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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0021A01: ることが。殊の外勝れて。微妙不思議。結構至極なり。
Z14_0021A02: 因て四明尊者は。永異事善。及小乘行。得往生と。
Z14_0021A03: 釋し玉ひて。卽心念佛の人の見る境界は。事の念佛。
Z14_0021A04: 小乘行などの人の。往生して見る處とは。大いにちが
Z14_0021A05: へりとなり。猶又。如諸經說。凡小善行。廻向求生。縱
Z14_0021A06: 大乘。仍是散善。故感安養。淨相猶劣。若今頓敎。
Z14_0021A07: 心觀妙宗。所見淨相。永異他部と。釋し玉へり。此意
Z14_0021A08: は。觀經に說玉へる淨土の相は。餘の淨土部の經に。
Z14_0021A09: 說玉へる。淨土の相よりも。遙に勝れたり。其ゆへは。
Z14_0021A10: 觀經には。是心作佛。是心是佛の。卽心念佛を明すゆ
Z14_0021A11: へ。其念佛の人の。見る處の相なれば。結構至極にて。
Z14_0021A12: 事の念佛の人の見る處とは。大いにちがへりとなり。
Z14_0021A13: 此同じ淨土が。此界の念佛の人の。智慧の勝劣に
Z14_0021A14: て。大いにかわると云は。業力所隔。感見不同と云て。
Z14_0021A15: めん〱の業力から。見る處が。かわるものなり。一
Z14_0021A16: つの河を。餓鬼は膿河と見。魚等は宅路と見。人は淸
Z14_0021A17: 水と見。天は寶の地と見。空定を得たる人は。但空の
Z14_0021B01: みと見る。此に就て。一質異見。異質異見と云ことあ
Z14_0021B02: り云云。事の念佛の淨業力も。不思議にして。往生は
Z14_0021B03: すれども。其人の前には。淨土の相が。あまり勝れぬ
Z14_0021B04: なり。卽心念佛の。淨業力にては。見る處の淨土の相
Z14_0021B05: が。殊の外勝るゝなり。そのはづなり。老僧四十餘り
Z14_0021B06: の比より。牡丹芍藥を植て樂めり。其比は。目が能見
Z14_0021B07: へたるゆへ。花の色つや能見へ。はんなりとしたる處
Z14_0021B08: が。明らかに能みへて。見事なりしが。七十に餘りて
Z14_0021B09: 後は。目殊の外。わるくなりたるゆへ。老年花似霧中
Z14_0021B10: と云て。霧のふりかゝる中に。花を見るやうにて。
Z14_0021B11: 花の色つや。はんなりとしたる處は。明らかならぬゆ
Z14_0021B12: へ。昔しのやうに。見事にはなきなり。此を以て知。事
Z14_0021B13: の念佛の人の。淨土に生じたるは。老人の見る花の如
Z14_0021B14: く。寶の樹。寶の地。寶の池。金の蓮の花。色つや明ら
Z14_0021B15: かにはなく。又廣大無邊の相も見へまじ。卽心念佛の
Z14_0021B16: 人の。見る所の寶の樹。寶の地。寶の池。金の蓮は。わ
Z14_0021B17: かき人の目にて見る花の如く。色相莊嚴。微妙淸淨。

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