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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0018A01: 阿彌陀佛眞如法身と云がゆへに。卽心念佛の證據
Z14_0018A02: とし玉へり。然るに。極樂往生を求むることは。事の
Z14_0018A03: 念佛にても。能なることなるに。何とて卽心念佛が。
Z14_0018A04: 末世の要行なりとは云やと云。疑ひあるべきことな
Z14_0018A05: り。此をよく心得べし。凡そ佛敎の意は。心を知より。
Z14_0018A06: 外にはなし。生死出離の法は。心を觀ずるより外には
Z14_0018A07: なし。因て心地觀經の中に。生死沈與不沈。由心性觀
Z14_0018A08: 不觀相を。能觀心者。究竟解脫。不觀者。究竟
Z14_0018A09: 沈淪と說り。明らかなることなり。達磨大師は。直指
Z14_0018A10: 人心。見性成佛と云り。禪宗の至極大事。此外にはな
Z14_0018A11: きことなり。馬祖は。卽心卽佛。非心非佛。不是心。不
Z14_0018A12: 是佛。不是物との玉へども。畢竟は。直指人心。見性成
Z14_0018A13: 佛を。顯さんが爲なり。因て曇橘州は。卽心卽佛。非心
Z14_0018A14: 非佛。是馬大師直指人心。見性成佛之旨と云り。密敎
Z14_0018A15: の意は。大日經に三句の法門あり。第一句は。菩提心
Z14_0018A16: 因なり。其菩提心の相は。如實知自心と說り。實の
Z14_0018A17: 如く自心を知なり。然れば。佛の敎へ。出離生死の道
Z14_0018B01: は。心を知外にはなし。このゆへに。事の念佛ばかり
Z14_0018B02: にては。佛の敎への根本に遠く。出離生死の道すぢ。
Z14_0018B03: 近からず。卽心念佛は。事の念佛の上に。一心法界な
Z14_0018B04: れば。彌陀も我心。淨土も我心と觀じ照すゆへ。佛敎
Z14_0018B05: の根本にかなひ。生死出離の路が。往生せぬさきには
Z14_0018B06: や。少しづゝひろくなるなり。卽心念佛。豈至要の行
Z14_0018B07: にあらずや。事の念佛にても。極樂へ往生すれば。早
Z14_0018B08: 速さとりが開くるやうに思ふべけれども。左樣にて
Z14_0018B09: はなし。前にも云し通り。心觀の宿習がなければ。淨
Z14_0018B10: 土にても。早速には悟り開けがたきなり。さて又。佛
Z14_0018B11: 法の修行は。さま〲の法門あれども。事理の二つの
Z14_0018B12: 外はなきなり。禪宗などの如き。理を貴む人は。事の
Z14_0018B13: 行がかくるなり。淨土家などの如く。事の念佛ばかり
Z14_0018B14: を務むるは。理觀がかくるなり。事理の二行は。鳥の
Z14_0018B15: 兩の翼。車の兩の輪の如くにて。一つもかけてはなら
Z14_0018B16: ぬものなり。此譬能思ふべし。吾宗の卽心念佛は。事
Z14_0018B17: に卽して理を照し。理に卽して事を修するゆへ。鳥の

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