此めん〱の。福力次第なり。卽心
Z14_0022A08: 念佛の人の見る處。永異事善。及小乘行。得往生
Z14_0022A09: と。釋し玉ふ。四明の御釋。疑ふべがらず。事の念佛の
Z14_0022A10: 人が。往生したらば。極樂の巡禮やど位にならでは。
Z14_0022A11: ゑをるまじ。かやうに云を。淨土宗などが。聞たらば。
Z14_0022A12: 此は。勿體なきわる口なり。極樂に何ぞ巡禮やどあら
Z14_0022A13: ん。念佛者の信心を。云さますなりと。しかるべし。此
Z14_0022A14: 方の心。事の念佛者の信心を。云さますに心はなし。
Z14_0022A15: 卽心念佛を。たきつけんとの心なり。かやうの校量
Z14_0022A16: は。經論に多くあることなり。事理の勝劣を。たくら
Z14_0022A17: べあらはさんが爲に。今此を云なり。善住天子經に云
Z14_0022B01: く。文殊。吿舍利弗。聞法生謗。墮於地獄。勝於供
Z14_0022B02: 恒沙佛と。此通りなれば。諸佛を供養するは。用に
Z14_0022B03: たゝぬこと。わけもなきことと。聞ゆるゆへ。勿體な
Z14_0022B04: き。わる口と。聞ゆれども。かやうの校量。甚だ多きこ
Z14_0022B05: となり。わる口などにては。曾てなきなり。福よりも。
Z14_0022B06: 智の勝れたることを。顯さんが爲なり。三條あたりの
Z14_0022B07: 巡禮やどは。山邊の柴の編戶や。海邊の海士の蓬や
Z14_0022B08: に。くらぶれば。京の町屋ゆへ。遙に勝れたり。極樂の
Z14_0022B09: 巡禮やどの位なる處も。極樂なるゆへ。娑婆世界の穢
Z14_0022B10: 土などに。中々これあることにてはなき。結構なる處
Z14_0022B11: なり。至極愚癡無智のともがらは。極樂の巡禮やどに
Z14_0022B12: ても。たんぬべし。少し智慧ある人は。卽心念佛を勤
Z14_0022B13: めて。結構至極。廣大無邊。不思議微妙の。玉の臺に登
Z14_0022B14: り玉へ。さて慧心の先德の。往生要集の中に。知心作一レ
Z14_0022B15: 佛。有何勝利と。問玉へり。是心作佛。是心是佛の問
Z14_0022B16: なり。此を答玉ふ時。若觀此理。能了三世一切佛法。乃
Z14_0022B17: 至一聞。卽得脫三途苦難。如華嚴經如來林菩薩偈

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