浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0018A01: | 念二阿彌陀佛眞如法身一と云がゆへに。卽心念佛の證據 |
Z14_0018A02: | とし玉へり。然るに。極樂往生を求むることは。事の |
Z14_0018A03: | 念佛にても。能なることなるに。何とて卽心念佛が。 |
Z14_0018A04: | 末世の要行なりとは云やと云。疑ひあるべきことな |
Z14_0018A05: | り。此をよく心得べし。凡そ佛敎の意は。心を知より。 |
Z14_0018A06: | 外にはなし。生死出離の法は。心を觀ずるより外には |
Z14_0018A07: | なし。因て心地觀經の中に。生死沈與二不沈一。由三心性觀 |
Z14_0018A08: | 與二不觀一相を。能觀レ心者。究竟解脫。不レ能レ觀者。究竟 |
Z14_0018A09: | 沈淪と說り。明らかなることなり。達磨大師は。直指 |
Z14_0018A10: | 人心。見性成佛と云り。禪宗の至極大事。此外にはな |
Z14_0018A11: | きことなり。馬祖は。卽心卽佛。非心非佛。不是心。不 |
Z14_0018A12: | 是佛。不是物との玉へども。畢竟は。直指人心。見性成 |
Z14_0018A13: | 佛を。顯さんが爲なり。因て曇橘州は。卽心卽佛。非心 |
Z14_0018A14: | 非佛。是馬大師直指人心。見性成佛之旨と云り。密敎 |
Z14_0018A15: | の意は。大日經に三句の法門あり。第一句は。菩提心 |
Z14_0018A16: | 爲レ因なり。其菩提心の相は。如實知自心と說り。實の |
Z14_0018A17: | 如く自心を知なり。然れば。佛の敎へ。出離生死の道 |
Z14_0018B01: | は。心を知外にはなし。このゆへに。事の念佛ばかり |
Z14_0018B02: | にては。佛の敎への根本に遠く。出離生死の道すぢ。 |
Z14_0018B03: | 近からず。卽心念佛は。事の念佛の上に。一心法界な |
Z14_0018B04: | れば。彌陀も我心。淨土も我心と觀じ照すゆへ。佛敎 |
Z14_0018B05: | の根本にかなひ。生死出離の路が。往生せぬさきには |
Z14_0018B06: | や。少しづゝひろくなるなり。卽心念佛。豈至要の行 |
Z14_0018B07: | にあらずや。事の念佛にても。極樂へ往生すれば。早 |
Z14_0018B08: | 速さとりが開くるやうに思ふべけれども。左樣にて |
Z14_0018B09: | はなし。前にも云し通り。心觀の宿習がなければ。淨 |
Z14_0018B10: | 土にても。早速には悟り開けがたきなり。さて又。佛 |
Z14_0018B11: | 法の修行は。さま〲の法門あれども。事理の二つの |
Z14_0018B12: | 外はなきなり。禪宗などの如き。理を貴む人は。事の |
Z14_0018B13: | 行がかくるなり。淨土家などの如く。事の念佛ばかり |
Z14_0018B14: | を務むるは。理觀がかくるなり。事理の二行は。鳥の |
Z14_0018B15: | 兩の翼。車の兩の輪の如くにて。一つもかけてはなら |
Z14_0018B16: | ぬものなり。此譬能思ふべし。吾宗の卽心念佛は。事 |
Z14_0018B17: | に卽して理を照し。理に卽して事を修するゆへ。鳥の |