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Z1360 即心念仏安心決定談義本 霊空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0017A01: せぬなり。淨土念佛の法門。たやすきことにあらず。
Z14_0017A02: 輕きことに思ふべからず。淨土宗の人の。念佛を務む
Z14_0017A03: るは。宗旨の建立にて。習ひ來り。仕來りたるばかり
Z14_0017A04: のことにて。佛敎の大意を。よく知。見識あるより務
Z14_0017A05: むるにあらざれば。尊むに足ず。尤事の念佛不
Z14_0017A06: と云ことにてはなきなり。天台は勿論。禪宗にても。
Z14_0017A07: 其外の宗旨にても。佛敎の意を。能明らめて。生死と
Z14_0017A08: 云ものは。こうしたこと。凡夫と云は。こうしたもの。
Z14_0017A09: 修行の位は。だん〱こうしたことと。能明らめたる
Z14_0017A10: 人は。皆極樂往生を求むるなり。其ゆへは。佛法は。別
Z14_0017A11: の爲にてはなし。只一切の衆生をして。生死の輪廻を
Z14_0017A12: 離れて。常住不滅の。結構なる佛にならしめんが爲な
Z14_0017A13: り。生死の輪廻に就て。二つあり。地獄。餓鬼。乃至人。
Z14_0017A14: 天の生死流轉を。界內分段の生死と云なり。聲聞。緣
Z14_0017A15: 覺。菩薩も。微細の生死輪廻を免れず。此を變易の生
Z14_0017A16: 死と云なり。先その界內六道の生死を。我でに出離す
Z14_0017A17: ること。中々。一世や。二世の修行にては。難成こと
Z14_0017B01: なり。佛の敎への。種々の觀念觀法を修して。色々の
Z14_0017B02: 邪見惡見を離れ。見ること聞ことに迷ふ心の。思惑と
Z14_0017B03: 云ものを。ちりほこりほどもとゞめず。斷じ盡した
Z14_0017B04: るにてなければ。我でに自然に。界內六道の輪廻を。
Z14_0017B05: 離るゝことはならぬなり。それを。なるやうに勤むる
Z14_0017B06: には。てまがいるゆへ。退屈したり。緣にひかれて。し
Z14_0017B07: りぞひたりするゆへに。此界の修行は。中々。はかど
Z14_0017B08: らぬことなり。阿彌陀佛をたのみて。念佛を修すれ
Z14_0017B09: ば。臨終に。必ず極樂へ往生す。往生すれば。諸の修行
Z14_0017B10: のさはりを離れ。風のをと。鳥の聲までも。妙法をの
Z14_0017B11: ぶるゆへ。退轉の因緣は曾てなく。自然に深玅のさと
Z14_0017B12: りが開くるなり。誠に生るべきは。極樂淨土なり。因
Z14_0017B13: て馬鳴菩薩の起信論の中に。初學大乘正信。以
Z14_0017B14: 常値上レ佛。懼謂信心意欲一レ退者。當知如來有勝方
Z14_0017B15: 便。攝護信心。但當專念極樂世界阿彌陀佛眞如法身
Z14_0017B16: 畢竟得生。住正定故と。論判し玉へり。四明尊者。此
Z14_0017B17: 文を引て。末世行人。淨土を求むるわけとし玉ひ。又

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