浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0020A01: | も。その智慧に。だん〱これあるゆへ。天台大師を |
Z14_0020A02: | 始め。悟り開けたる人々。皆念佛申して。往生を求め |
Z14_0020A03: | 玉へり。能佛敎の修行の位。だん〱にこれあること |
Z14_0020A04: | を知。究竟妙覺の佛にならんことを。求め玉へばな |
Z14_0020A05: | り。さて又。淨土宗は。事の念佛が。時相機應と云ど |
Z14_0020A06: | も。左樣ばかりではなきはづなり。時機相應と云ど |
Z14_0020A07: | も。日本國が。淨土宗ばかりにもならず。天台宗もあ |
Z14_0020A08: | り。禪宗もあり。眞言宗もあり。此等の宗旨は。時機不 |
Z14_0020A09: | 相應かと思へども。左樣にてはなし。志しありて學ぶ |
Z14_0020A10: | は。右の宗旨の人に。面々の宗の意を。明かに知て。能 |
Z14_0020A11: | 勤むる人。間々有レ之ことなり。淨土宗は。時機相應か |
Z14_0020A12: | と思へども。眞實に念佛申す淨土宗は。甚だすくな |
Z14_0020A13: | し。淨土宗僧に。宗風にて。人には念佛を勸むれども。 |
Z14_0020A14: | 心の底には。淨土もなし。阿彌陀もなしと。撥無した |
Z14_0020A15: | る人。甚だ多し。何として。知ぞと云ば。其人々の。平 |
Z14_0020A16: | 生の身もちにて。知ることなり。此ことは。委しく云 |
Z14_0020A17: | に及ばず。少し心ある人は。皆合點の前のことなり。 |
Z14_0020B01: | 尤も此事。今時諸宗の僧。皆大樣同じことにてはある |
Z14_0020B02: | なり。然れば。事の念佛ばかりが。時機相應にて。卽心 |
Z14_0020B03: | 念佛は。時機相應にあらずと。云べからず。前々も云 |
Z14_0020B04: | し通り。極樂も。彌陀も。我心と知て。念佛申すに付 |
Z14_0020B05: | て。此理を思ふが。卽心念佛なりと云ことは。心得が |
Z14_0020B06: | たきにもあらず。覺へにくきことにもあらざれば。志 |
Z14_0020B07: | ある人ならば。なるほど務めらるべきことなり。願く |
Z14_0020B08: | は。無常の速なることをよく知て。本性の彌陀をたの |
Z14_0020B09: | み。唯心の淨土に生じ玉へ。 |
Z14_0020B10: | 卽心念佛の功德利益の事 |
Z14_0020B11: | 卽心念佛は。事の念佛より遙に勝れて。功德利益。廣 |
Z14_0020B12: | 大無邊なり。前にも云し通り。先三世のつみとがを。 |
Z14_0020B13: | 滅することが。廣大なり。觀無生の懺悔を。大地をく |
Z14_0020B14: | つがへせば。諸の一切の草木。一度に皆かるゝが如し |
Z14_0020B15: | と云り。如レ此觀念理持の。卽心念佛ほど。滅罪廣大な |
Z14_0020B16: | るはなし。さて又。同じ念佛にて。同じ淨土に生ずれ |
Z14_0020B17: | ども。卽心念佛の人は。淨土の依報。正報を。感見し奉 |