浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0021A01: | ることが。殊の外勝れて。微妙不思議。結構至極なり。 |
Z14_0021A02: | 因て四明尊者は。永異下事善。及小乘行。得二往生一者上と。 |
Z14_0021A03: | 釋し玉ひて。卽心念佛の人の見る境界は。事の念佛。 |
Z14_0021A04: | 小乘行などの人の。往生して見る處とは。大いにちが |
Z14_0021A05: | へりとなり。猶又。如二諸經說一。凡小善行。廻向求レ生。縱 |
Z14_0021A06: | 依二大乘一。仍是散善。故感二安養一。淨相猶劣。若二今頓敎。 |
Z14_0021A07: | 心觀妙宗一。所レ見淨相。永異二他部一と。釋し玉へり。此意 |
Z14_0021A08: | は。觀經に說玉へる淨土の相は。餘の淨土部の經に。 |
Z14_0021A09: | 說玉へる。淨土の相よりも。遙に勝れたり。其ゆへは。 |
Z14_0021A10: | 觀經には。是心作佛。是心是佛の。卽心念佛を明すゆ |
Z14_0021A11: | へ。其念佛の人の。見る處の相なれば。結構至極にて。 |
Z14_0021A12: | 事の念佛の人の見る處とは。大いにちがへりとなり。 |
Z14_0021A13: | 如レ此同じ淨土が。此界の念佛の人の。智慧の勝劣に |
Z14_0021A14: | て。大いにかわると云は。業力所隔。感見不同と云て。 |
Z14_0021A15: | めん〱の業力から。見る處が。かわるものなり。一 |
Z14_0021A16: | つの河を。餓鬼は膿河と見。魚等は宅路と見。人は淸 |
Z14_0021A17: | 水と見。天は寶の地と見。空定を得たる人は。但空の |
Z14_0021B01: | みと見る。此に就て。一質異見。異質異見と云ことあ |
Z14_0021B02: | り云云。事の念佛の淨業力も。不思議にして。往生は |
Z14_0021B03: | すれども。其人の前には。淨土の相が。あまり勝れぬ |
Z14_0021B04: | なり。卽心念佛の。淨業力にては。見る處の淨土の相 |
Z14_0021B05: | が。殊の外勝るゝなり。そのはづなり。老僧四十餘り |
Z14_0021B06: | の比より。牡丹芍藥を植て樂めり。其比は。目が能見 |
Z14_0021B07: | へたるゆへ。花の色つや能見へ。はんなりとしたる處 |
Z14_0021B08: | が。明らかに能みへて。見事なりしが。七十に餘りて |
Z14_0021B09: | 後は。目殊の外。わるくなりたるゆへ。老年花似二霧中 |
Z14_0021B10: | 看一と云て。霧のふりかゝる中に。花を見るやうにて。 |
Z14_0021B11: | 花の色つや。はんなりとしたる處は。明らかならぬゆ |
Z14_0021B12: | へ。昔しのやうに。見事にはなきなり。此を以て知。事 |
Z14_0021B13: | の念佛の人の。淨土に生じたるは。老人の見る花の如 |
Z14_0021B14: | く。寶の樹。寶の地。寶の池。金の蓮の花。色つや明ら |
Z14_0021B15: | かにはなく。又廣大無邊の相も見へまじ。卽心念佛の |
Z14_0021B16: | 人の。見る所の寶の樹。寶の地。寶の池。金の蓮は。わ |
Z14_0021B17: | かき人の目にて見る花の如く。色相莊嚴。微妙淸淨。 |