浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0017A01: | せぬなり。淨土念佛の法門。たやすきことにあらず。 |
Z14_0017A02: | 輕きことに思ふべからず。淨土宗の人の。念佛を務む |
Z14_0017A03: | るは。宗旨の建立にて。習ひ來り。仕來りたるばかり |
Z14_0017A04: | のことにて。佛敎の大意を。よく知。見識あるより務 |
Z14_0017A05: | むるにあらざれば。尊むに足ず。尤事の念佛不レ足レ尊 |
Z14_0017A06: | と云ことにてはなきなり。天台は勿論。禪宗にても。 |
Z14_0017A07: | 其外の宗旨にても。佛敎の意を。能明らめて。生死と |
Z14_0017A08: | 云ものは。こうしたこと。凡夫と云は。こうしたもの。 |
Z14_0017A09: | 修行の位は。だん〱こうしたことと。能明らめたる |
Z14_0017A10: | 人は。皆極樂往生を求むるなり。其ゆへは。佛法は。別 |
Z14_0017A11: | の爲にてはなし。只一切の衆生をして。生死の輪廻を |
Z14_0017A12: | 離れて。常住不滅の。結構なる佛にならしめんが爲な |
Z14_0017A13: | り。生死の輪廻に就て。二つあり。地獄。餓鬼。乃至人。 |
Z14_0017A14: | 天の生死流轉を。界內分段の生死と云なり。聲聞。緣 |
Z14_0017A15: | 覺。菩薩も。微細の生死輪廻を免れず。此を變易の生 |
Z14_0017A16: | 死と云なり。先その界內六道の生死を。我でに出離す |
Z14_0017A17: | ること。中々。一世や。二世の修行にては。難レ成こと |
Z14_0017B01: | なり。佛の敎への。種々の觀念觀法を修して。色々の |
Z14_0017B02: | 邪見惡見を離れ。見ること聞ことに迷ふ心の。思惑と |
Z14_0017B03: | 云ものを。ちりほこりほどもとゞめず。斷じ盡した |
Z14_0017B04: | るにてなければ。我でに自然に。界內六道の輪廻を。 |
Z14_0017B05: | 離るゝことはならぬなり。それを。なるやうに勤むる |
Z14_0017B06: | には。てまがいるゆへ。退屈したり。緣にひかれて。し |
Z14_0017B07: | りぞひたりするゆへに。此界の修行は。中々。はかど |
Z14_0017B08: | らぬことなり。阿彌陀佛をたのみて。念佛を修すれ |
Z14_0017B09: | ば。臨終に。必ず極樂へ往生す。往生すれば。諸の修行 |
Z14_0017B10: | のさはりを離れ。風のをと。鳥の聲までも。妙法をの |
Z14_0017B11: | ぶるゆへ。退轉の因緣は曾てなく。自然に深玅のさと |
Z14_0017B12: | りが開くるなり。誠に生るべきは。極樂淨土なり。因 |
Z14_0017B13: | て馬鳴菩薩の起信論の中に。初學二大乘正信一。以下在二此 |
Z14_0017B14: | 土一不中常値上レ佛。懼謂二信心意欲一レ退者。當レ知如來有二勝方 |
Z14_0017B15: | 便一。攝二護信心一。但當三專念二極樂世界阿彌陀佛眞如法身一。 |
Z14_0017B16: | 畢竟得レ生。住二正定一故と。論判し玉へり。四明尊者。此 |
Z14_0017B17: | 文を引て。末世行人。淨土を求むるわけとし玉ひ。又 |