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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0020A01: も。その智慧に。だん〱これあるゆへ。天台大師を
Z14_0020A02: 始め。悟り開けたる人々。皆念佛申して。往生を求め
Z14_0020A03: 玉へり。能佛敎の修行の位。だん〱にこれあること
Z14_0020A04: を知。究竟妙覺の佛にならんことを。求め玉へばな
Z14_0020A05: り。さて又。淨土宗は。事の念佛が。時相機應と云ど
Z14_0020A06: も。左樣ばかりではなきはづなり。時機相應と云ど
Z14_0020A07: も。日本國が。淨土宗ばかりにもならず。天台宗もあ
Z14_0020A08: り。禪宗もあり。眞言宗もあり。此等の宗旨は。時機不
Z14_0020A09: 相應かと思へども。左樣にてはなし。志しありて學ぶ
Z14_0020A10: は。右の宗旨の人に。面々の宗の意を。明かに知て。能
Z14_0020A11: 勤むる人。間々有之ことなり。淨土宗は。時機相應か
Z14_0020A12: と思へども。眞實に念佛申す淨土宗は。甚だすくな
Z14_0020A13: し。淨土宗僧に。宗風にて。人には念佛を勸むれども。
Z14_0020A14: 心の底には。淨土もなし。阿彌陀もなしと。撥無した
Z14_0020A15: る人。甚だ多し。何として。知ぞと云ば。其人々の。平
Z14_0020A16: 生の身もちにて。知ることなり。此ことは。委しく云
Z14_0020A17: に及ばず。少し心ある人は。皆合點の前のことなり。
Z14_0020B01: 尤も此事。今時諸宗の僧。皆大樣同じことにてはある
Z14_0020B02: なり。然れば。事の念佛ばかりが。時機相應にて。卽心
Z14_0020B03: 念佛は。時機相應にあらずと。云べからず。前々も云
Z14_0020B04: し通り。極樂も。彌陀も。我心と知て。念佛申すに付
Z14_0020B05: て。此理を思ふが。卽心念佛なりと云ことは。心得が
Z14_0020B06: たきにもあらず。覺へにくきことにもあらざれば。志
Z14_0020B07: ある人ならば。なるほど務めらるべきことなり。願く
Z14_0020B08: は。無常の速なることをよく知て。本性の彌陀をたの
Z14_0020B09: み。唯心の淨土に生じ玉へ。
Z14_0020B10:    卽心念佛の功德利益の事
Z14_0020B11: 卽心念佛は。事の念佛より遙に勝れて。功德利益。廣
Z14_0020B12: 大無邊なり。前にも云し通り。先三世のつみとがを。
Z14_0020B13: 滅することが。廣大なり。觀無生の懺悔を。大地をく
Z14_0020B14: つがへせば。諸の一切の草木。一度に皆かるゝが如し
Z14_0020B15: と云り。如此觀念理持の。卽心念佛ほど。滅罪廣大な
Z14_0020B16: るはなし。さて又。同じ念佛にて。同じ淨土に生ずれ
Z14_0020B17: ども。卽心念佛の人は。淨土の依報。正報を。感見し奉

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